課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社は創業以来、どの系列にも属さず「自主独立」を貫いております。また、お客様本位の考え方に基づき、お客様のニーズにあった情報やサービスの提供を推進することにより、お客様満足度の向上に努めております。

当社グループは、お客様へ質の高いサービスを提供するとともに、経営の効率化を進めて企業価値を高め、全てのステークホルダーへの利益還元を充実させていくことが、経営の最重要課題であると考えております。

 

(2) 経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題

当社は、「売買手数料依存の収益構造から脱し、残高連動報酬(信託報酬)をベースにした収益構造を確立すること」が必要であると考えてきました。

また、日本経済の成長力が低下した1990年代以降、お客様に「投資信託を通じてグローバルな資産運用をしていただくこと」が、当社の社会的使命であると考えてきました。

以上の考えから、投資信託によるグローバルな資産運用をお客様にご提案し、そのお預り資産を拡大することにより、信託報酬を収益の柱のひとつとして育ててまいりました。

即ち、当社は、ブローカービジネスから脱却し、投資信託を通じて「助言による投資顧問業」へとビジネスモデルの転換を目指しています。

このような状況の下、当社グループが金融サービス業としてお客様からご支持を受け続けるためには、お客様の立場に立って、お客様の資産形成に資するご提案と、投資していただいた後も常にお客様に寄り添い、丁寧なフォローを行っていくことが、何よりも重要であると考えております。そのためには、2017年6月に策定・公表した「お客様本位の業務運営への取組方針」の実践こそが、「お客様の最善の利益の追求」となり、結果として、当社の利益にもつながるものと考えております。

この取組方針の実践には、人材育成が欠かせない重要課題であると考えております。数多くの研修・教育プログラムを通じ、お客様の立場に立って行動できる人材の育成に継続して取り組むことで、当社が提供するサービスの質の向上を図ってまいります。

株式営業につきましては、当社調査部門が作成するアナリストレポート等を活用した「レポート営業」を実践することで、質の高い情報の提供に全力で取り組んでまいります。

投資信託の募集営業につきましては、良質な投資信託を新規のご資金により長期投資していただくことで、お客様の運用資産拡大を目指します。さらに、2021年4月から新たにスタートした「第四次株式投信純増3ヵ年計画」に全力で取り組み、比較的安定収益である信託報酬を増やすことで、市況変動に左右されにくい収益基盤の確立を図ってまいります。

また、引き続き内部管理態勢及び法令遵守態勢の強化に努め、お客様へより一層質の高いサービスを提供し、当社グループ全体の企業価値向上に努めてまいります。

お客様の高齢化や、インターネット経由の取引の伸長等、証券業界や当社を取り巻く経営環境は厳しさを増しておりますが、国内株式と投資信託を柱とする対面営業主体という当社の特徴を活かしながら、上記の取り組みを真摯に継続してまいります。

新型コロナウイルス感染症への対処につきましては、感染症対策を継続しながら窓口業務や訪問などの対面営業を行う一方で、オンラインによるお客様との面会やWEBによるレポート・資料・動画配信を行うなど、新型コロナウイルスの感染拡大防止に取り組みながら、お客様の資産運用のご相談やご提供を充実させております。

なお、当社は、2022年7月19日を効力発生日として、当社の通信販売部に係る事業(マルサントレード及びコールセンターに係る事業を含む。)に関する権利義務を、会社分割の方法により、岡三証券株式会社に承継する予定としております。今後の事業環境を踏まえた当社事業ポートフォリオを再考する中で、マルサントレード等のお客様の利便性を最大限考慮しつつ、当社の経営資源を主力の対面営業に集中させ、お客様本位の業務運営を更に強化することが当社の企業価値向上に資すると考えております。

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

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