有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項には、以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスクが発生する可能性を「コンプライアンス・リスク管理委員会」にて把握・検討したうえで、体制の整備・運用等を行っております。なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)新型コロナウイルス感染症の影響について
新型コロナウイルス感染症の影響が継続、拡大することにより、当社グループの経営成績、財政状態、およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。具体的には、不動産賃貸関連事業においては、テナントからの要請に応える形での賃料の減額や清掃等の受託額の減少など、娯楽サービス関連事業、飲食・販売事業の各事業所においては、営業時間の制限等(映画館においては、上映回数、飲食売店営業、販売座席数等の制限、温浴施設においては、飲食エリア営業制限も含む。)から、客数や売上高が減少することが想定されます。運転資金については、必要に応じて2021年6月に締結した2,000百万円のコミットメントライン契約の融資枠の実行等により資金調達する可能性があります。なお、当社グループでは、お客さまおよび従業員の安全を考慮し、感染防止対策を実施しており、今後も状況に応じた感染防止対策を検討、実施してまいります。
(2)営業拠点について
当社グループは、「清く正しく美しい娯楽を大衆に提供する」という創業理念のもと、墨田区錦糸町地区を中心に事業活動を行ってきました。2005年11月に新規事業として千葉県市川市で温浴施設「楽天地天然温泉 法典の湯」を開業し、2010年3月に新規不動産賃貸物件として北新宿ビル、同年12月に六本木ビルを取得、2015年12月には東京楽天地浅草ビルが竣工・開業し、2021年2月にトラビ高円寺を取得、また、2022年2月に新たに東京都文京区本駒込所在のトラビ文京白山を取得するなど、他地区での事業展開をはかってきましたが、売上高の大半は墨田区錦糸町地区に依存しているのが現状であります。このため、災害や地域経済動向の変化が業績に影響を及ぼす可能性があります。従って本拠地への事業集中の問題を解消するため、事業エリアの拡大も視野に入れながら、事業展開をはかっていくことを当社の経営の基本方針の一つとしております。
(3)賃貸収入について
当社グループは、売上高の約70%を不動産賃貸関連事業が占め、日本中央競馬会からの賃貸収入がその約4分の1となっております。日本中央競馬会との関係は良好でありますが、日本中央競馬会の売上高は最盛期より減少しており、また、インターネットや電話による勝馬投票券の売上高が全体の売上高の多数を占めていることから、日本中央競馬会が場外馬券売場に関する施策を変更した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、日本中央競馬会に賃貸している楽天地ダービービルは、2019年9月より長期の新たな賃貸借契約を締結しております。
(4)個人消費の動向について
娯楽サービス関連事業、飲食・販売事業においては、個人消費の動向により売上高の減少が懸念され、特に映画興行については、個人消費の動向に加え、ヒット作の多寡も売上高に影響を及ぼします。また、不動産賃貸関連事業についても、賃貸先に飲食店、量販店など個人消費の動向の影響を受けやすい業種が数多くあることから、今後の個人消費の動向によっては、空室リスク、賃料の下落リスクが高まっていくことが予想され、業績に影響を及ぼす可能性があります。娯楽サービス関連事業、飲食・販売事業については、映画興行事業において「TOHOシネマズ錦糸町」の一体運営により、売上増をはかるとともに、利益率の高いコンセッション収入の引き上げとコスト削減による体質強化に努めており、その他の事業所においてもサービスの向上とコストの見直しに努めております。不動産賃貸関連事業については、主力の楽天地ビルにおいて「錦糸町PARCO」をはじめとするテナントと連携して販売促進の計画を進めております。
(5)従業員の確保等について
昨今、長時間労働に対する監督官庁による指導・監督が強化されており、従業員へのよりきめ細かな労務管理と安全配慮が企業側に求められております。当社グループにおいては、多数のパートタイマーを含む従業員が勤務しており、人員の適正配置や業務見直しを通じて、時間外労働の削減や従業員不足の回避に努めておりますが、必要とする人材の確保ができなかった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。従業員の確保については、各事業所において適正人員を配置できるよう、採用計画を立案しており、また、必要に応じて随時募集を行っております。
(6)自然災害等について
当社グループは、不動産賃貸事業、ビルメンテナンス事業、映画興行事業、温浴事業、飲食・販売事業などの事業を営んでおり、地震・台風等の自然災害、火災等の事故、大規模な感染症の流行等が発生した場合には、顧客や営業施設への被害、事業活動の制限等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。現在、当社グループの拠点である楽天地ビルの復旧を主眼においたBCPの策定を進めております。
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