当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
尚、当社グループは、当連結会計年度より「収益認識に関する会計基準」及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(以下、「収益認識会計基準等」という)を適用したことに伴い、当連結会計年度における売上高及び売上原価は、前年同期と比較して大きく減少しております。そのため、以下の経営成績に関する説明は、売上高及び売上原価については増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下コロナ感染)の感染拡大の影響により、様々な社会活動が制限され、足元ではワクチンの効果はあるものの感染者数が高止まりし収束の見通しは立っておらず、製造業の一部では回復の動きが顕在化しましたが、引き続き厳しい状況が続いています。また、コロナ感染症に端を発した物流網の混乱や資源・穀物価格の高騰に伴う物価上昇に加え、為替・金融市場の変動など、経済活動における先行きの不透明感が再び強まっています。海外では、欧米先進国を中心に景気回復の兆しも見られましたが、中国を含めた世界各国で蔓延しているコロナ感染症の影響に加え、ロシアのウクライナ侵攻による資源・エネルギー分野での世界経済への影響が金融・為替政策の変化も相まって、結果原材料価格の高騰、円安等で回復途上のわが国の景気が下振れするリスクに引き続き留意していく状況にあります。またこれらの影響が、日本の産業構造全体に急速な変化を促しており、各業界・企業の対応力が問われています。
このような情勢のもと、当社グループは、競争力のある事業基盤を形成し、全てのステークホルダーへの貢献を継続して達成するため、第2次中期計画(2020年度~2022年度)に基づき、中長期的な視点に立った各種施策の検討を進めてまいりました。
上記の事業活動を踏まえ、当連結会計年度の売上高は、4,198百万円(前連結会計年度は4,507百万円)となりました。
売上原価は、設備修理費などの増加により3,633百万円(前連結会計年度は3,957百万円)となりました。また、販売費及び一般管理費につきましては、前年並みの456百万円(前連結会計年度は458百万円)となりました。
以上により、当連結会計年度の営業利益は108百万円となり、前連結会計年度に比べ17百万円、18.6%の増益となりました。経常利益は、受取配当金や固定資産税還付金などの営業外収益を得たことなどから217百万円となり、前連結会計年度に比べ45百万円、26.5%の増益となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前年同期に計上した特別利益(損害保険金)がなくなったため、前連結会計年度に比べ12百万円、6.5%減少し、177百万円となりました。
セグメントごとの営業成績は、次のとおりであります。
大型クレーンを使用する荷役業務は、石炭、イルメナイト、コークスなどの主力貨物の取扱数量が増加したことなどにより、総荷役数量は353万トンと、前連結会計年度に比べ11.2%増加し、荷役業務の売上高は1,017百万円(前連結会計年度は900百万円)となりました。
海上運送業務につきましては、一部トランシップ業務が減少したため、売上高は595百万円(前連結会計年度は603百万円)となりました。
保管業務につきましては、倉庫、野積保管業務ともに取扱数量が増加した結果、売上高は339百万円(前連結会計年度は322百万円)となりました。
その他業務につきましては、不振であった子会社の陸上運送の売上が底をうち景気回復の兆しが見えてきたことに加え荷役作業に付随する雑作業などが増加したことから、売上高は664百万円(前連結会計年度は589百万円)となりました。
以上により、ばら貨物セグメントの売上高は2,617百万円(前連結会計年度は2,416百万円)となりました。ばら貨物セグメントの営業利益は66百万円となり、前連結会計年度に比べ53百万円、407.3%の増益となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用による減収影響は2百万円となります。
石油類につきましては、重油系の荷動きが前連結会計年度に比べ好調であったことから、石油類全体の取扱数量は増加しました。また、年度に亘り安定したタンク運営を継続できたことから、比較的高稼働率を維持しました。この結果、売上高は770百万円(前連結会計年度は718百万円)となりました。
化学品類につきましては、新規貨物のタンクが稼働したことなどが貢献し、売上高は337百万円(前連結会計年度は323百万円)となりました。
以上により、液体貨物セグメントの売上高は1,107百万円(前連結会計年度は1,042百万円)となりました。液体貨物セグメントの営業利益は、増収に伴い336百万円となり、前連結会計年度に比べ27百万円、8.8%の増益となりました。
物流倉庫については、収益認識会計基準等を適用した影響や、コロナ感染症等の影響により冷蔵倉庫が扱う水産品などの取扱数量が減少したことなどにより、物流倉庫セグメントの売上高は452百万円(前連結会計年度は1,027百万円)となりました。物流倉庫セグメントの営業利益は19百万円となり、前連結会計年度に比べ61百万円、76.2%の減益となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用による減収影響は436百万円となります。
売電事業によるその他セグメントの売上高は20百万円となり、前連結会計年度並みとなりました。セグメントの営業利益は前連結会計年度並みの7百万円となりました。
当連結会計年度末の総資産は7,576百万円となり、前連結会計年度に比べて425百万円増加しました。これは現金及び預金が増加したほか、保有する株式の時価の上昇等により投資有価証券が増加したことによるものです。
負債合計につきましては、約定返済により長期借入金が減少しましたが、新たな倉庫建設に係る建設協力金を受入れたことや、投資有価証券の時価の上昇に伴い繰延税金負債が増加したことなどにより、前連結会計年度末より106百万円増加し、2,948百万円となりました。
純資産合計につきましては、その他有価証券評価差額金および利益剰余金が増加したことなどにより前連結会計年度末から318百万円増加し、4,627百万円となりました。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は1,542百万円となり、前連結会計年度末に比べて210百万円増加しました。各キャッシュ・フロー別の状況及びそれらの要因は以下の通りです。
営業活動によるキャッシュ・フローでは、387百万円の資金増加(前連結会計年度は557百万円の資金増加)となりました。これは税金等調整前当期純利益を196百万円、減価償却費を253百万円計上したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローでは有価証券の償還による収入が30百万円あったものの、有形固定資産の取得による支出を258百万円行ったことや投資有価証券の取得による支出が100百万円あったことなどから262百万円の資金減少(前連結会計年度は563百万円の資金減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、長期借入金の返済による支出が258百万円ありましたが、長期借入金の借入による収入200百万円や倉庫建設に係る受入建設協力金(財務活動によるキャッシュ・フローその他)200百万円などにより、85百万円の資金増加(前連結会計年度は8百万円の資金減少)となりました。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引はありません。
