文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、持株会社である当社と国内外の連結子会社により構成されるグループ経営を展開しており、証券ビジネス及びアセットマネジメントビジネスをコアとする資産運用サービスの提供を通じて持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
(2)経営戦略等
当社では、2023年4月の創業100周年を越えてお客さまから信頼され成長を続けられる体制を確立するための改革を加速しており、2020年4月にスタートした中期経営計画においては、お客さまニーズの多様化やビジネスチャンスの拡大に着実に対応するため、「お客さま本位のサービス提供」「シェアードバリューの創出」「デジタライゼーションへの取り組み」を基本方針に据え、企業価値の向上に努めております。
計画2年目にあたる当年度は、引き続きグループ証券各社においてお客さま体験価値(CX)向上に努めました。中核の岡三証券では多様化するお客さまニーズに応えるためのマーケティング起点の営業組織改革の実施、商品開発体制の強化等を目的としたプロダクト・ソリューション部門の新設に加え、お客さまとの接点拡充に向けた店舗戦略を推進いたしました。グループ力の強化については、岡三証券と岡三オンライン証券の経営統合を完了し、「対面とネットの融合」による新たな付加価値提供に向けての取組みを進めたほか、クラウドファンディング事業会社との資本業務提携など、事業基盤の拡大に努めました。また、デジタルシフト時代にふさわしい商品・サービスの開発と提供に向けた体制構築のため、デジタル証券ビジネスへの参入を決定しました。
当社グループでは引き続き、中期経営計画に基づき、社会とともに発展し続ける企業を目指して努力を続けてまいります。
|
|||||||||
岡三証券グループ 中期経営計画 |
|||||||||
|
|||||||||
|
|||||||||
|
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く経営環境は大きな転換期を迎えています。グローバリゼーションからの揺り戻しやデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展、サステナビリティの潮流など、従来の秩序が壊れつつあり、新たな時代が到来しています。わが国の証券ビジネスにおいては、手数料の構造変化や様々な制度改革、急速なデジタルシフトなどにより、ビジネスモデルの在り方自体が大きく変容しつつあります。他方、わが国の個人金融資産に占めるリスク資産の比率は欧米と比較して依然小さく、「人生100年時代」のもと資産寿命を伸ばす必要性が高まるなか、今後、新たな投資家と新たな資金の流入により証券ビジネスの成長ポテンシャルは高いと考えております。既に若年層を中心に変化の兆しもあり、変化への対応力次第で拡大成長の機会が拡がってくると捉えています。
そのような中、当社グループは、中期経営計画(2020~2022年度)のもと、様々な領域において改革を進めております。中核事業であるリテールビジネスでは、多様化するお客さまニーズに対応するため、お客さま一人ひとりのニーズに合ったサービスを提供する「One to Oneマーケティング」の実現を目指しております。資産全体のコンサルティングを行うポートフォリオ提案やソリューションビジネスなど新たな「付加価値」の提供力を高めることで、金融商品の売買手数料に過度に依存しないビジネスモデルの構築を進めています。また、大きな環境変化に対応するには、柔軟性と迅速性が不可欠です。従来の自前主義からの脱却を進めることにより、経営資源の効率化やサービスの質的向上を図る方針です。更に、競争力、企業価値を高めるため人材に積極的に投資をし、育成してまいります。
証券ビジネスは「変化」を「エネルギー」とする業態であり、変化が激しい時代だからこそ、果たすべき役割は大きいと感じています。社会のサステナビリティに貢献をし、変革を進める企業に高い価値評価を与え、資金供給を行い、マネーの流れを創り出すことで私達の社会的使命を果たしたいと考えます。当社グループは2023年4月に創業100周年を迎えます。すべてのお客さま、社員、株主の皆さま、更には社会にも感謝をし、引き続き貢献できる企業であるよう努めてまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、いかなる環境下においても安定的な収益性を確保することが重要との考え方から、連結ROE 10%の安定的な達成を長期的な経営目標として掲げております。
お知らせ