業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により個人消費も停滞しました。景気は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和される中で、持ち直しの動きがみられます。先行きについては、感染対策に万全を期し、経済社会活動を継続していく中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、景気が持ち直していくことが期待されますが、新たな変異株の発生もあり、内外の感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要があります。

当社グループの属する小売・サービス業界は、政府や各自治体の要請に応じた臨時休業や営業時間短縮を余儀なくされ、国際的な観光需要の蒸発、外出自粛、消費マインドの悪化等非常に厳しい状況で推移いたしました。2021年の訪日外客数は2020年に比べ94.0%減少(出典:2021年日本政府観光局(JNTO))しており、回復の目途が立たない状況です。

このような経済環境の下、当社は「日本のカルチャーを世界へ」を経営理念に、「日本文化を感じるモノを作り販売する」モノ事業と「日本文化の良さを体験してもらう」コト事業、及び、その他事業、の3つの事業の強化に引き続き取り組みました。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、出店計画の見直し、店舗の閉鎖を余儀なくされる状況となりました。

出退店につきましては、当連結会計年度において、出店が10店舗、退店が8店舗、業態転換が1店舗あり、期末の店舗数は合計45店舗(前年同期比2店舗増)となりました。一方で、店舗の閉鎖やコスト削減により、販売費及び一般管理費は1,194,618千円(前年同期比29.6%減)となりました。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高902,142千円(前年同期比30.0%減)、営業損失487,961千円(前年同期は996,932千円の損失)、経常損失493,389千円(前年同期は993,338千円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失554,756千円(前年同期は1,255,985千円の損失)となりました。

各セグメントの業績は、次のとおりです。

(モノ事業)

モノ事業においては、既存の店舗で在庫をメインに営業を進めました。家賃減額交渉も継続して行い、既存の店舗に別の業態を出店するなど拠点数や人員は維持したまま集客を強化することにより収益向上を図りましたが減収となりました。当連結会計年度末における店舗数は、〔かんざし屋wargo〕11店舗(前年同期比1店舗増)、〔The Ichi〕4店舗(同2店舗減)、〔北斎グラフィック〕12店舗(同±0)、〔箸や万作〕3店舗(同3店舗減)、〔猫まっしぐら〕3店舗(同±0)、合計33店舗(同4店舗減)となりました。リアル店舗の他、ECサイトにおける販売及び催事場による販売、OEMサービス等も行っております。

この結果、当連結会計年度におけるモノ事業の売上高は744,536千円(前年同期比25.9%減)、セグメント損失は84,968千円(前年同期は539,126千円の損失)となりました。

(コト事業)

コト事業においては、着物レンタルの需要が回復してきたことから固定費のかからない契約形態に絞り出店を行った結果、当連結会計年度末における店舗数は12店舗(前年同期比6店舗増)となりました。リアル店舗の他、ECサイトで着物一式を借りることができる宅配着物レンタルサービス等を運営しております。

この結果、当連結会計年度におけるコト事業の売上高は146,283千円(前年同期比48.4%減)、セグメント損失は50,933千円(前年同期は163,916千円の損失)となりました。

(その他事業)

その他事業においては、静岡県を中心に空き家をリノベーションして不動産賃貸業を行っております。また、新規事業として食肉卸事業を開始しました。

この結果、当連結会計年度におけるその他事業の売上高は11,322千円(前年同期比1,521.3%増)、セグメント損失は20,499千円(前年同期は15,231千円の損失)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における資金は126,826千円となり、前連結会計年度と比較して126,372千円の減少となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果支出した資金は311,231千円(前年同期は384,330千円の支出)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純損失538,523千円、減価償却費24,420千円、減損損失42,841千円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は69,884千円(前年同期は13,754千円の支出)となりました。この主な要因は、投資有価証券の売却による収入32,080千円、敷金の回収による収入78,753千円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は114,975千円(前年同期は111,004千円の収入)となりました。この主な要因は、株式の発行による収入193,906千円等によるものであります。

 

生産、受注及び販売の実績

(1) 生産実績

当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

(2) 商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2021年1月1日

至  2021年12月31日 )

仕入高(千円)

前年同期比(%)

モノ事業

136,930

53.9

 

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3) 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

受注高
(千円)

前年同期比
(%)

受注残高
(千円)

前年同期比(%)

モノ事業

162,333

108.6

12,206

86.0

 

(注) 1.モノ事業で行っているOEM販売について集計しております。

 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(4) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

売上高(千円)

前年同期比(%)

