本書に記載した、事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。あわせて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要であると当社グループが考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しています。また、本項の記載内容は当社株式の投資に関するすべてのリスクを網羅しているものではありません。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)感染症のリスク
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、外出自粛による客数の減少や消費者の購買意欲の低下により当社グループの業績は影響を受けました。本書提出日現在、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令はないものの、変異ウイルスの拡大・浸透など、引き続き予断を許さない状況が続いております。
このようなコロナ禍において、当社グループは感染症対策として、店舗における除菌・感染防止シートの設置、日々の従業員の体調確認など適切な感染拡大防止対策を実施し、お客様と従業員の安全と健康を最優先としたうえで、営業を継続しております。また、経営資源の配分として、eコマースに注力しておりますが、当社グループは全国に多くの実店舗を展開しており、今後新型コロナウイルス感染症拡大の長期化や再度の緊急事態宣言の発令などは、当社グループの業績に大きく影響を与える可能性があります。
(2)異常気象や災害などによるリスク
当社グループは、春夏秋冬と季節に応じた商品を店頭及びECサイトにおいて販売しており、気象状況による来店客数や購買動向の把握はもとより、季節に応じた商品展開を実現するため、日々の販売状況を管理し、サプライチェーンの協力のもと、商品供給の短納期化や気候状況に応じた商品投入に取り組んでおります。しかしながら、地球温暖化による天候不順や局地的豪雨などの異常気象や地震・台風などの予測できない災害により、来店客数が低下し、さらには休業や営業時間の短縮要請などがあった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)原産国の為替・カントリーリスク
当社グループが販売する商品の大半は、原産国を中国としておりますが、主に繊維専門商社等から円建てで仕入れております。従いまして、為替変動リスクを受けにくい取引形態でありますが、今後において、円安の進行や中国における人件費等がさらに高騰した場合、価格面において中国産の商品を仕入れるメリットが低下することや、ウクライナを侵攻したロシアと中国の関係等、政治的な不安定要素の存在も否めません。今後原価率上昇による収益性の低下を回避するため、また、原産国の政治的要因によるリスクを回避するために、当社グループでは次の取り組みを行ってまいります。
a 東南アジアを原産国とする商品の仕入を視野にいれ、価格、技術力及び品質の安全性等の条件を勘案した上で、新たな生産工場の開拓を行ってまいります。
b 直接貿易による原価の低減化と、為替変動リスクヘッジ、さらには、そのための人材の育成に取り組んでまいります。
(4)のれんの減損について
当社グループは無形固定資産にのれんを計上しており、総資産に占める割合が高くなっております。
2016年10月にエヌジェイホールディングス2株式会社が旧株式会社ナルミヤ・インターナショナルを吸収合併したことにより発生したのれん及び株式会社ハートフィールや株式会社LOVSTの連結子会社化に伴い発生したのれんの合計額は、2022年2月末において2,961百万円であり、当社グループの総資産の20.4%を占めております。のれんは毎期償却しておりますが、減損の兆候があると認められた場合には、減損の認識の要否を検討し、のれんの減損が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)情報システムに関するリスク
当社グループは、業務用基幹システムの運用及びメンテナンスを外部の専門事業者と連携して適切に遂行しておりますが、不測の事態によりコンピュータシステムがダウンした場合、また自然災害や事故等によって通信ネットワークが遮断された場合には、業務の一部が一時的に中断し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。特にECサイトを運営する当社グループにおいては販売機会の損失とECサイトの信頼喪失を招く可能性があります。
当社グループのコンピュータシステムは、外部からの不正アクセスを回避するための適切なセキュリティ対策を講じておりますが、コンピュータウィルスやハッカーの侵入等によりシステム障害が生じ、業務の運営に支障をきたした場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、直営店舗及びeコマースの販売促進活動の一環として、お客様の個人情報を利用しております。個人情報をはじめとする情報管理につきましては、社内規程の整備や社内教育の徹底により、管理体制を整備しておりますが、万一、外部へ個人情報が漏洩した場合には、社会的信用問題や個人への賠償問題等が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(6)有利子負債への依存と財務制限条項について
当連結会計年度末の有利子負債の残高は4,750百万円で、総資産の32.7%にあたります。その内訳は、主にリース債務と長期借入金からなります。
当社グループは、ショッピングセンターやアウトレットモール等への出店時の内装工事費用を、原則として期間を60か月間とするリース契約で賄っており、当連結会計年度末のリース債務残高は932百万円であります。引き続き新規の出店はショッピングセンターブランドを中心に展開し業績の拡大を図ってまいりますが、それに伴いリース債務残高が増加する可能性があります。今後、当社グループの業績が悪化し、リース会社の当社に対する与信限度額が縮小された場合、契約条件の見直しによる利息費用の増加や、債務の支払い等、当社グループの財政状態及び業績に影響が出る可能性があります。
当連結会計年度末の借入金残高は3,818百万円で、そのうち3,350百万円は、株式会社三井住友銀行を主幹事とするシンジケートローン契約によるものであります。今後の金融市場等の動向により、金利が上昇局面となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当該契約には財務制限条項が課せられており、遵守できなかった場合は、貸付人の要請により、期限の利益を喪失し、直ちに借入金を返済しなければならないため、当社グループの財政状態及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。なお、契約の内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」に記載のとおりであります。
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