課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、「東京に感動を。人生に輝きを。」というビジョンを掲げました。そこに暮らす方、働く方、集う方が心をときめかせ、時を重ねながらそれぞれの人生の輝きを増していく舞台。私たちは、その舞台の一つひとつを、東京の街並みに丁寧に仕立てていきます。

私たちは、ビジョンの実現に向け、“価値のプラスワン”を追い求めながら、人と街と社会への責任を果たしていきます。

人への責任 :企業活動を通して出会う方、一人ひとりの喜びと幸せ、そして実りを、自分の事として追求していきます。

街への責任 :それぞれの土地や建物が秘める可能性を最大限に引き出しながら、百年先までも輝き続ける街並み創りをめざします。

社会への責任:全ての社員が心を一つにして、お客さま、株主、パートナー、社会に対する誠実さと透明性を高めつつ、その期待に応えていきます。

上記を行動指針とし、企業価値の拡大を図ります。

(2) 目標とする経営指標

当社は、新築分譲マンション事業を主要事業としておりますが、マンションデベロッパーとしては売上規模が比較的小さいこともあり、各物件の個別の状況に応じて売上高・利益が上下動しやすい傾向があります。しかしながら安定経営を目指すことが、お客さま、従業員のみならず、株主の皆さまにとっても望ましい姿であると考えております。

当面の安定経営の目途となる売上高、営業利益を以下のとおりと定め、当該目標を安定的に計上できる体制の構築を目指します。

■ 売 上 高  150億円(2022年3月期実績 132.1億円)

■ 営業利益   10億円(2022年3月期実績   5.4億円)

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社は、経営理念の実現及び上記経営目標の達成、ひいては持続的な企業価値の向上を実現するために、以下の中長期的な経営戦略を進めていきます。

① 売上の拡大

a.新築分譲マンション事業における都心ハイエンド物件の深耕

当社は創業当初からブランドポリシーを遵守し、東京都心の良質な住環境の立地に、高品質なハイエンド物件にこだわりを持ってマンション分譲を展開しています。

今後も東京都心のハイエンド物件にこだわり、高品質なブランドイメージの構築を図りながら、事業拡大に努めます。

b.新築分譲マンション事業の東京郊外への展開

都心のハイエンド物件で培った基本性能が高いマンションの提供ノウハウをパッケージ化し適正価格で販売し、東京郊外などの人気住宅エリアを中心に展開していきます。

郊外物件においては、販売委託や共同事業などを活用し、リスクを低減させつつ、売上利益の確保を行います。

c.投資用一棟収益物件の開発

当社の事業用地情報の中には、良質な用地でありながらも、マンション分譲事業としては開発が困難な情報も含まれておりました。これまではそのような事業用地の仕入れを行っておりませんでしたが、新築分譲マンション事業で培った経験を活かし、新築商業ビル「WHARFシリーズ」としての開発を本格化させました。こちらを一棟収益物件として販売することで、売上規模の拡大に寄与しております。

d.リノベーション事業の展開

都心部では優良な不動産用地が減少しつつある一方で、立地優位性のある中古マンションのストックが増加してきています。当社ではこれまで進めてきたオーダーメイドプラスやリフォームなどのノウハウを活用し、リノベーション事業を展開していきます。リノベーション事業は物件の回転期間が短いという性質があり当社のマンション分譲事業と比較して、より安定的な事業であると認識しています。

② 収益力の強化

ここ数年間の事業環境において、土地の値上がりや建築費の高騰といった問題が生じています。当社では、収益管理方法の見直し、適正価格での土地の取得、建築費、広告宣伝費などのコスト管理を徹底し、収益力の強化を図っていきます。

③ 顧客満足度の向上

新規に販売する物件においては物件の付加価値を高めることで顧客満足度を高めて参ります。

これまで販売してきた既存のお客さま(当社分譲マンションの購入者)に対しては、「サンウッドオーナーズ倶楽部」の運営を通じて、カスタマーサービスのより一層の強化を図り、ご入居後の全てのご相談はもちろんのこと、リフォームやハウスクリーニング、お住み替えの仲介のご相談に責任を持って承っております。この様な取り組みを通して全てのお客さまの満足度を高めて参ります。

