当社グループは当連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値をIFRSに組み替えて比較分析を行っております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループは、日本企業の海外進出が活発化し、企業のグローバルな競争が激化する環境下において、「日本企業が世界で戦うために本業に集中できるよう、本業以外の業務をサポートすること」、「真のサムライパワーを発揮できるよう、日本企業の世界展開を支援すること」、また、これらの活動を通じ、「これから始まる日本の大転換になくてはならない存在になる」という使命のもと、「グローバル・リロケーションカンパニーNo.1」というビジョンを掲げております。その実現に向け、2025年3月期を最終年度とする中期経営計画「新第三次オリンピック作戦」においては、国内市場シェアダントツNo.1に向けた国内事業のさらなる強化に取り組むと同時に、世界の市場にリーチする土台作りに取り組んでおります。
当連結会計年度は、引き続き新型コロナウイルス感染症拡大の影響による世界的な渡航制限などの影響を受けたものの、借上社宅管理事業における管理戸数や福利厚生事業における会員数などのストック基盤が堅調に積み上がったことなどから、増収増益となりました。
当連結会計年度の経営成績は、以下のとおりです。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
当事業は、借上社宅管理事業、賃貸管理事業、海外赴任支援事業で構成され、国内外で日本企業の人の移動を総合的にサポートしております。借上社宅管理事業においては、借上社宅管理を中心に物件検索等による転居支援、留守宅管理等を手掛け、賃貸管理事業においては、賃貸不動産の管理や仲介等のサービスを展開しております。また、海外赴任支援事業においては日本企業を支援すべく、北米をはじめとした現地において、赴任前から帰任に至るまで、海外赴任サポート等のサービスを展開しております。
当連結会計年度は、借上社宅管理事業や賃貸管理事業の管理戸数が前期を上回り、ストック基盤が堅調に積み上がりました。また、海外赴任支援事業においては海外赴任支援数が前期を上回って推移しました。
これらの結果、売上収益786億35百万円(前期比3.7%増)、営業利益117億62百万円(同27.9%増)となりました。
当事業は、企業の業務負担とコストを軽減し様々なコンテンツを従業員へ提供する福利厚生代行サービスや、提携企業向けに顧客特典代行サービス等を提供しております。また、住まいの駆け付けサービスを手掛け、顧客会員の生活を総合的にサポートしております。
当連結会計年度は、福利厚生代行サービスにおけるチケット類の販売が減少したため減収となりましたが、同サービスにおける会員数や契約者数が増加したことなどから営業利益は前期を上回りました。加えて、住まいの駆け付けサービスも好調に推移しました。
これらの結果、売上収益208億37百万円(前期比0.1%減)、営業利益96億80百万円(同10.3%増)となりました。
海外戦略事業
当事業は、グローバル企業に対する赴任管理サービスや海外赴任に関連する各種データの提供など、グローバル企業で働く人々の移動を支援するとともに、当社グループが世界の市場にリーチする土台作りに挑んでおります。
当連結会計年度は、BGRSの住宅買取販売事業における住宅販売数が減少したため減収となりましたが、赴任者数が回復し前期より営業損失は減少しました。
これらの結果、売上収益457億5百万円(前期比6.4%減)、営業損失16億21百万円(前連結会計年度は22億45百万円の営業損失)となりました。
観光事業
当事業は、福利厚生事業の会員基盤や企業の保養所をはじめとした地方の中小型のホテル、旅館の運営ノウハウを活用し、ホテル運営事業と別荘のタイムシェア事業を展開するほか、後継者問題を抱えるホテル、旅館の再生にも取り組んでおります。
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症拡大による影響が継続しておりますが、ホテル運営事業の新規開業施設による収益貢献に加え、販売関連費用をはじめとした費用削減が奏功したことなどから増収増益となりました。
これらの結果、売上収益104億71百万円(前期比9.0%増)、営業利益10億20百万円(同84.0%増)となりました。
その他の事業では、主力事業の基盤を活かし金融関連事業等を展開しております。
当連結会計年度は、売上収益9億21百万円(前期比0.9%増)、営業損失1億92百万円(前連結会計年度は2億9百万円の営業損失)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当社グループでは生産業務は行っておりませんので、該当事項はありません。
該当事項はありません。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比して139億71百万円増加し、3,015億99百万円となりました。これは、顧客構成、請求と現金受領のタイミング及び円安の進行などにより営業債権及びその他の債権が増加したこと、日商ベックスグループの新規連結などが主な要因です。
負債合計は、前連結会計年度末に比して 27億34百万円減少 し、 2,464億57百万円 となりました。これは、借入金及び社債の減少によるもので、前連結会計年度末に計上していた日商ベックスの購入資金の返済及び長期借入金の約定弁済をしたことなどが主な要因です。
資本合計は、前連結会計年度末に比して 167億5百万円増加 し、 551億42百万円 となりました。これは、親会社の所有者に帰属する当期利益を156億44百万円計上し、剰余金の配当が28億80百万発生したことに加えて、前連結会計年度末から円安が進行したことなどにより為替換算調整勘定が32億64百万増加したことが主な要因です。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
リロケーション事業
当セグメントでは、管理戸数の増加及び日商ベックスグループのグループ入りにより、総資産は前連結会計年度に比して125億68百万円増加し、1,668億45百万円となりました。
負債合計はリース債務の増加により20億94百万円、短期借入金の増加により11億6百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比して65億75百万円増加し、1,106億88百万円となりました。
