課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、グループの目指す姿として「経営理念(ミッション)」、「経営ビジョン」、「行動指針(バリュー)」を以下のとおり定めております。

<経営理念(ミッション)>

グローバルな保険・金融サービス事業を通じて、安心と安全を提供し、活力ある社会の発展と地球の健やかな未来を支えます

<経営ビジョン>

持続的成長と企業価値向上を追い続ける世界トップ水準の保険・金融グループを創造します

<行動指針(バリュー)>

お客さま第一     :わたしたちは、常にお客さまの安心と満足のために、行動します

誠実         :わたしたちは、あらゆる場面で、あらゆる人に、誠実、親切、公平・公正に接します

チームワーク     :わたしたちは、お互いの個性と意見を尊重し、知識とアイデアを共有して、ともに成長します

革新         :わたしたちは、ステークホルダーの声に耳を傾け、絶えず自分の仕事を見直します

プロフェッショナリズム:わたしたちは、自らを磨き続け、常に高い品質のサービスを提供します

 

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは2022年度から2025年度までの4年間の中期経営計画において、グループ全体の業績を示す経営指標として「IFRS純利益」、「修正ROE」(注1)、「ESR(Economic Solvency Ratio)」(注2)を掲げており、目標値は次のとおりであります。なお、当社グループは2024年度決算からIFRS(国際財務報告基準)を適用する予定のため、現時点のIFRS純利益の実績値は算出しておりませんが、2025年度の利益目標を「グループ修正利益」(注3)(2021年度実績3,471億円)に置き換えると4,400~4,700億円程度に相当します。

 

 

2025年度目標

IFRS純利益

4,700~5,000億円

修正ROE

10%以上を安定的に達成

ESR

180~250%

(注)1 修正ROE   =IFRS純利益÷(IFRS純資産-政策株式の含み損益)

2 ESR     =時価純資産÷統合リスク量(信頼水準99.5%)

3 グループ修正利益=連結当期利益+異常危険準備金等繰入・戻入額-その他特殊要因(のれん・その他無形固定資産償却額等)+非連結グループ会社持分利益

 

(3) 経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題

今後も、新型コロナウイルス感染症や高まる地政学的リスクによる影響が懸念されることに加え、気候変動による異常気象、激甚化する自然災害、社会の急速なデジタル化、国内における少子高齢化など、厳しい事業環境が続くことが予想されます。

このような中、当社グループでは、2022年度より4年間の新たな中期経営計画をスタートしました。新中期経営計画においては、「リスクソリューションのプラットフォーマーとして、社会と共に成長する」ことをテーマに掲げ、レジリエントでサステナブルな社会を支える企業グループを実現するため、「Value(価値の創造)」「Transformation(事業の変革)」「Synergy(グループシナジーの発揮)」を基本戦略とし、「サステナビリティ」「品質」「人財」「ERM」を基本戦略を支える基盤として取り組んでまいります。

 

 

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主な事業領域別の取組方針は次のとおりであります。

国内損害保険事業においては、特色ある3つの損害保険会社、国内最大の販売網、日本有数の企業グループとの緊密な関係といった強みを活かして、トップラインを拡大し安定的な利益を創出してまいります。また、自動車保険の収益維持・拡大、火災保険の収益改善、新種保険の収益拡大により成長を実現するとともに、三井住友海上火災保険株式会社とあいおいニッセイ同和損害保険株式会社のミドル・バック部門を共通化・共同化・一体化する「1プラットフォーム戦略」を大胆に進め、事業費を削減し生産性向上を図ります。

国内生命保険事業においては、三井住友海上あいおい生命保険株式会社と三井住友海上プライマリー生命保険株式会社の強みであるチャネル(損保代理店、金融窓販)を活かした顧客アプローチを強化し、収益を拡大してまいります。また、資産運用収益の拡大、事業の効率化、生産性の向上等により、収益力の向上を図るとともに、人生100年時代の社会課題である「健康寿命の延伸」「資産寿命の延伸」を解決する商品・サービスを提供し、ステークホルダーに価値を提供してまいります。

海外事業においては、ロイズ・再保険事業における収益を拡大させるとともに、強固な事業基盤を有するアジアにおいて市場の成長を捕捉してまいります。また、開拓余地の大きい米国や今後の市場成長が見込まれるアジア・新興国等での事業投資などにより、リスク分散を図り、資本効率の向上を実現してまいります。

リスク関連サービス事業においては、事故・災害を未然に防ぎ、また、事故・災害の影響を減らし回復を支援するサービスを、MS&ADインターリスク総研株式会社を核としたグループ一体型運営で強化することにより、シームレスなリスクマネジメントサービスを提供してまいります。

さらに、当社グループは、2030年に目指す社会像として掲げる「レジリエントでサステナブルな社会」を実現すべく、引き続き多様なステークホルダーと連携し、社会課題の解決に取り組んでまいります。

 

 

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