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社は、次の四半世紀に向けさらなる進化を遂げるべく、「東京に感動を。人生に輝きを。」というビジョンを掲げました。これを実現するため、引続き「ブランドポリシー“上質な暮らしを仕立てる”に則った基本性能の高い住まい」の供給に注力しています。さらに、中長期戦略である「売上規模の拡大」「収益力の強化」「顧客満足度の向上」を実現するために、以下の取り組みを推進してまいります。

① 事業用地の積極的な取得

東京都内のマンション事業用地の取得競争は激しく、依然として高値で取引されることも散見されることから、事業用地の選別にはより一層の見極めを図る必要があります。そのため、事業用地の取得におきましては、取引先との関係をより強化して独自情報に基づく相対取引を増加させております。また、商品構成、物件規模、エリアなどを柔軟に拡大しながら、積極的に事業用地を取得することで、安定的かつ持続的なマンション供給に努めてまいります。

② 原価管理の強化

不動産の建築費については、世界的に先行き不透明感が強まっていることもあり、労働者不足及び建材の高騰を背景に上昇傾向にあります。発注方法や工程管理を工夫すること、及び当社スタッフによる技術提案やメーカーとの直接取引を行うなど、品質を維持しながら継続的な原価削減を図ります。

③ 商品企画・サービスの強化

当社は創業以来、高いプライバシー性の確保と設計変更対応「オーダーメイドプラス」に取り組んでまいりました。これらの快適性向上のための商品企画は、高い基本性能を確保してこそ実現可能となります。今後も物件の基本性能を強化して商品力を向上させるとともに、お客さまの声を商品企画・サービスに活用して付加価値の高い住宅を提供してまいります。また、「サンウッドオーナーズ倶楽部」の専用サイトを設けることで、ご入居後のご相談にも様々なご提案ができるような取り組みも行っていきます。

④ 物件規模分散による経営の安定化

新築分譲マンションでは、事業用地を取得してから売上計上するまでに中小型物件でも約2年の期間を要し、開発期間中の経済環境の変化等により、当初想定した利益計画に支障が生じる場合があります。

大型物件は売上規模の拡大に寄与し利益率も高くなる傾向があるものの、完成までより期間を要するため、開発期間中の経済環境の変化等によるリスクは高まります。また、完成までの数年間は多額の先行経費が発生するため、完成前の事業年度の利益に与える影響が大きくなる傾向があります。一方、中小型物件は売上までの計上期間が短いことから経済環境の影響は小さく、売上の安定化に繋がりますが、販売管理費の割合が高くなる傾向があります。

このため、当社では大型物件は共同事業を中心に検討しリスクを極小化するとともに、中小型物件は自社単独で積極的に開発することで物件規模を分散し、両者を組み合わせて経営の安定化を図りながら、事業の拡大を目指します。

⑤ 安定収益の確保

当社は、不動産開発事業が売上高の概ね8~9割を占めるため、その他の事業の拡大を図る必要があると考えております。新築マンションと比較して短期間で資金が回転するため経済環境変化に伴うリスクが小さいリノベーション事業の規模拡大や、仲介やリフォーム等の周辺事業や住宅購入に付随するサービス拡大による収益確保に取り組んでいます。さらに、将来の良質な事業用地になり得る既存建物一棟を取得し、開発計画中の一定期間は賃借人が入居していることで安定的な賃料収入を享受しつつ、不動産の利用価値最大化を狙った再開発や等価交換事業、リノベーション等を行っていきます。このような資産保有も検討しながら、その他の事業による収益拡大にも努めてまいります。

⑥ 新型コロナウイルス感染症への対策

新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、不動産業界においても先行きが不透明な状況が続いております。当社の不動産仕入れに係る資金調達に関しては、事業遂行に滞りがないよう、金融機関との対話及び交渉をより強化してまいります。また、個人消費の停滞による需要の減少も懸念されるため、状況に応じた開発計画、商品企画に一層注力いたします。

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