事業等のリスク

2 【事業等のリスク】

当社の経営成績、財政状況等に影響を及ぼす可能性のある、リスク及び変動要因は以下に記載するとおりですが、当社では、これらリスクの存在を認識した上で、当該リスクの発生に伴う影響を極力回避するための努力を継続してまいります。なお、記載しております文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。 

Ⅰ 業界動向について

① 業界における法的規制について

当社は、不動産関連業界に属し、なかでも当該業界におけるマンションやオフィスビル等の取引については「宅地建物取引業法」、「建物の区分所有等に関する法律」、「借地借家法」、「建築基準法」及び「都市計画法」等の法的規制があります。当社は、不動産流通業者としてこれらの規制を受けており、「宅地建物取引業法」に基づく免許を受け、不動産の流通業務、賃貸業務等を行っております。そのほか、当社は、金融商品取引法に基づく「第二種金融商品取引業」の登録を行っております。

これら許認可等には有効期限があり、その円滑な更新に努めるとともに、これらの法令諸規則が遵守されるよう、「企業行動憲章」及び「コンプライアンス・マニュアル」を制定し、法令遵守の徹底や法令リスク管理等に努めております。 

現在、当該許認可等が取消しとなる事由は発生しておりませんが、万一、将来何らかの理由により当該許認可等が取り消された場合、また上記法令諸規則の改廃や新たな法的規制の新設、あるいはこれら法令諸規則の違反等が発生した場合には、当社の事業運営や業績に重大な悪影響を与える可能性があります。 

② 景気動向等が当社の事業に与える影響について

不動産業界の業況は、一般的に景気動向、金利動向、地価動向、税制及び法的規制等の要因により影響を受けやすい傾向にあります。

当社は収益用の投資物件の販売及び開発用の素地(権利調整案件)の販売を行っております。投資対象となる不動産物件からの賃貸収入及びそれらの収益を基準として算定した不動産価格と事業損益は密接に関係しており、その賃貸収入は景気の影響を受ける傾向にあります。このため、金融市場が不安定になり、不動産流通市場に与える影響が深刻になった場合、当社の業績に重大な悪影響を与える可能性があります。

③ 競合及び価格競争について

当社は、主に投資用収益物件を法人及び個人を対象に提供しております。

当社は、「再活」事業のノウハウを蓄積し、今後もさらなる同事業の深耕を企図しておりますが、競合企業の増加は否定できません。たとえば、不動産流通市場におきましては首都圏の優良物件を中心に仕入れ競争が激化しております。当社といたしましては、仕入れに際して綿密なデューデリジェンスを行い、付加価値を高めた商品を販売しておりますが、今後、競争の激化により販売件数が減少した場合又は仕入物件の減少や価格競争による仕入価格の上昇等により採算が悪化した場合には、当社の業績に重大な悪影響を与える可能性があります。

④ 災害等の発生について

地震・暴風雨・洪水等の自然災害、火災等の人災その他不測の事態が生じた場合には、当社が保有・管理等を行っている棚卸資産及び賃貸用不動産等の価値が大きく毀損する可能性があり、当社の経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 契約不適合責任について

当社が扱う販売用不動産について、種類、品質又は数量に関し契約の内容に適合しないもの(以下、「契約不適合」といいます。)があった場合、契約不適合が原因で生じた損害に対する責任として、補償工事や損害賠償等による費用の発生又は当社の商品・サービスに対する信用の失墜による売上高の減少など、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 不動産に関する権利関係の複雑性および不動産登記に公信力がないことについて

日本の不動産登記には公信力(公示を信頼して取引した者には公示どおりの権利状態があったのと同様の保護を与える力)がないことから、登記を信頼して取引した場合でも保護されない場合があります。このため、当社が取得した不動産に係る権利が第三者の権利や行政法規等により制限を受け、あるいは第三者の権利を侵害していること、当社が不動産の権利者と判断した相手先以外に権利者が存在すること等が後になって判明する可能性があります。当社は仕入れに際して登記内容を確認することに加え、不動産仲介業者等の物件情報提供者を通じ、不動産の権利関係に関する情報を可能な限り入手しており、また、物件取得後において新たに権利関係等が判明した場合はそれに応じた権利調整方法を再度立案することにより対応を行っております。しかしながら、対応困難な事態が発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 新型コロナウイルス感染症の流行拡大等について

新型コロナウイルス感染症の流行が急速に拡大又は長期に及んだ場合等には、経済活動の制限により不動産市況が悪化し、また対面での営業活動が制限され仕入および販売活動が滞り、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、役員や従業員が感染した場合、健康被害や事業場の閉鎖などによる営業活動に支障が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅱ 事業内容について

