業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当社グループの連結業績は売上高2,470万円(前年同期比36.7%減)、営業利益340百万円(前年同期比9.7%減)、経常利益346百万円(前年同期比642.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益208百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失255百万円)となりました。

なお、2022年6月24日に受領した特別調査委員会の調査報告書を踏まえ、前連結会計年度も含めた決算訂正を行いました。

 

 A.医療関連事業セグメント

 売上高2,079百万円(前年同期比44.9%増)、営業利益680百万円(前年同期比16.0%増)となりました。コロナ禍の下、アライアンス先に提供するサービスの重層化に遅れが生じたことにより、事業計画で想定した売上高及び営業利益は未達となりました。しかしながら、アライアンス先医療機関の施設数および、その保有病床数は、2021年3月末の43施設/4,062床から、2022年3月末の70施設/6,481床へ、事業計画を上回る27施設/2,419床の増加となりました。これに伴い、前年同期比では着実に売上高は拡大しました。

 なお、2022年5月12日の特別調査委員会の設置、同19日のグローム・マネジメント株式会社代表取締役の解任、同年6月24日に受領した特別調査委員会の調査報告書を踏まえ、医療関連事業の抜本的な再構築を行ってまいります。

 

 B.不動産関連事業セグメント

 売上高391百万円(前年同期比84.2%減)、営業利益125百万円(前年同期比54.6%減)となりました。

当連結会計年度末において、以下の不動産の賃貸事業を行っています。

・北海道釧路市所在の商業施設(当社にて保有)

・北海道留萌市所在の商業施設(当社にて保有)

・三重県多気郡所在の商業施設(連結子会社である合同会社PBTF1にて保有)

 

北海道釧路市と留萌市に所在の商業施設については、売却時期の見通しが立たないため、2022年4月1日に、販売用不動産から有形固定資産に保有目的を変更しています。これに伴い、北海道釧路市と留萌市に所在の商業施設の売却代金は2023年3月期からは売上に計上されなくなります。三重県の商業施設については、2022年6月10日に売買契約を締結し、2023年3月期には売却を終える方針であり、その後、連結子会社である合同会社PBTF1は清算予定です。これらに伴い、2024年3月期からは、不動産関連事業セグメントを廃止する予定です。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ254百万円減少し、当連結会計年度末には1,848百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれぞれの要因は次の通りです。

A. 営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動の結果、増加した資金は196百万円(前年同期比92.7%の減少)となりました。これは主に営業貸付金の増加額665百万円があった一方で、税金等調整前当期純利益347百万円、預り敷金及び保証金の増加額133百万円による増加等によるものです。

B. 投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動の結果、減少した資金は172百万円(前年同期は増加した資金695百万円)となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入310百万円、貸付金の回収による収入431百万円があった一方で、貸付による支出904百万円による減少等によるものです。

C. 財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動の結果、減少した資金は276百万円(前年同期比87.6%の減少)となりました。これは主に短期借入金の返済による支出250百万円があったこと等によるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

A. 生産実績

 該当事項はありません。

 

B. 受注実績

 該当事項はありません。

 

C. 販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

医療関連事業(百万円)

2,079

44.90

不動産関連事業(百万円)

391

△84.2

報告セグメント計(百万円)

2,470

△36.8

合計(百万円)

2,470

△36.8

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しています。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りです。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

合同会社ヒロシマ・アセット及び

株式会社アスキ

769

19.4

有限会社小林モータープール

620

15.6

DCMホーマック株式会社

595

15.0

(注) 10%未満のものは記載を省略しています。

 

(2)経営成績等の状況に関する分析

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

 ① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

A.医療関連事業セグメント

 売上高2,079百万円(前年同期比44.9%増)、営業利益680百万円(前年同期比16.0%増)となりました。コロナ禍の下、アライアンス先に提供するサービスの重層化に遅れが生じたことにより、事業計画で想定した売上高及び営業利益は未達となりました。しかしながら、アライアンス先医療機関の施設数および、その保有病床数は、2021年3月末の43施設/4,062床から、2022年3月末の70施設/6,481床へ、事業計画を上回る27施設/2,419床の増加となりました。これに伴い、前年同期比では着実に売上高は拡大しました。

 

当連結会計年度末の医療関連事業セグメントに投下している連結ベースの主な資産は、以下の通りです。

・営業貸付金:1,078百万円

・短期貸付金:236百万円

・1年内回収予定の長期貸付金:167百万円

・長期貸付金:1,769百万円

・その他:322百万円

 

なお、2022年5月12日の特別調査委員会の設置、同19日のグローム・マネジメント株式会社代表取締役の解任、2022年6月24日に受領した特別調査委員会の調査報告書を踏まえ、医療関連事業の抜本的な再構築を行ってまいります。

 

B.不動産関連事業セグメント

 売上高391百万円(前年同期比84.2%減)、営業利益125百万円(前年同期比54.6%減)となりました。

 当連結会計年度末において、以下の不動産の賃貸事業を行っています。

・北海道釧路市所在の商業施設(当社にて保有)

・北海道留萌市所在の商業施設(当社にて保有)

・三重県多気郡所在の商業施設(連結子会社である合同会社PBTF1にて保有)

 

 北海道釧路市と留萌市に所在の商業施設については、売却時期の見通しが立たないため、2022年4月1日に、販売用不動産から有形固定資産に保有目的を変更しています。これに伴い、北海道釧路市と留萌市に所在の商業施設の売却代金は2023年3月期からは売上に計上されなくなります。三重県の商業施設については、2022年6月10日に売買契約を締結し、2023年3月期には売却を終える方針であり、その後、連結子会社である合同会社PBTF1は清算予定です。これらに伴い、2024年3月期からは、不動産関連事業セグメントを廃止する予定です。

