有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 株式市況の低迷に伴う収益変動リスク
当社グループは、証券会社をはじめとした金融機関からの業務受託を主たる事業としておりますので、株式市況の低迷により、顧客の売買高等が減少した場合には、バックオフィス事業の口座開設や証券事業の売買取次・清算取次等が減少し当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローが悪影響を受ける可能性があります。
(2) 特定の取引先への依存に関するリスク
当社グループの取引先上位10社に対する営業収益は、全体の約5割を占めております。当社グループは、既存取引先との関係を維持しつつ、新規取引先の獲得にも取り組んでまいりますが、何らかの事情によりこれら取引先との取引に急激な変化が生じた場合には、幅広い事業の収益が悪化し当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローが大きく悪影響を受ける可能性があります。当該リスクに対応するため、当社グループは、証券会社から銀行、新興系金融までの幅広い金融分野のお客様に対して、それぞれの業態ごとに標準的なプラットフォームを構築・提供する「証券業の共同インフラ会社」構想をより一層具体的にすることを目的として、五カ年計画「DCT2022」(2018年度~2022年度)を策定しており、証券会社以外の幅広い金融分野のお客様に対しても、サービス提供拡大を目指しております。
(3) 市場リスク
当社グループでは、株式等の投資有価証券等(2020年3月31日現在の 有価証券:2,302百万円、 投資有価証券:706百万円)を保有しておりますが、株価や金利等が急激に変動した場合には、保有株式等の価値が下落し損失が発生する等、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローが悪影響を受ける可能性があります。
(4) 信用リスク
当社グループは、信用取引(2020年3月31日現在の信用取引貸付金:5,115百万円)において顧客証券会社ごとに与信限度額を設定し、購入株式を担保としたうえでさらに所定の保証金を受け入れており、営業貸付金(2020年3月31日現在の営業貸付金:1,500百万円)は顧客の有価証券を担保として受け入れております。また、営業未収入金(2020年3月31日現在の営業未収入金:2,499百万円)においては、常に回収状況に留意しておりますが、いずれも契約不履行によってもたらされる信用リスクに晒されており、市況が急激に変動した場合等、顧客の信用リスクが顕在化する可能性があり、証券事業等の悪化により当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローが悪影響を受ける可能性があります。
(5) 固定資産の減損に関するリスク
当社グループは固定資産を保有しておりますが(2020年3月31日現在の固定資産:4,956百万円)、経営環境の悪化により事業の収益性が低下した場合、もしくは保有資産の市場価格が著しく下落した場合等には、固定資産の減損損失を計上する可能性がある等、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローが悪影響を受ける可能性があります。
(6) オペレーショナルリスク
当社グループでは、業務マニュアルを整備する等、万全の業務運営体制をとっておりますが、事務ミスや不正行為、法令違反等が発生した場合には、バックオフィス事業等の業務遂行に支障が生じるだけでなく、社会的信用の低下や、顧客や第三者に対する賠償責任を負う可能性がある等、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローが大きく悪影響を受ける可能性があります。当該リスクに対応するため、五カ年計画「DCT2022」(2018年度~2022年度)の重要経営課題として「① クオリティファーストの徹底」を掲げ、グループ全体として品質向上に取り組んでおります。
(7) システム開発に関するリスク
当社グループは、顧客との請負契約によりシステム開発を行っており、納期までにシステムを完成させ、納品するという責任を負っておりますが、当初の作業見積りに対する作業工数の増加等によりITサービス事業等の採算性が悪化する可能性があります。また、納期遅延や検収後のシステムに予期せぬ不具合等が発生した場合には、社会的信用の低下や、顧客や第三者に対する賠償責任を負う可能性がある等、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローが悪影響を受ける可能性があります。
(8) システム障害に関するリスク
当社グループが顧客に提供するシステムサービスならびに業務上使用するコンピュータシステムや通信回線において、プログラムの不具合、不正アクセス、災害や停電等を原因とした障害等が発生した場合には、ITサービス事業等のサービス提供や業務遂行に支障が生じるだけでなく、社会的信用の低下や、顧客や第三者に対する賠償責任を負う可能性がある等、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローが大きく悪影響を受ける可能性があります。
(9) 情報漏洩等に関するリスク
当社グループでは、多種・大量の個人情報や顧客の機密情報を取り扱っておりますので、それらの情報の管理は重要な経営課題と認識しております。当社グループでは、当該情報の漏洩、紛失、破壊等の防止のため、事務室等への入退室管理システムの導入や、情報・ネットワーク機器のセキュリティ対策、役職員を対象とした定期的な教育実施等の情報管理体制を構築しておりますが、事務ミスや不正行為等により、情報漏洩等の事態が発生した場合には、社会的信用の低下や、顧客や第三者に対する賠償責任を負う可能性がある等、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローが大きく悪影響を受ける可能性があります。当該リスクに対応するため、五カ年計画「DCT2022」(2018年度~2022年度)の重要経営課題として「① クオリティファーストの徹底」を掲げ、グループ全体として品質向上に取り組んでおります。
(10) 自然災害等の発生に関するリスク
地震等の自然災害や停電、新型インフルエンザ等の感染症の流行等の事態が発生した場合には、当社グループの事業活動が制限される、あるいは復旧等に多額の支出を要することがある等、幅広い事業の収益が悪化し当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローが大きく悪影響を受ける可能性があります。当該リスクに対応するため、BCPの観点から、自家発電装置や代替拠点の整備に加え、重要業務における座席分散、フロア分散・分離の推進を行っております。
新型コロナウイルス感染症の影響について、当社グループの主要顧客である証券会社においては業務が継続され、当社グループはトータルソリューションサービスの提供を行っていることから、現時点における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの影響は僅少でありますが、当該リスクに対応するため、上記のフロア分散・分離等の対応に加え、テレワークや時差出勤の推奨、WEB会議への移行等を行っております。
(11) 法的規制に関するリスク
当社グループは、金融商品取引法、貸金業法等の法的規制を受けておりますが、将来的に当社グループの事業に関係する法令・諸規則の改正や解釈の変更、新たな法的規制の導入等により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローが影響を受ける可能性があります。
(12) 自己資本規制比率に関するリスク
当社は、金融商品取引業者として、金融商品取引法の定めにより自己資本規制比率を120%以上に維持することが求められておりますが、万一、定められた自己資本規制比率を下回った場合には、金融庁より業務停止等を命じられることがある等、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローが悪影響を受ける可能性があります。
(13) 法令遵守に関するリスク
当社グループは、コンプライアンスを重要な経営課題として認識しており、役職員に対するコンプライアンス教育を徹底する等、法令を遵守する体制の整備に努めておりますが、当社グループの役職員が法令に違反する行為を行った場合には、社会的信用の低下や、顧客や第三者に対する賠償責任を負う可能性がある等、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローが悪影響を受ける可能性があります。
(14) 資金調達に関するリスク
当社グループでは、主に証券金融会社および銀行からの借入による資金調達を行っておりますが、金融市場が混乱した場合や市場環境が悪化した場合、当社グループの信用状況が悪化した場合には、資金調達コストが上昇する、あるいは必要な資金の確保が困難になることがある等、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローが悪影響を受ける可能性があります。当該リスクに対応するため、「現金及び預金」については手元流動性の適当な残高維持や金融機関取引の分散を図っております。
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