文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、社是に掲げた「全て社会の為に」という基本方針の実現に向けて企業風土改革を推し進めるとともに、次なる成長に向けて3つの経営方針を掲げて事業活動を進めてまいります。
■ 不断の構造改革
・入居率向上施策、コスト構造の適正化の実施により更なる利益の創出に努め、自己資本を増強
■ サステナビリティの推進
・中長期的な視点で当社の企業価値を向上すべく、不動産テックの推進を中心に、ガバナンスの強化、グリーン化についても推進を図る
■ 施工不備対応
・2024年末までに明らかな不備の解消を目指す
・すでに不備が判明した戸数を含め、現在予測できる改修戸数約38,000戸の改修を着実に進める
(2) 経営環境及び対処すべき課題
(経営環境)
日本国内における一般世帯数は、少子高齢化という人口トレンドを背景に2023年をピークにして減少に転じる一方、当社が主要なターゲットとしている単独世帯は2032年まで増加していく見通しであり、2040年には一般世帯全体の39%が単独世帯になると推計されております。
また、2021年度の貸家の新設着工戸数は5年ぶりの増加(前年度比9.2%増)となりましたが、わが国の賃貸住宅市場では、人口の都心部への集中などを背景に特に地方で空き家数の増加が続いており、このような環境下で事業を継続していくためには、将来的にも高い入居率が見込める三大都市圏を中心に物件を供給するほか、外国籍入居者の増加、単独世帯の増加、高齢化といった社会の変化を捉えた商品の開発、適切なメンテナンスによる物件価値の維持・向上、利便性と付加価値の高い入居者サービスの提供等による差別化戦略が重要となります。
単身者向けに家具家電を備えたワンルームを短期利用でも可能な形で大都市圏に集中して提供している当社は、賃貸住宅市場において競合他社とは異なる独自のポジションを確立していると認識しております。
(対処すべき課題)
■ 不断の構造改革
入居率の向上
顧客の属性別に入居率向上施策を実施し、計画の達成を目指してまいります。
法人 :トップ営業の実行、営業体制の強化、個社別戦略によるシェアアップ・部屋利用残の増加
個人 :仲介業者との連携・協業、WEB集客の強化
外国籍 :外国人財支援企業や特定技能支援機関との連携強化による特定技能人材の利用増加
多言語対応窓口での積極的対応や仲介業者・留学センターとの連携による留学生需要の獲得
コスト構造の適正化
前年から取り組んでいる家賃適正化の継続や業務効率化の取り組み(コールセンター外注化、契約事務の首都圏拠点への集約等)によりコストを削減する一方で、将来に向けた物件価値の維持・向上のためのメンテナンス、賞与引当金の計上、各種営業施策など業績改善に向けて必要なものには一定のコストをかけて取り組み、選択と集中によるコスト構造の適正化により、利益創出と自己資本の増強を進めてまいります。
■ サステナビリティの推進
環境・社会・経済の持続可能性に配慮した事業活動の推進により、事業自体のサステナビリティ(持続可能性)を向上させるとともに、来店せずに部屋探しから内見・契約手続きまで可能なWEB接客・WEB契約の推進、鍵の受渡が不要で紛失リスクも軽減できるスマートロックの導入、AI技術を利用した膨大な取引データの活用など最新のテクノロジーを積極的に導入し、時代のニーズに沿った商品・サービスを提供していくことで、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ります。
また、持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みの1つとして、当社関連施設からのCO2排出量のうち、スコープ1、2(電気・ガス・ガソリン由来)に該当する排出量を「2030年度に2016年度比で26%削減」することを目標としております。
■ 施工不備対応
当社施工物件における施工不備の問題については、財務基盤の立て直しを図りながら着実に施工不備の改修を実施し、2024年末までに明らかな不備を解消することを目指しております。
また、再発防止策を経営上の最重要課題と位置付け、「企業風土の抜本的改革」「コンプライアンス・リスク管理体制の再構築」「建築請負事業体制の見直し」を3大項目として再発防止に向けた取り組みを継続的に実施しており、その進捗状況については、補修工事の進捗状況と併せて当社ウェブサイトにて開示しております。
(https://www.leopalace21.co.jp/saihatsuboushi/)
(3) 目標とする経営指標
2023年3月期以降3ヶ年の目標とする経営指標は以下のとおりです。
(単位:百万円)
|
2023年3月期 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
売上高 |
410,800 |
423,100 |
429,300 |
営業利益 |
11,700 |
17,500 |
25,200 |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
24,900 |
13,400 |
19,400 |
自己資本比率 |
16.0% |
23.0% |
32.7% |
1株当たり当期純利益(EPS) |
75.71円 |
40.74円 |
58.99円 |
自己資本利益率(ROE) |
93.6% |
33.7% |
32.0% |
投下資本利益率(ROIC) |
11.9% |
14.8% |
16.8% |
※1 EPS=親会社株主に帰属する当期純利益÷発行済株式総数(自己株式控除後)
※2 ROE=親会社株主に帰属する当期純利益÷自己資本
※3 ROIC=NOPAT(税引後営業利益)÷投下資本(有利子負債+株主資本)
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