 

当連結会計年度末の上記商業施設に関わる主な残高は、以下の通りです。

・資産:販売用不動産1,839百万円

・負債:1年内返済予定の長期借入金310百万円

・負債:長期預り敷金保証金255百万円

 

C.その他

 a.販売費及び一般管理費

医療関連事業の推進のため、積極的な人員強化を進めるにあたり、ストックオプションや業績連動型の賞与制度を導入しています。税制適格ストックオプションの発行に伴う株式報酬費用として92百万円(前年同期は8百万円)を計上しています。また、業績連動型の賞与制度として税金等調整前当期純利益の15%を従業員の賞与プールとしており、賞与引当繰入額として52百万円(前年同期はゼロ)を計上しています。

医療法人向け営業債権について、貸倒引当金戻入額として10百万円(前年同期は266百万円)を計上しています。なお、貸倒引当金戻入額を控除した場合の医療関連事業のセグメント利益は669百万円(前年同期は320百万円)となります。

 

 b.持分法適用関連会社である株式会社DAホールディングス

2021年12月期に親会社株主に帰属する当期純利益121百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失975百万円)を計上しています。これに伴い、当社の所有割合29.5%に相当する35百万円を持分法による投資利益(前年同期は持分法による投資損失287百万円)として、当社は当連結会計年度に計上しています。株式会社DAホールディングスは、2016年12月期から2018年12月期に行われた事業を整理したことにより、2017年12月期から2020年12月期にかけて大幅な赤字を計上しましたが、2021年12月期以降の業績は概ね安定すると見込んでいます。

 

当連結会計年度末の株式会社DAホールディングスに関わる残高は、以下の通りです。

・株式会社DAホールディングスに対する投資有価証券:703百万円

・その連結子会社である株式会社DAインベストメンツに対する長期貸付金:258百万円

 

c.特別利益の明細

・資産除去債務戻入益:77百万円(LCモールうれし野売却関連)

・固定資産売却益:214百万円(LCモールうれし野売却関連)

・受取保険金:10百万円(2020年2月4日設置の社内調査委員会関連)

・移転補償料:84百万円(アーク森ビル内での事務所移転関連)

・その他:2百万円

 

d.特別損失の明細

・固定資産除却損:60百万円(アーク森ビル内での事務所移転関連)

・関係会社清算損:8百万円(連結子会社2社の清算関連)

・特別調査費用:116百万円(2022年5月12日設置の特別調査委員会関連)(注1)

・出資金評価損:0百万円

・貸付金評価損:60百万円(社団法人貸付関連)

・減損損失:3百万円(連結子会社備品関連)

・違約金損失:45百万円(東大和事務所解約関連)

・債務返還引当金繰入額:90百万円(2022年5月12日設置の特別調査委員会関連)(注1)

・その他:3百万円

(注1)2022年6月24日に受領した特別調査委員会の調査報告書を踏まえ、当社の連結子会社グローム・マネジメント㈱が今後、アライアンス先1法人に対して返還する可能性のある金額を最大で90百万円と想定し、当連結会計年度において同額を債務返還引当金繰入額として計上しました。また、当連結会計年度において特別調査費用116百万円を計上しました。

 

e.清算もしくは休眠予定の連結子会社

・グローム・ステイ株式会社:休眠予定です。

・合同会社シアトル525:休眠予定です。

・合同会社PBTF1:清算予定です。

 

 ② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高1,848百万円に対して有利子負債の残高は310百万円となっています。当社グループの資金需要のうち、主なものは、新規に獲得するアライアンス先医療法人の一部に対して一定期間、資金支援の為、当社グループから行う貸付です。医療法人への貸付内容は、貸付先医療法人の財務・経営状況等により異なりますが、当社グループの自己資本で対応できると考えています。

 

 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計基準は「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項」及び (重要な会計上の見積り) に記載の通りです。

 この連結財務諸表の作成にあたり、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づき見積り及び判断を行っていますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があり、結果的に連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下の通りです。

 

A.貸倒引当金

 当社グループの事業において、業務委託料等に係る売掛債権と資金の貸付債権に係る回収リスクに備えて過去の貸倒実績をもとに貸倒引当金を算定しています。各債権は毎月回収状況の管理し、遅延発生時は回収に向けた対応をするルールが定められています。しかしながら債権先の資金状況によっては遅延解消に時間がかかるケースもあり、滞納が発生する場合は、個別での引当金を計上しています。貸倒引当金は四半期ごとに見直し、滞納債権は定められたルールでの見積り計上をすることになります。また、債権先の財政状態が債務超過となった場合や、著しく債権の回収が困難と認められる場合にも個別の引当金を計上しています。各債権先の状況を把握したうえで回収リスクや貸倒れリスクに備えています。

 

B.出資金の評価

 当社グループの事業において、医療関連事業における投資として、一般社団法人への出資をしています。当該出資金が毀損していないか見積り判定を行い、当該一般社団法人の保有資産に著しい価値の下落が発生したと判定した場合には、出資金評価損として損失処理しています。適切な見積りに基づき当該出資金を評価していると考えていますが、急激な経済金融情勢の変化が発生した場合には、翌連結会計年度において追加の出資金評価損の計上が発生する可能性があります。

 

C.棚卸資産(販売用不動産)の評価

 当社グループの事業において、販売目的で保有する不動産は、収益性の低下等により期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって連結貸借対照表価額としています。正味売却価額の算定に当たっては、リーシング状況、市場環境、建設コストの動向等を総合的に勘案していますが、これらの前提条件や仮定に変更が生じ、正味売却価額が減少することとなった場合には、評価損計上の処理が追加で必要となる可能性があります。

 

 

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