文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、兵庫県内を中心に地域社会とのつながりを大切にしながら、鉄道・バス・タクシーなどの
「運輸業」、百貨店などの「流通業」、不動産賃貸・分譲などの「不動産業」、飲食などの「レジャー・サービス
業」、人材派遣などの「その他の事業」として5つに大別される事業を経営し、幅広く人々の生活を支える総合サ
ービスを提供することによって、社会の発展に貢献し、「連結での成長」を目指していくことを基本方針としてお
ります。
(2)中長期的な会社の経営戦略
「新しい生活様式」の進展に伴う社会変化や人々の行動変容は、運輸業や流通業に大きく影響しております。こうしたなかで、新型コロナウイルス感染症の収束時期を見通すことは難しく、合理的な中期経営計画の策定は困難と判断しました。そのため、2022年度については、「(3)目標とする経営指標」に基づき事業を展開してまいり
ます。
次期中期経営計画については、2023年度を計画始期として、今後の当社グループのあり方を踏まえたうえで策定する予定です。
なお、当連結会計年度の客観的な指標等についての進捗状況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (6)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等についての分析」をご覧ください。
(3)目標とする経営指標
|
2022年度目標 |
営業収益(百万円) |
37,872 |
営業利益(百万円) |
3,055 |
経常利益(百万円) |
3,052 |
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) |
2,147 |
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の見通しにつきましては、少子高齢化や人口減少の進行に加え、新型コロナウイルス感染症の流行による
テレワーク等の浸透や生活様式の変化、さらには国際情勢の不安要素など、当社グループを取り巻く環境は
依然として非常に厳しい状況が続くと思われます。
このような状況下において、2022年度は、新型コロナウイルス感染症の今後の影響が不透明であるため、従前の
中期経営計画の基本戦略である「各事業の連携強化による企業価値の向上」、「沿線活性化に向けた取り組みの
推進」、「非鉄道事業分野での収益基盤の着実な拡充」、「安全・安心の確立とサービスの向上」、「健康で明るく
活き活きと働ける職場環境の整備」を維持したうえで、単年度計画に基づき事業推進をはかりますが、ポストコロナ
を見据えた今後の厳しい経営環境にも耐えられる強固な経営体制の構築と「環境や社会、事業の持続可能性への配
慮」といったサステナビリティ経営のさらなる推進を目指した、次期中期経営計画の策定を進めてまいります。
各セグメントにおける対処すべき課題は、次のとおりであります。
①運輸業
運輸業のうち鉄道事業におきましては、営業面では、感染防止対策を徹底しながら、観光需要の回復を見極めたう
えで、自治体や沿線施設等と連携して様々なイベントを実施するほか、沿線の魅力向上・発信を行うことで、
旅客誘致に努めてまいります。
設備面では、引き続き東須磨駅のバリアフリー化工事を推進するほか、須磨浦公園駅~山陽塩屋駅間の法面防護や
変電所更新、踏切支障報知装置とATS(自動列車停止装置)との連動化工事など、お客さまサービスと安全性の向上
に努めてまいります。また、踏切事故防止や道路交通円滑化を目的とした、高砂駅~荒井駅付近での連続立体交差事
業の実施に向けて、兵庫県および高砂市と協議を進めてまいります。
バス事業におきましては、神戸市バスの一部路線の運行・車両整備およびその管理等の受託を通じて、収益拡大を
はかるとともに、神戸市垂水区を中心とする生活路線の維持に努めてまいります。
②流通業
流通業では、山陽百貨店におきまして、魅力的な店舗の導入や人気催事の開催によりお客さまのご来店促進に取り
組むほか、外商力の強化に一段と注力し、収益拡大をはかってまいります。また、新たに取得した山陽姫路駅ビルも
含めて、姫路の玄関口にふさわしい百貨店として、街の賑わいづくりと活性化に取り組んでまいります。
③不動産業
不動産業のうち分譲事業におきましては、引き続き明石市での分譲マンション「リアラス明石西新町」や神戸市西
区での「クレヴィアシティ西神中央」、加古川市での「ブランシエラ加古川リアラス」の建設・販売を推進いたしま
す。また、新たな事業用地の取得を通じて収益拡大に努めてまいります。
賃貸事業におきましては、西二見駅前で介護付有料老人ホーム建設を進め、保有土地の有効活用をはかるととも
に、当社沿線のほか首都圏や京阪神地区等においても引き続き収益不動産の取得に注力し、事業基盤の一層の拡充を
進めてまいります。
④レジャー・サービス業
レジャー・サービス業のうち飲食業では、引き続きテイクアウト需要の取り込みに努めるとともに、既存店舗の
リニューアルを通じて、収益拡大をはかってまいります。また、昨今の健康志向の高まりを受け、神戸市垂水区に
フィットネス店舗を新たにオープンしましたが、同店の収益拡大に一層努めてまいります。
⑤その他の事業
その他の事業では、新規顧客の獲得による収益拡大に向け、積極的な営業活動を展開してまいります。
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