① 在庫リスクについて

 当社では、販売物件の価格、戸数、収益用物件の場合は稼働率や受取賃料等を総合的に勘案して営業戦略を立案しております。また、販売の進捗状況を迅速かつ的確に把握し、当初の計画どおりに販売が行われていない場合には積極的に営業戦略の見直し・改善を図る等、機動的な営業体制を構築することで効率的な販売ができるよう努力しております。しかしながら、物件仕入におけるデューデリジェンスがうまくいかなかった場合、稼働率の低下や受取賃料の減少等による収益物件の利回り低下による投資対象としての魅力が減退した場合、また、購入希望者に対する金融機関からの融資がつかず販売が順調に進まないなど在庫が滞留した場合には、当社の業績及び財政状態に重大な悪影響を与える可能性があります。 

② 有利子負債への依存について

当社の不動産プロジェクトにおける不動産取得費は、主に金融機関からの借入金によって調達しているため、当社の経営成績及び財政状態は、金融機関の融資姿勢や金利変動などにより影響を受ける可能性があります。

  (単位:千円)

 

2019年7月

2020年7月

2021年7月

2022年7月

有利子負債残高(A)

16,428,645

4,577,736

4,294,406

3,746,663

総資産額(B)

20,781,189

13,327,209

12,635,168

14,239,997

 有利子負債依存度(A÷B)

79.1%

34.3%

34.0%

26.3%

 

(注)2022年7月期は連結財務諸表を作成しておりませんので、2019年7月期から2021年7月期までは連結ベースの財務数値により算出し、2022年7月期は個別ベースの財務数値により算出しております。

③ 訴訟の可能性について

当社が販売・管理する不動産物件において瑕疵の発生、管理状況に対する顧客からのクレーム、入退居時の居住者とのトラブル、販売方法に関するトラブル等の発生を理由とする又はこれらに起因する訴訟その他の請求が発生する可能性があります。これらの訴訟等の内容及び結果によっては当社の業績及び財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 引渡時期による事業の変動について

当社の不動産販売にかかる売上計上方法は、物件の売買契約を締結した時点ではなく、物件の引渡しを行った時点で売上を計上する引渡基準によっております。そのため、物件の引渡し時期及び規模、利益率等により、当社の業績に変動が生じる可能性があります。 

⑤ 資金調達について

当社は、販売用不動産の仕入資金について自己資金のほか、金融機関からの借入によっております。金融機関からの借入については特定の金融機関に依存することなく、物件毎に金融機関に融資の打診をして借入しております。しかし、当社の財務状態が著しく悪化し当社の信用力が低下して金融機関からの融資が受けられないなど資金調達に制約を受ける場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の物件仕入に係る借入金の借入期間はおおむね1年の短期借入金ですが、不動産市況の低迷等により当社が想定した期間内で当該物件を売却できない場合、当社の資金繰りや業績に影響を及ぼす可能性があります。

Ⅲ 事業体制について

① 人材の確保について

当社の営む事業は人的資本により成り立っており、当社の成長速度に見合った人員の確保および育成が経営上の重要な課題となっております。

当社は、当社が掲げる経営理念に賛同できることを重要な要素として、多種多様な業界からの中途採用を中心に採用活動を行っております。 

さらに、経営理念を当社全体で追求することにより、部門間での人事異動を可能にし、人材の有効活用が実現すると考えております。しかしながら、当社の求める人材が充分に確保できない場合又は現在在職している人材が流出し、必要な人材を確保できなくなった場合、当社の業績及び今後の事業推進に影響を及ぼす可能性があります。

② 小規模組織であることについて

当社の組織は、2022年7月末日現在、取締役7名(うち監査等委員3名)、従業員21名と、極めて小規模であります。

現状の人員数にて必要な内部統制・内部管理体制はとれておりますが、将来における急激な業容の拡大や、在籍する役職員が退任、退職等により社外に流出した場合、当社の事業運営及び事業展開等に影響を及ぼす可能性があります。

③ 個人情報漏洩リスクについて

当社では、営業活動に必要となる顧客及び潜在顧客、また当社株主の個人情報その他業務上必要となる各種情報についてコンピュータシステム上で管理を行っております。当社はコンピュータシステムの管理にあたっては、セキュリティ対策に力を入れております。

当社は業務委託先に細心の注意を払い当社株主の個人情報データを提供し業務委託先を通じて株主向けのサービスを提供しておりましたが、過去に業務委託先において個人情報の漏洩事故が発覚いたしました。この事故に起因して、当社に対する不安感の拡大や損害賠償請求訴訟等が極めて大規模に提起された場合、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、新たな漏洩事故が発生した場合には当社の信用が毀損され、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

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