(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、中国での経済活動に影響が残る中、世界的な半導体不足やロシアによるウクライナ侵攻による資源価格高騰など、世界経済においては懸念材料が数多く存在し、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
このような事業環境の中、当社は主力事業である開発事業及び不動産販売事業を中心に事業活動を行ってまいりました。
不動産業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の出現により新しい生活様式としてテレワークなどの働き方や新しい生活様式における住居ニーズの変化、低金利政策による新築分譲マンションや中古不動産の需要喚起に繋がり、住宅産業は堅調に推移しました。一方で、働き方改革による人件費の高騰などにより、今後の業績への影響が懸念されます。
今後も、新型コロナウイルス感染症による影響や住宅建築コストの高騰に対応しながら、現在の堅調な住宅需要を捉え、改めて「都内」及び「首都圏近郊(駅近)」での開発事業及び不動産販売事業に注力してまいります。
この結果、当事業年度における売上高は6,064百万円(前年同期比0.5%増)、営業利益は1,117百万円(前年同期比118.6%増)、経常利益は1,018百万円(前年同期比62.7%増)、当期純利益は835百万円(前年同期比88.6%増)となりました。
セグメントごとの業績を示しますと次のとおりであります。
〔開発事業部門〕
開発事業につきましては、ビジネスホテル(埼玉県三郷市)及び分譲マンション「ベルドゥムール草加金明通り」並びに、戸建分譲住宅「アヴェニュー佐久平」を引渡し、当事業による売上高は2,234百万円(前年同期比129.5%増)、セグメント利益269百万円(前年同期はセグメント損失17百万円)となりました。
〔建築事業部門〕
建築事業につきましては、金融機関の支店建設など受注工事を主体とした売上高が769百万円(前年同期比39.5%増)、セグメント利益が62百万円(前年同期比13.0%減)となりました。
〔不動産販売事業部門〕
不動産販売事業につきましては、前期に大型物流倉庫の売却があったことにより売上高が2,474百万円(前年同期比39.2%減)と減少しましたが、セグメント利益は利益率の高い物流倉庫用地を売却したことで834百万円(前年同期比42.1%増)となりました。
〔その他事業部門〕
その他事業につきましては、賃貸住宅の仲介・管理及び不動産の売買仲介等を中心に売上高が586百万円(前年同期比31.7%増)、セグメント利益が242百万円(前年同期比43.5%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
当事業年度におけるキャッシュ・フローは、1,559百万円の収入となり現金及び現金同等物の期末残高は7,531百万円となりました。
a. 営業活動によるキャッシュ・フロー
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払(235百万円)がありましたが、税引前当期純利益(1,141百万円)や棚卸資産(387百万円)の減少などにより1,270百万円の収入となり、前年同期と比べ1,317百万円の増加となりました。
b. 投資活動によるキャッシュ・フロー
当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、 貸付金の回収(614百万円)や子会社株式の売却(207百万円)などにより771百万円の収入となり、前年同期と比べ864百万円の増加となりました。
c. 財務活動によるキャッシュ・フロー
当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、 借入金(154百万円)の収入はありましたが、配当金の支払(424百万円)及び社債(215百万円)の償還などにより486百万円の支出となり、前年同期と比べ1,209百万円の支出となりました。
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(2021年6月1日~2022年5月31日)施工高
(注) 当項目に該当する当社の生産実績は、開発事業、建築事業であります。
当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(2021年6月1日~2022年5月31日)受注高
(注) 当項目に該当する当社の受注状況は、建築事業のみであります。
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
開発事業物件別契約状況
(注) 1上記表の「BD」はベルドゥムールの略称であります。
2販売戸数内の( )内書きは、総戸数であります。
不動産販売事業の販売物件契約状況
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行っております。当該見積りは、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき実施しております。ただし、実際の結果は、経営環境や事業特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況1 財務諸表等(1) 財務諸表注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。
新型コロナウイルス感染拡大による当事業年度における影響は限定的であり、また会計上の見積りに大きな影響を与えるとは認識しておりません。
② 経営成績の分析
a. 売上高
開発事業については、ビジネスホテル(埼玉県三郷市)及び分譲マンション「ベルドゥムール草加金明通り」並びに、戸建分譲住宅「アヴェニュー佐久平」を引渡し、当事業による売上高は2,234百万円となりました。建築事業につきましては、金融機関の支店建設など受注工事を主体とした売上高が769百万円となりました。不動産販売事業につきましては、前期に大型物流倉庫の売却があったことにより売上高が2,474百万円となりました。その他事業につきましては、賃貸住宅の仲介・管理及び不動産の売買仲介等を中心に売上高が586百万円となりました。この結果、当事業年度における売上高は前事業年度に比べ0.5%増加の6,064百万円となりました。
b. 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価については、コスト管理の徹底と前事業年度に計上した棚卸資産の評価損が無かったことから14.0%減少の4,176百万円となりました。なお、売上高総利益率につきましては、不動産販売事業において利益率の高い物流倉庫用地などを売却したことにより前事業年度の19.5%から31.1%に上昇いたしました。販売費及び一般管理費は、分譲マンションについて個別販売を行ったことから、販売促進費などの増加により前事業年度に比べ15.2%増加の770百万円となりました。
c. 営業利益
営業利益は前事業年度の511百万円から118.6%増加し、1,117百万円となりました。
d. 営業外損益
営業外収益は受取利息及び受取手数料の減少により前事業年度の174百万円から25.8%減少し、129百万円となりました。また、営業外費用は貸倒引当金繰入額の増加により前事業年度の59百万円から282.4%増加し、228百万円となりました。
e. 経常利益
経常利益は前事業年度の626百万円から62.7%増加し、1,018百万円となりました。
f. 特別損益
特別利益は、関係会社株式売却益122百万円を計上したことにより、前事業年度の9百万円から1,173%増加し、122百万円となりました。
g. 当期純利益
以上の結果、当期純利益は前事業年度の442百万円から88.6%増加し、835百万円となりました。
③ 財政状態の分析
a.流動資産
当事業年度末における流動資産の残高は14,725百万円となり前事業年度末に比べ502百万円増加いたしました。主な要因は、当期純利益(835百万円)の計上により現金及び預金(1,559百万円)が増加しましたが、棚卸資産(385百万円)や貸付金(858百万円)の減少によります。
b.固定資産
当事業年度末における固定資産は棚卸資産から有形固定資産への振替(138百万円)はありましたが、子会社株式の売却(85百万円)や長期貸付金の(229百万円)減少などにより4,222百万円となり前事業年度末に比べ191百万円減少いたしました。
c.流動負債
当事業年度末における流動負債は3,969百万円となり前事業年度末に比べ101百万円減少いたしました。
d.固定負債
当事業年度末における 固定負債は3,868百万円となり前事業年度末に比べ5百万円減少いたしました。
e.純資産
当事業年度末における純資産は当期純利益(835百万円)の計上と、配当金の支払い(424百万円)などを行ったことにより11,109百万円となりました。
④ 翌期の見通し
不動産業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の出現により新しい生活様式としてテレワークなどの働き方や新しい生活様式における住居ニーズの変化、低金利政策による新築分譲マンションや中古不動産の需要喚起に繋がり、住宅産業は堅調に推移しました。一方で、働き方改革による人件費の高騰などにより、今後の業績への影響が懸念されます。
今後も、新型コロナウイルス感染症による影響や住宅建築コストの高騰に対応しながら、現在の堅調な住宅需要を捉え、改めて「都内」及び「首都圏近郊(駅近)」での開発事業及び不動産販売事業に注力してまいります。引続き不動産販売事業にも資源を集中してまいります。
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