(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。
これに伴い、当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度と比較して多少減少しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の促進や、感染拡大防止策を講じる中で、経済活動において持ち直しの動きが見られるものの、依然として収束の見通しが立たず厳しい状況が続いております。またロシア・ウクライナ情勢等の影響によるエネルギーや原材料価格の高騰等が懸念され、景気の先行きは不透明な状況で推移しております。
このような経済状況下、当連結会計年度における当社グループの経営成績は、輸入炭の販売価格が上昇したこと等により、売上高は328億55百万円(前年同期比18.1%増)となりました。
また、利益面については船舶輸送の稼働率低下等により、経常利益は3億90百万円(同27.0%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、3億67百万円(同17.8%減)となりました。
なお、セグメントの業績は次のとおりであります。
イ. 不動産セグメント
賃貸ビルの空室率増加等により、売上高は28億74百万円(前年同期比1.8%減)となったものの、賃貸マンション等の修繕費コスト減少により、営業利益は9億31百万円(同18.9%増)となりました。
ロ. 商事セグメント
輸入炭の販売価格が上昇したこと等により、売上高は198億6百万円(同49.1%増)となったものの、船舶輸送の稼働率低下等により、営業利益は1億38百万円(同43.7%減)となりました。
ハ. サービスセグメント
シルバー事業の稼働率低下等により、売上高は51億89百万円(同3.1%減)となり、営業利益は3億8百万円(同12.7%減)となった。
ニ. 建設工事セグメント
建設工事の受注が減少したことにより、売上高は29億62百万円(同30.6%減)となり、営業利益は89百万円(同2.8%減)となりました。
ホ. 肥料セグメント
農業用肥料の販売数量が増加したこと等により、売上高は20億22百万円(同1.6%増)となったものの、原材料等のコスト増加により、10百万円の営業損失(前年同期は1億5百万円の営業利益)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、54億20百万円となりました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は3億98百万円(前年同期は7億11百万円の収入)となりました。これは、事業活動による利益が主なものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は16億3百万円(前年同期は15億23百万円の支出)となりました。これは、主に固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は6億22百万円(前年同期は6億27百万円の収入)となりました。これは、主に借入金の増加によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
建設工事(百万円) |
119 |
59.6 |
肥料(百万円) |
1,792 |
112.4 |
ロ.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
商事(百万円) |
17,176 |
159.2 |
サービス(百万円) |
881 |
290.2 |
建設工事(百万円) |
121 |
68.6 |
肥料(百万円) |
1,021 |
119.9 |
合計(百万円) |
19,201 |
158.4 |
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
不動産(百万円) |
2,874 |
98.2 |
商事(百万円) |
19,806 |
149.1 |
サービス(百万円) |
5,189 |
96.9 |
建設工事(百万円) |
2,962 |
69.4 |
肥料(百万円) |
2,022 |
101.6 |
合計(百万円) |
32,855 |
118.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
王子グリーンリソース㈱ |
3,017 |
10.8 |
5,425 |
16.5 |
釧路コールマイン㈱ |
3,099 |
11.1 |
3,864 |
11.8 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① セグメントごとの経営成績の分析
(不動産セグメント)
不動産セグメントについては、賃貸事業を中心に安定的な収益の計上ができております。特に、収益拡大を目指し2014年3月期から札幌市を中心とする住居系のマンションを主体に取得してきた新規賃貸収益物件については、取得時から高稼働率を維持しており、当連結会計年度末現在においても平均で90%を超えております。なお、商業用店舗賃貸物件の賃借人から、解約並びに賃料減額要請が数件発生いたしましたが、営業力を強化し稼働率を維持することで、収益に与える影響額を最小限にし、安定的な収益の確保に努めております。
(商事セグメント)
商事セグメントの輸入炭販売事業においては、ロシア・ウクライナ情勢等の影響によるエネルギーや原材料価格の高騰が続いており、石炭市場価格については、大幅に変動する懸念があるため、輸入炭在庫の適正化並びに安価で良質な輸入炭の仕入れに努めた営業活動を行ってまいります。
さらに、ペレット等のバイオマス関連事業規模を拡大していき、収益の確保に努めます。また、北海道釧路市におきまして、釧路火力発電所関連の諸事業の継続と新たな事業の受注を目指します。
(サービスセグメント)
サービスセグメントについては、主力事業である有料老人ホーム事業について、入居者のニーズに合った商品の多様化を図り稼働率の向上に努めております。
東京8施設の有料老人ホームについては、新規契約の獲得により、高稼働率を目指します。北海道の2施設については、商品(契約)の見直しを図る等、経営改善を行っております。また、新型コロナウイルス感染症拡大の状況により、飲食店の運営並びにタクシー業において収益の悪化が当面避けられないものと認識しております。
なお、その他のサービスセグメントの各事業につきましては、安定的な収益の確保ができるものと考えております。
(建築工事セグメント)
建築工事セグメントについては、工事受注が継続して順調であり、安定的な収益の計上ができております。今後は、大型工事の受注獲得が苦戦すると予想されますが、安定的な収益の確保に努めて参ります。
(肥料セグメント)
肥料セグメントについては、当連結会計年度は、原材料や原油等のコストが大幅に増加したことにより、収益が落ち込みましたが、今後は、効率的な仕入を実施すること等により、計上が継続できるものと考えております。
② 財政状態の分析
イ. 流動資産
当連結会計年度における流動資産の残高は、164億57百万円(前年同期167億88百万円)となり3億31百万円減少となりました。この主な要因は、現金及び預金が5億81百万円減少したこと等によるものであります。
ロ. 固定資産
当連結会計年度における固定資産の残高は、281億89百万円(同268億85百万円)となり、13億3百万円増加となりました。この主な要因は、北海道釧路市における賃貸事業用地の取得等により有形固定資産が11億90百万円増加したこと等によるものであります。
ハ. 流動負債
当連結会計年度における流動負債の残高は、149億22百万円(同140億8百万円)となり、9億14百万円増加となりました。この主な要因は、短期借入金が9億57百万円増加したこと等によるものであります。
ニ. 固定負債
当連結会計年度における固定負債の残高は、145億83百万円(同145億94百万円)となり、10百万円減少となりました。この主な要因は、長期借入金が4億24百万円増加したものの社債が2億35百万円、受入保証金が1億89百万円減少したこと等によるものであります。
ホ. 純資産の部
当連結会計年度における純資産の部の残高は、151億40百万円(同150億71百万円)となり、68百万円増加となりました。この主な要因は、利益剰余金が63百万円、非支配株主持分が29百万円減少したものの、その他有価証券評価差額金が1億35百万円、資本剰余金が32百万円増加したこと等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況については、第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況に記載しております。
④ 資本の財源及び資金の流動性
イ. 資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、不動産セグメントの新規賃貸収益物件の取得に伴う設備投資資金や商事セグメントの輸入炭仕入に係る運転資金であります。
ロ. 財務政策
当社グループは、設備投資資金や事業活動に伴う運転資金について、金融機関からの借入及び社債の発行による資金調達を基本とし、一部自己資金を充当しております。
なお、金融機関と良好な関係を構築しており、今後も必要な設備投資資金や運転資金の調達は十分に可能と考えております。
⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
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