業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大と収束が繰り返され、まん延防止等重点措置の実施や延長により経済活動が抑制されるなか、ウクライナを巡る国際情勢の悪化による資源関連を中心とする供給への不安により、幅広い品目でインフレ傾向がみられる等、景気の先行きが不安視される非常に不透明な状況にありました。当社においては、大型の台風が相次いで日本に上陸したことにより、一部店舗において営業時間の短縮や長期休業を余儀なくされる等、業績に影響を受けることとなりました。

このような環境のもと、当社の「地域を結ぶ直売広場」をコンセプトとした運営店舗「わくわく広場」は、地域の食のセレクトショップとして、野菜・果物以外にも、弁当・惣菜・パン、加工食品、和洋菓子、調味料、花といった様々なジャンルの生産者開拓を進め、スーパーマーケット等と差別化した商品を取り揃えるとともに、生産者による対面イベントを各店舗で開催しました。また、積極的な新規出店と不採算店舗の閉鎖を行い、規模拡大と利益率向上に取り組んでまいりました。

これらの取組みにより、当社の重要な経営指標である流通総額(店舗におけるレジ通過額のほか、値札シールの販売代金や不動産賃貸収入等を含む総額の全体売上高)は22,036,160千円(前事業年度比15.3%増なりました。店舗における販売商品の種類別割合は、弁当・惣菜・パン類が約35%、野菜・果実等が約27%、加工品等が約25%、その他が約13%となっており、農産物にとどまらず、地元のおいしい食品が集まる「地域の食のセレクトショップ」を実現しております。店舗数においては25店舗の新規出店と6店舗の閉鎖を行い、前事業年度末より19店舗増加し136店舗となりました。また、生産者に対しては、継続した登録件数拡大に取り組み、当事業年度末における登録生産者数は前事業年度末より2,437件増加し25,953件となりました。

以上の結果、営業収益は6,438,691千円(前事業年度比16.5%増)、営業利益は964,546千円(前事業年度比40.0%増)、経常利益は913,588千円(前事業年度比40.3%増)となり、当期純利益は471,571千円(前事業年度比20.6%減)となりました。

なお、当社事業は単一のセグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

② 財政状態の状況
a.資産

当事業年度末における総資産は、前事業年度末と比べ1,947,344千円増加し、6,726,511千円となりました。これは主に、東京証券取引所マザーズ市場への上場に伴う公募増資等により現金及び預金が1,567,055千円増加、新規店舗の出店等により有形固定資産が194,246千円増加した一方、繰延税金資産が94,236千円減少したこと等によるものです。

 

b.負債

当事業年度末における負債総額は、前事業年度末と比べ183,465千円増加し、4,927,217千円となりました。これは主に、営業収益の増加に伴い買掛金が174,611千円増加、資本金の増額に伴い当社に適用される国税や地方税の税率が変更されたこと等により未払法人税等が350,154千円増加した一方、短期借入金が250,000千円減少、長期借入金が59,296千円減少、長期未払金が78,181千円減少したこと等によるものです。

 

c.純資産

当事業年度末における純資産は、前事業年度末と比べ1,763,879千円増加し、1,799,293千円となりました。これは主に、東京証券取引所マザーズ市場への上場に伴う公募増資等により資本金及び資本準備金がそれぞれ645,968千円増加したこと、当期純利益が471,571千円となったこと等によるものです。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末と比べ1,777,055千円増加2,996,238千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は1,222,040千円(前事業年度は1,113,316千円の収入)となりました。これは主に税引前当期純利益が876,611千円、減価償却費が229,147千円となり、さらに仕入債務が174,611千円増加した一方、減少要因として売上債権が133,418千円増加したこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により支出した資金は299,010千円(前事業年度は420,024千円の支出)となりました。これは主に定期預金の払戻による収入が210,000千円あった一方、有形固定資産の取得による支出が304,016千円、無形固定資産の取得による支出が127,107千円あったこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により得られた資金は854,025千円(前事業年度は431,447千円の支出)となりました。これは主に株式の発行による収入が1,291,937千円あったほか、株式会社千葉銀行をエージェントとするファシリティ契約及びタームローン契約の解消に伴う借換え等により、長期借入れによる収入が1,600,000千円あった一方、長期借入金の返済による支出が1,645,296千円あったこと等によるものです。

 

④ 仕入、受注及び販売の実績

当社は、シェアショップ事業の単一セグメントであるため、以下の事項は商品の分類別に記載しております。

 

a.仕入実績

当事業年度における仕入実績を商品の分類ごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

 

流通総額(仕入額)

前事業年度比(%)

当期商品仕入高

前事業年度比(%)

生産者商品

15,597,468

114.8

その他

411,729

82.7

411,729

82.7

合計

16,009,198

113.7

411,729

82.7

 

(注) 1.「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①重要な会計方針及び見積り」に記載のとおり、生産者へ支払う仕入代金を流通総額から控除して財務諸表に表示しているため、生産者商品に係る当期商品仕入高は「-」となっております。

2.「その他」には、当社が直接仕入れを行い店頭で販売している商品の仕入高、生産者へ販売している値札シールの仕入代金等が含まれております。

 

 

b.受注実績

当社は、シェアショップ事業を主体としており、受注生産を行っておりませんので、記載を省略しております。

 

 

c.販売実績

当事業年度における販売実績を商品の分類ごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

 

流通総額(販売額)

前事業年度比(%)

営業収益

前事業年度比(%)

生産者商品

21,076,539

116.4

5,479,070

120.9

その他

959,620

96.4

959,620

96.4

合計

22,036,160

115.3

6,438,691

116.5

 

(注) 1.「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①重要な会計方針及び見積り」に記載のとおり、生産者商品については、お客様から受領した販売代金を流通総額とし、生産者へ支払う仕入代金を流通総額から控除した純額を営業収益として財務諸表に表示しております。 

2.「その他」には、当社が直接仕入れを行い店頭で販売している商品の販売額、生産者へ販売している値札シールの販売代金や不動産収入等が含まれております。

3.主要な販売先については、総販売実績に対する割合が100分の10以上に該当する相手がいないため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。また、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況  1 財務諸表等  注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

シェアショップ事業における生産者商品に係る売上高の表示について

生産者が出品した商品(生産者商品)については、当社が所有権及び在庫リスクを有さずに販売する商品であるため、生産者商品に係る売上高は、お客様から受領した販売代金から生産者へ支払う仕入代金を控除した純額で財務諸表に表示しております。

 

② 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

③ 経営戦略の現状と見通し

当社の経営者は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社が今後プラットフォームとしてさらなる成長と発展を遂げるためには、当社プラットフォームにおける「場」である店舗数及び「ユーザー」である登録生産者数を拡大させていくことが重要であると認識しております。

 

④ 経営者の問題認識と今後の方針について

当社が今後も持続的に成長していくためには、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」及び「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の様々な課題に対応していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために、経営者は常に外部環境の構造や変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。

 

⑤ 財政状態に関する認識及び分析・検討内容

「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載の通りであります。

 

 

⑥ キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容

「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。

 

⑦ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社における主な資金需要は、継続的な生産者獲得及び継続的なサービス提供のための人件費や、知名度向上及び潜在顧客獲得のための広告宣伝費、サービスの拡充のための店舗の家賃等の維持費や設備投資資金であります。これらの資金需要に対しては、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。

 

⑧ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、当社は、継続的に事業を拡大していくために成長性を重視しており、成長性を示す指標として流通総額、店舗数及び登録生産者数を重視しております。

 

 

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