2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る売上金額については、当該会計基準等を適用した後の数値となっており、対前年同期比は記載しておりません。
3 主な相手先別の売上実績及び総売上実績に対する割合は、次の通りであります。
品目別取扱数量
(注) ばら貨物セグメントの保管数量の内訳は以下の通りであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
(売上高)
ばら貨物セグメントでは、石炭やイルメナイトなどの主力貨物の取扱数量が増加したことなどにより、売上高は2,617百万円となり、前連結会計年度に比べ201百万円、8.3%の増収となりました。
液体貨物セグメントでは、新型コロナウイルス感染症の影響は軽微で、重油系の貨物を中心に荷動きが好調であったことから、取扱数量は増加しました。また、新規貨物のタンクが稼働したことにより、タンク稼働率は、比較的高水準を維持しました。この結果、売上高は1,107百万円となり、前連結会計年度に比べ65百万円、6.3%の増収となりました。
物流倉庫セグメントでは、収益認識会計基準等を適用した影響や、コロナ感染症等の影響により冷蔵倉庫が扱う水産品などの取扱数量が減少したことなどにより、売上高は452百万円となり、前連結会計年度に比べ574百万円、55.9%の減収となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用による減収影響は436百万円となります。
売電事業のその他セグメントの売上高は20百万円となり、前連結会計年度並みとなりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は4,198百万円となり、前連結会計年度に比べ308百万円、6.8%の減収となりました。
なお、売上高の分析につきましては、「第2『事業の状況』 3『経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析』 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」の項目もご参照下さい。
売上原価につきましては、作業外注費である荷役関係諸払費が売上の増加に伴い増加しましたが、収益認識会計基準等の適用により前連結会計年度比383百万円減少し、1,667百万円となりました。修理維持費は前連結会計年度に比べ8百万円増の293百万円となりました。また、積極的に人材投資などを行ったことにより、人件費や諸経費は増加しました。これらの結果、売上原価は前連結会計年度と比べて323百万円減の3,633百万円となり、売上高に対する割合は86.5%(前連結会計年度は87.8%)となりました。
販売費及び一般管理費は、ほぼ前連結会計年度並みの456百万円となりました。売上高に対する割合は10.9%(前連結会計年度は10.2%)となりました。
以上の結果、営業利益は108百万円となり、前連結会計年度に比べ17百万円、18.6%の増益となりました。売上高に対する割合は2.6%(前連結会計年度は2.0%)となりました。
営業外収益は固定資産税還付金を収受したことなどにより、前連結会計年度に比べ25百万円増の130百万円となりました。営業外費用については、不稼働タンクに係る費用が減少したことにより、前連結会計年度に比べ3百万円減の21百万円となりました。
以上の結果、経常利益は217百万円となり、前連結会計年度に比べ45百万円、26.5%の増益となりました。売上高に対する割合は5.2%(前連結会計年度は3.8%)となりました。
特別利益として、投資有価証券売却益など、2百万円を計上しました。特別損失として、固定資産除売却損23百万円を計上しました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は177百万円となり、前連結会計年度に比べ12百万円、6.5%の減益となりました。売上高に対する割合は4.2%(前連結会計年度は4.2%)となりました。
財政状態の分析
当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「第2『事業の状況』 3『経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析』 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」の項目に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2『事業の状況』 2『事業等のリスク』」に記載のとおりであります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
ばら貨物セグメントの資産は1,298百万円となり、前連結会計年度末に比べて129百万円増加しました。これは、クレーンの一部更新投資等を行ったことにより、有形固定資産が増加したことなどによるものです。
液体貨物セグメントの資産は888百万円となり、前連結会計年度に比べて10百万円増加しました。これは、営業収入の増加により、売掛金が増加したことなどによるものです。
物流倉庫セグメントの資産は、減価償却等により、前連結会計年度末に比べて164百万円減少の1,190百万円となりました。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2『事業の状況』 3『経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析』 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2『事業の状況』 3『経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析』 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループの運転資金需要の主なものは、荷役関係諸払費や借地料、修理費などの営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資であります。また、株主還元については、安定的な配当を継続することを基本方針とし、経営の安定性と財務体質の維持・強化を重視する観点から、内部留保の水準と利益の見通しを考慮して実施してまいります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
尚、手許資金の流動性を高めるために、4金融機関と総額850百万円の当座貸越枠を設定しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産)
繰延税金資産については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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