課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

(経営理念)

 当社は、「心」を経営の基本理念としております。

「物」に携わる者として、「人と接するときは、心を込めて」・「仕事をするときは、初心を忘れず前向きに」・「物を扱うときは、心を込めて丁寧に」・「物を運ぶときは、心を込めて安全に」・「如何なるときにも感謝の心を大切に」を基本テーマに取組んでおります。

(経営方針)

 物流の役割は駅伝でいえば最終ランナー、地味ではあるが信頼された重要な存在。当企業グループは信頼に応えて効率的な事業活動の展開と継続的で質の高い成長を図り、お客様第一、品質第一を基本に、企業としての社会的責任を果たしてまいります。また、短期的な収益にとらわれず、長期的な視点に立った経営を行い、3PL物流における質的内容の日本一を目指します。

 

(2)目標とする経営指標

 当企業グループは、株主持分単位当たりの成長性及び収益体質の強化を重視する観点から、1株当たり当期純利益(EPS)及び営業収益経常利益率を経営指標としており、自己資本当期純利益率(ROE)10%以上を継続的に達成することを目指してまいります。2023年3月までの具体的な目標値は、次のとおりであります。

 なお、具体的な取り組みにつきましては、「(4)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりであります。

 

経営目標

2019年

3月期実績

2020年

3月期実績

2021年

3月期実績

2022年

3月期実績

2023年

3月期計画

1.1株当たり当期純利益(EPS)(円)

310.71

328.01

341.69

378.84

388.56

2.営業収益経常利益率(%)

8.9

8.7

9.2

9.6

9.4

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

①既存路線を軸とした事業展開

 物流センター(3PL)事業を成長ドライバーとした拡大戦略をとってまいります。

 お客様とのコミュニケーションを重視し、提案型物流企業を目指してまいります。

②3つのキーワードを中心とした取組みの継続

 当社が重要視している、「日々収支」、「全員参加」、「コミュニケーション」の3つのキーワードを徹底し、更なる高みを目指し挑戦してまいります。

③3PL事業の取組み

 DX推進による物流ロボットの導入により入出荷作業の一部省人化を実現、カメラ認証技術及び自動搬送ロボットの活用により更なる省人化を目指します。

 EC物流センターのノウハウを活かし、成長見込まれるEC物流の受注拡大(ラストワンマイル)と自社配送を推進いたします。

④物流センター(3PL)事業とグループ会社間の融合

 近物レックスのターミナルを物流センター化し、シナジー強化を図ります。

   近物レックスの拠点網が充実している東北・関東・東海・関西エリアでのシナジー強化を目指します。

⑤運送事業の取組み

 近物レックスのターミナルを利用し、軽貨物車両を利用した宅配サービスを推進する。

   ドライバー確保のための運賃是正の推進及び労働環境の改善を目指します。

⑥新規顧客獲得に向けた取組み

 既存の組織・職務・各グループ会社にとらわれず、グループ全体での新規顧客獲得にむけた営業を行ってまいります。

⑦海外展開について

 海外への進出につきましては、日本国内の顧客への満足度向上のためニーズに応じた海外展開を図ってまいります。

 インド国内の完成車輸送の拡大とコールドチェーン物流の開発を促進する。

 

 

⑧ESG(環境)への取組み

 物流企業としての社会的責任を果たすため、環境負荷の軽減に取り組みます。

 太陽光発電システム導入によるCO2削減

 入荷管理車両システムの導入による車両待機時間削減

 CO2排出量の少ない車両の導入

 積載率の向上及び共配による車両効率の向上

 倉庫施設への環境負荷低減部材の導入

 

(4)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの普及や、緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の解除等により、景気持ち直しの動きがみられたものの、ウクライナ情勢等に起因する世界的な経済活動の停滞が懸念されるなど、依然として先行きは不透明な状況となっております。

 物流業界を取り巻く経営環境についても、原油価格の高騰や個人消費の低迷、人手不足等、引き続き厳しい状況が続いております。

 また、EC通販市場の拡大や消費者のニーズの変化に応じた物流の多頻度化、小口化の進展への対応や貨物自動車運送事業におけるドライバー不足をはじめとした将来を担う人材の確保、ロボット・AI導入による省力化への取り組みは業界を通じた課題となっております。

 このような日々変化する社会環境の中、当企業グループといたしましては、中長期的な経営戦略を着実に推し進め、お客様の物流利益創出に貢献すべく、下記の優先的に対処すべき課題に取り組んでまいります。

 

① 収益体質の強化

 日々収支の取組み強化や、より効率的なシステム提案、ロボット・AIの導入等によって既存センターの効率アップを図るとともに、センター立上時の初期コスト低減及び早期安定稼働を図るため、各支社・管理部を含めた全社を挙げたサポート強化を図ってまいります。また、グループ間の更なる情報共有化を進め、業務品質の向上、グループ間取引の拡大、インフラの有効活用によるシナジー効果を強めてまいります。

② 顧客満足度及び物流品質の向上

 全員参加による顧客訪問の徹底や組織変更等により、お客様とのコミュニケーションをより強化してまいります。小ロット翌日午前配送や在庫を持たないスルー型物流、EC物流等、時代の変化とともにお客様のニーズも変化しております。この変化するニーズを的確にとらえ、スピード感のある問題解決型の提案をし、お客様へ“気付き”をご提供できるよう努力してまいります。また、クレーム発生の日々管理を組織的に行い、グループ全体の知恵を結集して、迅速な対応、物流品質の向上を目指します。

③ 新規顧客の開拓

 営業推進担当を中心に、より積極的な新規営業を実施してまいります。その取組みとして、全社的な新規営業会議を定期に開催し、新規顧客の開拓をしてまいります。また、グループ間での情報交換を組織的に行い、グループ全体での共同営業活動を実施し、グループ全体での収益確保に向け取組んでまいります。目標として、毎期15社以上の新規受託を目指します。

④ 人材の確保と育成

 従来どおり、OJTを中心とした人材育成を行ってまいります。グループ全体を対象とする社内研修「大須賀塾」の継続、センター長試験の充実、更には中途採用枠の積極設定により、次代を担う人材の確保と育成に努めてまいります。また、運賃是正の推進や労働環境の改善によるドライバーの確保、人材派遣の自社雇用化を促進し、より生産性の高い体質を構築してまいります。

⑤ 管理体制の充実・強化

 日々管理を再度周知徹底するとともに、各支社・管理部が管轄にとらわれることなく相互に連携し、多角的にサポート・管理監督を行ってまいります。また、不正経理の再発防止のため、更なる管理強化、内部統制・コンプライアンスの遵守を徹底し、健全な企業体質を構築してまいります。

⑥ 環境問題への取組み

 物流企業としての社会的責任を果たすため、環境負荷の軽減に取り組みます。当社の事業活動が地球環境に与える影響を認識し、事業用車輌の排出ガス削減のため、車輌の積載効率の向上による使用車輌数の削減を図るとともに、車輌の点検整備を強化いたします。また、LED照明等の省エネルギー設備への更新、環境配慮車輛の導入を促進し、エネルギー使用量及び二酸化炭素排出量の削減に取組んでまいります。

 

(5)その他、会社の経営上重要な事項

 該当事項はありません。

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