課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(経営環境、グループ経営理念)

山形県を営業基盤とする株式会社荘内銀行(以下、荘内銀行)と、秋田県を営業基盤とする株式会社北都銀行(以下、北都銀行)が県境をまたがる経営統合によりフィデアグループとしてスタートして以来、10年以上が経過いたしました。この間に、人口減少及び高齢化の進展、東日本大震災からの復興、コロナ後を見据えたニューノーマル(新常態となる生活様式)の浸透など、社会環境は不連続的に絶えず変化してまいりました。

このような中で、2021年4月、フィデアグループとして荘内銀行及び北都銀行に共通の新しい経営理念を制定いたしました。

 

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私たちは、様々な課題を抱えているこの愛する東北を再び輝かせるために、持ち得る最高の知恵を出し合い、情熱と挑戦の姿勢を共有し、目の前のお客さまの未来をより良くするために、考え行動してまいります。

 

(サステナビリティ方針)

当社グループは、2021年12月、サステナビリティ方針を策定し公表いたしました。

2015年に国連サミットにおいてSDGsが採択され、日本においても政府及び民間企業が協働してSDGsの目標達成のため様々な取組みが拡がっています。とりわけ金融機関には、金融仲介機能を活用したSDGs達成支援とともに、自らのサステナビリティ経営の実践が求められており、我々地方銀行においては、自らの持続的な成長とともに持続可能な地域社会の実現にいかに貢献し続けていくかが問われています。

サステナビリティ方針は、東北地方に根差し新しい価値を育む広域金融グループとして、地域経済の活性化及び持続可能な地域社会の実現に貢献し地域のお客さまとともに成長していくというサステナビリティの考え方をまとめたものです。

フィデアグループでは、グループ経営理念に基づき、東北地方に根差した地域金融機関として地域社会と地域経済の活性化に貢献し、地域のお客さまとともに成長していくというサステナビリティの考え方について、サステナビリティ方針を策定いたしました。

また、サステナビリティ方針の中で、フィデアグループと地域社会が、ともに持続的に成長していくための5つの重要課題をマテリアリティとして特定しており、その対応の一環として気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明するとともに、2022年4月には提言の趣旨に沿い気候変動への対応に関するガバナンス、戦略、リスク管理、目標と指標の情報開示を実施しております。

 

「フィデアグループ サステナビリティ方針」

フィデアグループは、東北地方に根差し新しい価値を育む広域金融グループとして、「東北を幸せと希望の産地にする」という経営理念の実現に向け、我々を取り巻く、地域経済の持続的な成長、持続可能な地域環境づくり、人権の尊重、働きがいのある職場づくり、並びに社会から信頼されるガバナンス構築の5つを重要な社会課題として認識し、解決に取り組みます。

これらの課題解決を通じて当社グループの企業価値向上を実現し、地域社会と地域経済の持続的な発展に貢献してまいります。

 

「社会とフィデアグループが持続的に成長するための重要課題(5つのマテリアリティ)」

1.地域経済の持続的な成長

地域やお客さまが抱える課題の解決に取り組むとともに、デジタル技術も活用しながら、適切な投融資等の金融サービスを提供し、地域経済の持続的な発展に貢献します。また、地方自治体や教育機関等と協働で地方創生に取り組むことで、地域課題の解決を目指します。

 

2.持続可能な地域環境づくり

環境に配慮した経営の実践を通じて地球温暖化や気候変動に対応するとともに、東北地方の豊かな自然の力を活用した再生可能エネルギー事業等に積極的に取り組み、脱炭素社会の実現を目指します。また、東北の農林水産業、観光産業などの産業を支える恵まれた自然環境を守る活動を支援し、持続可能な地域環境の実現に貢献します。

 

3.人権の尊重

性別、性的指向、性自認、宗教、信条、障害、人種、国籍等、あらゆる人権を尊重します。

 

4.働きがいのある職場づくり

全ての従業員が働きがいを感じ、能力を発揮できる職場環境を整備するとともに、従業員一人ひとりが希望する働き方を実現します。また、ダイバーシティと働き方改革を推進し、多様な人材の活躍機会を創出します。

 

5.社会から信頼されるガバナンスの構築

透明性と実効性の高いコーポレートガバナンスを実現し、持続的な企業価値の向上に取り組みます。また、株主、 お客さま、従業員、地域社会など多様なステークホルダーに対し積極的に情報を開示することで、信頼される企業を目指します。

 

 

 

「フィデアグループ SDGs宣言」

フィデアグループは、国連が採択したSDGs(持続可能な開発目標)の趣旨に賛同し、地域課題の解決に向けた取組みを通じて、地域社会の持続的な発展を目指します。

フィデアグループの役職員全員が、情熱と知恵と挑戦で、「東北を幸せと希望の産地にする」という経営理念を主体的に実践し、SDGsの達成に取り組みます。

 

(サステナビリティ方針に基づく4つの基本方針)

「人材育成方針」

経営理念の実現に向け、従業員一人ひとりが行動指針〈Future7〉を主体的に実践し、地域やお客さまに寄り添い、それぞれが抱える課題の解決やニーズにお応えする、高次のコンサルティング力やソリューション提案力を身につけた人材を育成します。そのためには、一人ひとりのスキルに応じた各種研修(OFF-JT)、実践経験(OJT)、自己啓発(SD)を複合的に組み合わせ、従業員の自律的成長支援に不断に取り組んでまいります。また、多様な人材は新たな価値を生み出す源泉であると捉え、一人ひとりのモチベーション向上と自由な発想を促す個人の成長や経験の積上げ機会を設けていきます。

 

