課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

 

(経営方針)

当社グループが掲げる経営理念『日本のカルチャーを世界へ』の“日本のカルチャー”とは、日本の風土そのもの、またそれにより育まれた日本人の民族性、生活様式/習慣、或いはそれらに影響を受けた人々が生み出してきた哲学や思想、文化・芸術や技術の賜物です。当社は、そのような“日本のカルチャー”を1人でも多くの方に実感できる場を提供することを通じて、日本のみんなだけでなく世界のみんなを幸せにすることが、当社グループの存在意義であると考えております。

 

(経営戦略)

伝統と革新の両面で、日本という国を象徴するあらゆるモノとそこに住む我々日本人を形づくってきたあらゆるコトのサービスを中心として提供しており、①モノ事業の新規ブランドの開発、②コト事業の新規体験サービスの開発並びに①②に共通するIT技術革新への対応及び新規出店の加速を実現し、その他事業を含めた、さらなる事業拡大を目指してまいります。

 

(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)

店舗展開の見直し

2020年春以降、不採算店舗の退店と人員削減によるコスト削減を実施しております。2019年12月末に91店舗(モノ事業72店舗、コト事業19店舗)だった店舗を2021年12月末には45店舗(モノ事業33店舗、コト事業12店舗)まで縮小いたしました。今後も店舗の採算に応じて店舗撤退の要否を判断いたしますが、一方で、利益貢献が見込める店舗(好立地、固定費のかからない契約形態、イニシャルコストの最小化など)の積極的な出店を行うことで営業利益の向上を図ってまいります。

 

販売費及び一般管理費の削減

当社では、全店舗について家賃減額の交渉、人件費の削減、本社機能の縮小、倉庫移転などを行ってまいりました。家賃減額交渉も継続しながら、本社及び店舗の運営費用の削減等引き続き経費の削減に努力してまいります。

 

財務状況の安定化

財務状況の安定化を図るために、取引金融機関の支援も得ながら以下の通りエクイティファイナンスを実行いたしました。

当社は2021年5月20日開催の取締役会において、当社代表取締役である森智宏氏、株式会社ローカル及び柴田裕亮氏を割当先とする第三者割当による新株式の発行並びにEVO FUNDを割当先とする第10回新株予約権の発行を決議し、同年6月7日に合計71,346千円の払込が完了しております。また、2021年7月1日から2021年12月31日まで新株予約権の行使により、123,104千円の資金調達を行っております。今後も財務体質の改善をより確実なものとするために、引続きエクイティファイナンスも検討することで、将来の事業拡大に備えた機動的な資金調達を図ってまいります。

 

 

(経営環境及びその他の優先すべき対処すべき課題)

当社グループが対処すべき主な課題は、以下の項目と認識しております。なお、当社グループが運営する事業は、物品の販売を行うモノ事業とサービスの提供を行うコト事業が中心であります。

 

(1) 事業推進上の課題

① 好立地・好条件の物件獲得

当社グループの事業発展には、好立地・好条件物件への新規出店を継続的に行うことが重要と考えております。当社グループは複数ルートからの物件情報収集と積極的な条件交渉を行い、全国の主要都市/観光地への出店をすることにより、営業基盤を拡大してまいります。新規出店計画は当社グループの事業発展に欠かせないばかりか、当社グループの収益に影響を及ぼすリスクがあるものと認識しております。そのため、好立地・好条件の物件を獲得するためのネットワークを確立できるよう努めるとともに、ドミナント戦略の特性を活かした計画的かつ効率的な出店を行い、出店準備の内製化等の具体的施策も含め、更なる収益性の向上に努めてまいります。

② IT技術革新への対応

近年、デバイスの多様化と進化に伴い、インターネット経由の消費が増加するとともにEC市場参入企業が増えており、競争力を強化する上でIT技術革新への迅速な対応が課題と考えております。当社グループはモノ事業及びコト事業ともに集客手段としてインターネット上に複数のECサイトを運営しております。ECサイトの企画から開発、運営とwebマーケティングの運用を一貫して内製化することで迅速で高頻度な新コンテンツのリリース等に対応してきました。