福利厚生事業
当セグメントの総資産は、前連結会計年度末に比して12億17百万円減少し、85億25百万円となりました。
負債合計はリース債務の履行による減少により前連結会計年度末に比して5億25百万円減少し、59億75百万円となりました。
海外戦略事業
当セグメントの総資産は、円安の影響などにより前連結会計年度末に比して74億25百万円増加し、754億45百万円となりました。
負債合計についても円安の影響により前連結年度末に比して121億95百万円増加し、260億17百万円となりました。
観光事業
当セグメントの総資産は、前連結会計年度末に比して10億10百万円減少し、234億75百万円となりました。
負債合計は前連結年度末に比して3億9百万円減少し、257億20百万円となりました。
その他
当セグメントの総資産は、前連結会計年度末に比して5億29百万円増加し、58億45百万円となりました。
負債合計は長期借入金の返済が65億88百万円が発生したことなどにより、前連結会計年度末に比して68億65百万円減少し、159億46百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比して47億68百万円減少し、444億39百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、179億86百万円(前年同期比67億82百万円減)となりました。税引前当期利益201億98百万円を計上し、減価償却費及び償却費が67億83百万円、営業債権及びその他の債権の増加による減少額72億79百万円発生したことが主な要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、49億46百万円(同6億69百万円増)となりました。有形固定資産の取得により31億89百万円、子会社の取得により43億39百万円を支出したこと、有形固定資産の売却による収入額が16億32百万円発生したことが主な要因です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、190億74百万円(同115億97百万円増)となりました。短期借入金の減少額が67億75百万円、長期借入による収入額が102億4百万円、長期借入金の返済による支出額が163億53百万円、配当金の支払額が28億81百万円発生したことが主な要因です。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
BGRS Limitedに係るのれん及び顧客関連資産(のれん等)の評価
当社グループは、北米はもとより、欧州・アジアなどの地域においてお客さまをサポートする体制を構築し、「グローバル・リロケーションカンパニー」として、日本企業の世界展開を支援するという使命実現を目論むと同時に、世界企業で働く人々の移動と活躍をサポートするという新たなテーマに挑戦するため、2019年6月にBGRS Limitedを連結子会社化いたしました。
BGRS Limitedののれん等の減損テストの実施に当たっては、のれん等を含む資金生成単位における回収可能価額を使用価値により測定しており、使用価値は見積将来キャッシュ・フローの割引現在価値として算定しております。見積将来キャッシュ・フローは5ヵ年の事業計画を基礎としておりますが、新型コロナウイルス感染症については、人の移動が正常化し、新型コロナウイルス感染症拡大前の状況まで回復するのは2、3年かかるものと想定しており、その仮定をもとに顧客企業の赴任件数、売上単価及び成長率を見積り、事業計画を作成しております。また、使用価値の算定に当たっては、固有のリスクプレミアム等を考慮した割引率を使用しています。
2022年3月期の減損テストでは、BGRS Limitedののれん等について減損損失を認識しておりません。
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更は、次のとおりであります。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
また、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、百万円未満を切り捨てて表示しております。
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(連結の範囲の変更)
連結子会社であった調布ハウジング㈱他4社は他の連結子会社との合併により消滅したため、当連結会計年度より連結の範囲から除外しております。
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(連結の範囲の変更)
㈱日商ベックス他3社を株式取得等により連結子会社としたため、当連結会計年度より連結の範囲に含めております。
連結子会社であった㈱ワールドリゾートオペレーション他2社は他の連結子会社との合併により消滅したため、当連結会計年度より連結の範囲から除外しております。
連結子会社であった㈱エネライズガス他1社は株式売却により消滅したため、当連結会計年度より連結の範囲から除外しております。
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「45.初度適用」をご参照ください。
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
IFRS第16号の適用により、原則としてすべてのリースについてリース期間にわたり原資産を使用する権利を表す使用権資産及びリース料を支払う義務を表すリース負債を計上しております。また、ファイナンス・リースとして分類されたサブリースについてリ―ス債権を計上しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて使用権資産が18,459百万円、リース債権46,511百万円、リース負債が56,740百万円増加しております。
日本基準において流動資産に区分掲記していた「販売用不動産」及び「有形固定資産」の一部については「投資不動産」に振替えて表示しています。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて販売用不動産が13,866百万円、有形固定資産が4,197百万円減少し、投資不動産が18,064百万円増加しております。
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