課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年2月25日)現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針ならびに経営戦略について

当社は、2019年1月に2023年11月期を最終年度とする5ヶ年の中期経営計画を策定し、企業価値の向上並びに株主共同の利益確保・向上に向けて、安定的かつ持続的成長を果たすため様々な施策を実行してまいりました。

2019年以降3年間の主要な経営指標につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により売上高は弱含みで推移してきたものの、営業利益、経常利益、ROEといった主要指標は中計最終年度目標達成に向けていずれも改善傾向にて推移してきました。

しかしながら、当初計画の策定段階では想定していなかった新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う事業環境の大幅な変化等が生じたほか、新規設備投資計画の前倒し実行により先行投資コストの発生等に伴い、当社の経営基盤の面で変化が生じております。

これらの内外の環境変化に的確に対応しながら、さらなる成長を果たすため、5ヶ年の新中期経営計画(2022-2026)を策定することといたしました。

当社グループは、これまで時代の変化やお客さまのニーズの変化に適応しながら、物流サービスを展開してまいりました。特に、永年蓄積してきた3PLのノウハウを駆使して個々のお客さまのニーズにお応えするビジネスモデルは当社の強みとなっております。また、お客さまの物品を単に保管するのみならず、お客さまの物流に関する課題解決に向けて、『物流コンシェルジュ』的な役割を担い、ソリューション提案を引き続き実行してまいります。

当社の経営理念「お客さまに完全な業務を提供する」「社業の発展を通じて市民生活の向上に貢献する」「人間尊重の経営に徹する」を引き続き貫きつつも、時代とともに変化するニーズにお応えすることでお客さまに選ばれる物流カンパニーを目指してまいります。

 

(2) 新型コロナウイルス感染症の影響をふまえた経営環境について

わが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により企業収益の大幅な減少をはじめとして厳しい状況にて推移しております。このような経済情勢にあって、当社グループを取り巻く経営環境にも影響が生じております。まず、物流業界におきましては、入出庫動向が前年を下回る水準にて推移し、競争の激化等もあり、厳しい状況が続いております。また、不動産賃貸業界におきましても、賃料水準や需給関係の動向等に不透明感が広がりつつあります。

 

(3) 優先的に対処すべき課題、基本方針及びその進捗状況について

当社グループは、安定的かつ持続的な成長を実現することにより、企業価値の向上ならびに株主共同の利益の確保・向上を目指すため、以下の基本方針を掲げております。

① 営業力・営業基盤の強化

「外部情報ネットワークの活用」「個々の営業マンの能力向上に向けた人材育成」「物流管理システムの開発」「3PLノウハウの改善」等を通じて営業力・営業基盤の強化を目指してまいります。

② 事業基盤の拡大・強化

物流事業セグメントでは新規倉庫の建設により保管能力の増強が実現されつつあります。また、不動産事業セグメントにおいても新規資産の取得により、当社事業基盤の拡大・強化を目指してまいります。

③ ガバナンスの強化

「強固な財務基盤の維持」を前提としながら、「資本政策」「コンプライアンス体制」等の強化を目指してまいります。

 

基本方針に関する具体的な進捗状況は以下の通りです。

① 営業力・営業基盤の強化

物流事業セグメントにおいて、当社の強みを活かしながら営業展開に努めてきたことにより、新規顧客の開拓が着実に進んでおり、営業基盤が強化されつつあります。この結果、各営業所の稼働率は高水準にて推移しております。不動産事業セグメントにおいては、賃貸マンション・賃貸オフィスビル等が安定的に稼働しており、営業基盤の維持・強化が図られております。また、人事施策面では研修制度の多様化・充実化や継続雇用制度の拡充により、営業力維持が図られております。

② 事業基盤の拡大・強化

物流事業セグメントにおいては、埼玉県所沢市の新規倉庫が竣工したほか、千葉県八街市の文書保管センターを建設中であり、保管能力の増強が実現されつつあります。いずれも将来の物流事業の収益基盤拡大に資する設備計画となります。

③ ガバナンスの強化

利益確保ならびに資本政策の推進等により、財務基盤は向上しております。また、内部監査の定期実施等により、ガバナンス体制の強化が図られております。

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

2019年に策定した新中期経営計画(2019―2023)における具体的な業績目標に関する進捗状況は以下のとおりです。

 

2018年

11月期

実績

 

2019年

11月期

実績

[初年度]

2020年

11月期

実績

[2年目]

2021年

11月期

実績

[3年目]

2023年

11月期

計画

[最終年度]

売上高(百万円)

4,995

5,037

4,918

4,823

5,500

営業利益(百万円)

600

701

773

741

920

経常利益(百万円)

562

658

737

733

900

自己資本比率

57.0%

59.7%

58.0%

56.0%

55.0%

ROE

4.2%

4.7%

4.9%

5.0%

5.5%

 

主要な財務指標のほか、次の非財務項目についても重要な指標として位置付けており、いずれも的確に対応を進めております。

① 各営業所の稼働率向上

② 各営業所の適切な修繕実施による収益力の安定化

③ 資金調達の際の借入金利の固定化による金利上昇リスク抑制

今後、2022年に策定した新中期経営計画(2022―2026)の具体的施策を着実に推進することにより、最終年度目標の達成に向けて努めてまいります。

 

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