また、コト事業では[きものレンタルwargo]の売上促進のため、各国の言語に対するSEOを積極的に行うことで、検索ボリュームの多い関連キーワードで検索結果上位表示を獲得することにより国内外におけるECサイトへの集客と予約獲得に努めております。webマーケティング、ユーザビリティ及びコンテンツへ対応することにより、今後の競争力を強化してまいります。

③ 日本文化の体験への誘致

コト事業-観光部門の事業発展には、継続的かつ効果的な周知活動が重要と考えております。

日本国内でも着物を自装する習慣がなくなった現在、イベント時及び観光時に“着物をレンタルして歩く文化体験”をしていただくために、サービスの提供とマーケティングが必要と考えております。当社グループはコト事業もインターネット上のECサイトを主要な集客手段として活用しておりますが、サービスに直結したプランや価格表、店舗アクセス、予約フォームなどの基本的なコンテンツ以外にも、着物や店舗周辺の観光名所に関する知識系コンテンツ、各店舗のお客様の様子や旬のイベントなどの時事系コンテンツが充実したECサイトの構成に注力しております。

また、お客様が身一つで着物を楽しめるよう、着物自体のレンタルはもとより、着付けや荷物のお預かり、ヘアセットや記念写真までワンストップサービスを提供しております。なお、当社グループ運営のECサイトは日本語も含め計12か国語展開で事前予約に対応している他、SNSを積極的に活用して、サービスの認知度向上に向けた活動にも力を入れております。

④ 安定した需要の確保

モノ事業-OEM部門は、キャラクターグッズ業界をはじめとしたコンテンツ産業に高いニーズがあります。ゲームやアニメなどへの消費は、経済変動による影響が大きいため、景気に左右されない安定した需要の創造と確保が大きな課題と考えております。

当社グループには、大手企業のゲームやアニメキャラクターとのコラボ商品の開発及び販売実績が多数ありますが、さらにモノ事業-小売り部門の実店舗やECサイトを通じて得る市場トレンド・消費者ニーズに関する情報や開発のノウハウをOEM部門の提案内容に織り込み、競合他社との差別化を図っております。

また、コト事業経由のアーティストへの衣装協力、出張着付けによる技術協力などを通じ、ポップカルチャー、サブカルチャーとの接点を増やすことで関係強化に努め、収益の獲得につなげてまいります。

 

 

⑤ 新規・周辺領域ビジネスの立上げ

当社グループは設立以来、商材の企画・開発を行い、主に商材ごとのマルチブランド展開戦略で成長を図ってまいりました。当社グループが事業の高い成長と企業価値の向上を継続的にさせていくためには、既存及び新規ブランドの店舗開発を積極的に進めて行くとともに新規・周辺領域ビジネスにチャレンジしていくことが必要であると考えております。

現在、コト事業の観光レンタルにおいては、一定の評価が得られた結果、収益の柱として確立してまいりましたが、より市場規模の大きい冠婚葬祭着物のレンタルを強化することで、更なる事業拡大を目指します。その他事業では、不動産賃貸事業や食肉卸事業などを開始しております。今後もリスク管理体制の整備・運用を徹底した上で、新規及び周辺領域ビジネスの立上げによる収益の多角化を積極的に進めてまいります。

 

(2) 組織運営上の課題

① 人材の採用と育成

当社グループが継続的成長を遂げるためには、各分野に精通した優秀な人材の確保が重要であると考えております。中でも、当社が提供する商品やサービスのテーマとなる「日本のカルチャー」に関連する知識や経験を備えたデザイナーやECサイト運営に係るエンジニアの確保、熟練の着付け師の増員が重要な課題であると認識しており、当該人材の採用に注力してまいります。

入社時には正社員、アルバイトを問わず、全ての社員・スタッフに当社の企業理念や今後の事業についての研修を実施し、全社員・スタッフが統一した意識を持ち業務に当たるよう育成をしております。

② 情報管理体制の強化

当社グループは主要な集客手段としてインターネット上に複数の自社媒体を運営しており、多数の個人情報を有しているため、情報管理が最重要課題であると認識しております。当社においては、厳格な個人情報管理体制を構築しておりますが、今後も、社内規程の厳格な運用、定期的な社内教育の実施、セキュリティシステムの整備等を実施し、情報管理体制の維持及び強化を図ってまいります。また、社内業務の効率化と省力化を図るため、社内情報システムの整備を継続的に行ってまいります。

 

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