モノ事業

744,536

△25.9

コト事業

146,283

△48.4

その他事業

11,322

1,521.3

合計

902,142

△30.0

 

(注) 1.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。

2.セグメント間取引については、相殺消去しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積もりとは乖離が生じる可能性があります。

なお、当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

(2) 財政状態の分析

① 資産

当連結会計年度末における資産合計は566,851千円(前連結会計年度末比371,294千円減)となり、流動資産合計245,025千円(前連結会計年度末比212,878千円減)、固定資産合計321,825千円(前連結会計年度末比158,239千円減)となりました。これは主として、現金及び預金が97,599千円、有形固定資産が38,925千円、投資その他の資産が118,925千円減少したことによるものです。

② 負債

当連結会計年度末における負債合計は1,000,239千円(前連結会計年度末比37,782千円減)となり、流動負債合計639,743千円(前連結会計年度末比10,826千円増)、固定負債合計360,496千円(前連結会計年度末比48,609千円減)となりました。これは主として、未払法人税等が22,082千円増加し、長期借入金が47,531千円減少したことによるものです。

③ 純資産

当連結会計年度末における純資産合計は433,387千円(前連結会計年度末比333,511千円減)の債務超過となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純損失554,756千円を計上したことによります。

(3) 経営成績の分析

(売上高、売上原価及び売上総利益)

当連結会計年度における売上高は902,142千円となりました。これは、コロナウイルス感染症の影響により来店客数が減少した結果、出店が10店舗、退店が8店舗、業態転換が1店舗、期末の店舗数は合計45店舗となったことによるものです。また、売上原価は195,485千円となりました。その結果、売上総利益は706,657千円となりました。

(販売費及び一般管理費並びに営業損失)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、店舗の閉鎖やコスト削減などにより1,194,618千円となりました。その結果、当連結会計年度における営業損失は487,961千円となりました。

 

(営業外損益及び経常損失)

営業外収益は、受取利息134千円、受取手数料6,000千円、資産除去債務戻入益15,762千円、その他の営業外収益807千円により合計22,704千円となり、営業外費用は、支払利息2,688千円、為替差損126千円、持分法による投資損失23,074千円、その他の営業外費用2,241千円により合計28,132千円となりました。その結果、当連結会計年度における経常損失は493,389千円となりました。

(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純損失)

特別利益は助成金収入11,311千円、固定資産売却益1,049千円、投資有価証券売却益2,371千円、その他の特別利益31千円により合計14,763千円となりました。特別損失は減損損失42,841千円、損害賠償金2,400千円、固定資産除却損11,401千円、投資有価証券評価損3,255千円により合計59,897千円となりました。また、法人税、住人税及び事業税19,121千円及び法人税等調整額710千円を計上しました。その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失は554,756千円となりました。

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

運転資金及び設備投資資金など必要な資金需要に対応するため、金融機関からの借入及び資本市場からの資金調達などにより必要資金を確保する方針であります。

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、市場環境・競合・経済情勢等の様々なリスク要因があり、それらが当社の業績及び財務状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識しております。

(7) 経営戦略の現状と見通し

当社グループのモノ事業とコト事業は主に店舗運営により行っております。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、インバウンド需要の消失、外出自粛、消費マインドの悪化等、来店客数が減少したため当連結会計年度は厳しい状況で推移いたしました。その結果、出店計画の見直し、店舗の閉鎖を余儀なくされる状況となっております。

見通しにつきましては、新たな変異株の登場など今後も予断を許さない状況ですが、お客様や従業員の安全を最優先し、経営環境に対応しながら営業を続けてまいります。赤字店舗の閉鎖、催事の強化を進めますとともに、アフターコロナを見据えた出店に関しましては、立地条件、契約条件、競合、収益性等を精査しながらスクラップアンドビルドを進めるとともに、家賃減額交渉も継続しながら、周辺領域への新規展開も行うことで収益の多様化を図ってまいります。

コスト面につきましては、全店舗について家賃減額の交渉、人件費の削減、本社機能の縮小、倉庫移転などを行ってまいりました。本社及び店舗の運営費用の削減等引き続き経費の削減に努力してまいります。

(8) 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり現在の事業環境並びに入手可能な情報に基づき、迅速かつ最善な経営戦略の立案、経営課題に対する施策の実施に努めております。また、当社が最も重要な経営資源と考える人材については、出店計画に応じて綿密に人員計画を策定することで採用活動を適時に行うほか、教育研修制度を充実させることで必要な人材の確保に努める方針であります。

 

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