「社内環境整備方針」

従業員満足(ES)や自発的貢献意欲の向上を図り、これを起点としてお客さま満足(CS)の向上に繋げられるように、従業員一人ひとりが働きがいを持って能力を十分に発揮できる仕組みづくりと、安心して働き続けることができる働きやすい職場環境の整備に努めていきます。

また、性別や年齢などに関係なく様々な人材が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人材が意欲をもって活躍する活力ある組織の構築を推進していきます。

 

「人権方針」

フィデアグループは、東北地方に根差し新しい価値を育む広域金融グループとして、地域社会の持続的な発展に貢献していきます。

地域社会の持続的な発展を目指すうえで、人権の尊重を重要な社会課題の1つとして認識し、本業を通じてこの解決に取り組んでいきます。

1.国際規範の尊重

世界人権宣言をはじめとする人権に関する国際規範を尊重します。

2.あらゆる差別行為の根絶

性別、性的指向、性自認、宗教、信条、障害、人種、国籍等を理由とした差別や人権侵害を行いません。また、従業員一人ひとりの多様性を尊重し、あらゆるハラスメントや非人道的な扱いを根絶します。

3.人権に関する教育の実施

従業員一人ひとりが人権問題に関する正しい認識と理解を深めるため、研修をはじめとし、人権に関する教育を実施します。

 

「投融資方針」

1.フィデアグループは、国連が採択したSDGs(持続可能な開発目標)の趣旨を踏まえ、グループ経営理念に基づく企業活動を通じた地域社会と地域経済の持続的な発展の実現に向け、地域における環境及び社会問題の解決につながる投融資を推進します。

2.また、環境への負荷や人権問題など社会への影響の大きい事業等に対する投融資に関しては慎重に判断し、十分に留意します。

3.以下に例示するような事業に対して、積極的に支援を行います。

① 地域社会や地域経済の持続的な発展に資する取組み及びその事業(創業及び事業承継を含む)

② 気候変動リスクを低減する省エネルギーや再生可能エネルギー事業、脱炭素社会の実現に寄与する事業

③ 水資源や森林資源などの保全に資する事業

④ 少子高齢化に対応する教育、医療や福祉に資する事業

⑤ 農林水産業や観光産業をはじめとした地域産業の振興に資する事業

⑥ 防災や減災に資する取組み及びその事業

⑦ その他、持続可能な地域づくりに資する事業

4.以下のような先には投融資を行いません。

① 反社会的勢力及び事業

② 人権侵害や強制労働への関与先

③ 非人道的な兵器の開発・製造の関与先や、規制・制裁対象先

④ 新設の石炭火力発電所向け投融資

ただし、例外的に取組みを検討する場合は、発電効率性能や環境への影響、地域社会への影響、個別案件毎の背景や特性等について総合的に勘案し、慎重に対応を検討

 

「サステナビリティ・気候変動への対応」

(目標と指標)フィデアグループ投融資方針に基づきサステナブルファイナンスに積極的に取り組むとともに、2030年度までのCО2排出量55%削減(2013年度比)を目標に、再生可能エネルギー由来電力への転換、省エネルギー化、各種認証制度の活用などを進めてまいります。

 

(1) サステナブルファイナンス 実行額

2021年度から2030年度まで10年間の累計実行額 4,000億円(うち環境分野2,000億円)

(2) 排出量削減目標

2030年度までに2013年度比 △55% (2013年度排出量実績7,427tCO2)

 

※  TCFD(Task Force on Climate‐related Financial Disclosures)提言

TCFDは、G20における各国首脳の要請を受けて、2015年12月に金融安定理事会(FSB)に設置された企業の気候変動に関連したリスク及び機会の情報開示を推奨する作業部会です。

TCFD提言は、低炭素社会へのスムーズな移行により金融市場の安定化を図ることを目的に2017年6月に最終報告書として公開されました。具体的には、気候変動に関連したリスクと機会に係るガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標の4項目について企業が開示を進めていくことを求めています。

 

(対処すべき課題、第4次中期経営計画)

東北地方は人口減少や高齢化など構造的な問題を抱え、また新型コロナウイルスの感染拡大の影響から地域経済は極めて厳しい状況が長期化することが懸念されております。また、地域内事業所数の減少、マイナス金利環境の長期化、異業種参入による競争環境の変化など、地域金融機関を取り巻く環境は現在も厳しさを増しています。

このような中で、当社グループは、3か年計画、第4次中期経営計画を2020年度にスタートいたしました。広域性や専門性を強みに、お取引先に寄り添いそのニーズや課題にお応えするサービスやソリューションをお届けすることで、お客さまの知恵袋として信頼され相談される銀行を目指しております。トップライン収益の強化とともに、本部機能や事務部門の一本化など経費構造改革の加速により更なる統合シナジーを産み出し、地域経済の活性化、地方創生に貢献してまいります。

 

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また、第4次中期経営計画の基本方針の一つである働きがいのある職場づくりに関連し、当社グループの荘内銀行及び北都銀行においては、女性が能力を十分に発揮できる仕組みづくり、安心して働き続けることができる環境づくりに注力しております。これまで、育児休業制度の充実、企業内保育施設などの設置、育児と仕事の両立支援に関するガイドブックの策定、育児休業から復帰する従業員を対象とした相談会の開催などの育児支援施策を実施しており、これらの施策により管理職に占める女性の割合などは比較的高い水準を維持しております。

さらに、女性に限らず、中途採用者の管理職への登用など、中核人材の登用等における多様性の確保についても積極的に取り組んでおります。荘内銀行、北都銀行ともに、パート従業員を行員として採用し、その後、営業店長に登用するなどの実績があります。また、Uターン希望により中途採用した人材が、その後、銀行取締役、当社取締役となるなどの実績があります。中長期的な企業価値向上に向けて、人的資源の多様性確保に向けた取り組みを継続してまいります。

 

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