1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、以下の経営理念及びサステナビリティ方針のもと、企業活動を通じた社会課題解決への取り組みにより、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、当社グループの企業としての持続的な成長を目指しております。
(2)経営戦略・経営指標
当社グループは、堅実な経営基盤を将来的に堅持しつつ、営業基盤の拡大を図るために新規投資を継続的に実施して、事業の発展を目指す方針であります。中長期的に新規優良物件に対する投資を継続して推進するとともに、既存施設の見直しも進めて、経営効率の改善及び財務体質の強化に努めてまいります。
この方針の下、2020年3月期から7ヵ年の中期経営計画「ここからの挑戦~新たな成長のステージへ~」を策定しました。
独自性を維持しながら、時代のニーズに応える価値ある事業空間を提供し「次世代に継承される資産を拡充する」ことを目指します。
この経営計画の達成状況を判断するための客観的な経営指標は以下の通りであります。
「成長(事業規模拡大)と安定(財務健全性)のバランス」、「量(営業利益等)と質(ROA等)」を総合的に考慮しながら企業価値向上を図るため、当該指標を採用しました。
(注) 税引後償却前経常利益:経常利益×(1-法定実効税率)+減価償却費
理由:新規投資及び株主還元の原資となるキャッシュ・フローの継続的な確保・拡大をモニタリングする
経営指標として、税引後償却前経常利益を採用しております。
(3)優先的に対処すべき事業上の課題
今後のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの追加接種や政府の経済対策の効果が下支えとなり、徐々に景気は回復するものと期待されますが、ロシア・ウクライナ情勢の緊迫化によるエネルギー価格や原材料コストの上昇を主因に、先行き不透明な状況が続くものとみられます。
不動産賃貸業界におきましては、リモートワーク等の拡大によるオフィス需要の変化は継続すると考えられ、引き続き不動産市況の動向について注視する必要があります。
当社グループは、オフィスビル、データセンタービル、ウインズビル(場外勝馬投票券発売所)、商業施設・物流倉庫など多様な物件を固定賃料で賃貸しておりますので、現状におきましては、テナントの退去や賃料値下げ等の申し入れは限定的であり、当該影響は軽微であります。また、ロシア・ウクライナ情勢の更なる悪化や長期化による原油価格や物流費用の高騰を要因とした電気料金の上昇による影響については、現時点において将来の見通しが不透明ではありますが、今後も状況を引き続き十分に注視し、その影響を最小限に抑えるべく最善を尽くしてまいります。
こうした環境のもと当社は、中期経営計画「ここからの挑戦~新たな成長のステージへ~」を推進しておりますが、新たな局面において成長戦略を加速させ、一層の企業価値の向上を図ります。この経営計画に掲げる重点施策の中でも特に「次なる成長へ向けた新規投資戦略」「ESGを意識したサステナブル経営の推進」の2点を重点的に対処すべき課題と捉え、経営計画の基本方針に掲げる「将来にわたる持続的な成長と企業規模の拡大」に取り組んでまいります。特に重点的に対処すべき課題としております2点につきましては、以下のとおりです。
①次なる成長へ向けた新規投資戦略
(イ) 首都圏を中心としたオフィス、物流倉庫、都市型商業ビルの取得
(ロ) 昨今のデータ通信量の増加に応える新データセンタービル開発用地の取組
(ハ) アライアンス等も含めた、将来に向けた新たな事業の開拓
②ESGを意識したサステナブル経営の推進
(イ) TCFD提言への取組を通じた気候変動問題への積極的な対応
(ロ) 当社のマテリアリティ(重要課題)に紐づく取組課題・KPIの決定とその進捗管理
(ハ) プライム上場企業として、コーポレート・ガバナンス体制のより一層の強化
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