業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

  当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー (以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

 

前連結会計年度
(自 2020年1月1日
  至 2020年12月31日

当連結会計年度
(自 2021年1月1日
  至 2021年12月31日

増減額(増減率)

売上高(千円)

12,277,542

17,000,529

4,722,987

(38.5%)

営業利益(千円)

1,496,619

2,803,983

1,307,364

(87.4%)

経常利益(千円)

1,450,314

2,720,187

1,269,872

(87.6%)

親会社株主に帰属する
当期純利益(千円)

1,029,694

1,919,981

890,287

(86.5%)

保有基数(12月末時点)

8,482本

9,701本

1,219本

(14.4%)

稼働率(12ヶ月平均)

71.1%

77.0%

5.9%

 

 

当連結会計年度におけるわが国経済は、資源価格が高騰するなか海外需要の強さや供給制約の緩和に下支えされて製造業における企業の景況感の改善傾向が続いており、鉱工業生産指数が大幅に上昇するなど生産活動は急回復をしています。しかしながら、部品の供給制約が緩和した自動車の増産を背景に年後半にかけて輸出は大幅に回復したものの、それまでの売上の落ち込みをカバーするには至らず輸送企業の収益は大幅な減少となりました。

世界経済に目を向けますと、米国では、自動車・部品、航空機、食品等を中心に製造業の生産が復調しており、設備投資も堅調に推移しております。ユーロ圏においても同様に輸送機械の復調を受けて製造業の生産は増加しており、製造業PMIのサプライヤー納期指数も12月にかけて2カ月連続で大きく上昇しました。中国では、新興国向けには産業用機械や化学製品を中心に輸出が増加しており、ユーロ圏向けでは電気機器や産業用機械の輸出が好調でした。一方、米国向け輸出は、クリスマス商戦の需要が一巡したことにより繊維・玩具や電気機器を中心に増勢がやや鈍化しました。

このように環境が目まぐるしく変化するなか、本社、支店、海外現地法人が一丸となって営業活動を推進した結果、新規顧客を開拓して新たな取引を受注するなど取扱本数を世界規模で大幅に伸ばしております。またコンテナ船の需給逼迫により高騰する海上運賃やコンテナヤードの混雑に伴う運航スケジュールの変更・遅延に対しても船会社と積極的な交渉をしながら顧客ニーズに即応した営業体制を確立して評価を得ることができました。更に、国内取引においても、当社の国内支店網を活かしたビジネスを推進することにより、国内輸送等売上も前期を大きく上回ることになりました。加えて、当社事業のもう一つの柱であるガスタンクコンテナビジネスにおいても、世界規模での営業活動を継続することにより通期の売上高を665百万円(前期は497百万円)に伸ばしております。

この結果、当連結会計年度における売上高は前期を 4,722 百万円上回り、過去最高の 17,000 百万円(前期比 38.5%増 )を達成いたしました。費用に関しては、お客様の旺盛な輸送ニーズに積極的に応えるためにタンクコンテナを1,200基以上購入した結果、保有基数が大幅に増加(前期比14.4%増)したことやコンテナ船の積載スペース逼迫等により、減価償却費やタンクコンテナリース料、海上運賃等の売上原価は 3,281 百万円増加(前期比 35.0%増 )して 12,652 百万円となりました。また、販売費及び一般管理費も 1,544 百万円と前期比 9.5% 増えております。一方、収益は売上げの伸びを上回って増加し、営業利益は 2,803 百万円(前期比 87.4%増 )、経常利益は 2,720 百万円(前期比 87.6%増 )といずれも過去最高を記録しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて2,004百万円増加し、3,435百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とこれに係る要因は次のとおりであります。

a. 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果得られた資金は、2,546百万円(前期は2,241百万円の収入)となりました。主な資金の増加要因は、税金等調整前当期純利益2,701百万円、減価償却費1,328百万円、仕入債務の増加額346百万円であり、売上債権の増加額934百万円、その他の営業活動による増加額561百万円、法人税等の支払額348百万円が主な減少要因です。

 

b. 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果得られた資金は、628百万円(前期は3,494百万円の支出)となりました。主な増加要因は定期預金の純減額855百万円であり、主な減少要因は有形固定資産の取得による支出191百万円とその他の投資活動による支出22百万円です。

c. 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果支出した資金は、1,253百万円(前期は1,425百万円の支出)となりました。主な資金の増加要因は長期借入れによる収入560百万円であり、主な資金の減少要因は、短期借入金の純減額80百万円、長期借入金の返済による支出685百万円、リース債務の返済による支出634百万円、及び配当金の支払額414百万円です。

 

 ③ 生産、受注及び販売の状況

  a. 生産実績

該当事項はありません。

 

  b. 受注実績

該当事項はありません。

 

  c. 仕入実績

仕入内容は、主に海上及び陸上運送費用、作業料、倉庫料などの外注費であります。仕入金額は、連結損益計算書の売上原価に相当する金額であります。

当連結会計年度における仕入実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2021年1月1日

至  2021年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

国際複合一貫輸送事業

12,652,089

135.0

合  計

12,652,089

135.0

 

(注) 1  当社及び連結子会社の事業は、タンクコンテナを使用した国際複合一貫輸送及び附帯業務の単一事業であります。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

  d. 販売実績

当連結会計年度における輸送形態別の販売実績は次のとおりであります。

輸  送  形  態  別

当連結会計年度

(自  2021年1月1日

至  2021年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

輸出売上

7,419,815

167.7

輸入売上

4,645,960

126.4

三国間売上

737,557

116.8

国内輸送等売上

3,743,748

118.9

その他

453,447

113.9

合  計

17,000,529

138.5

 

(注) 1  「輸出売上」「輸入売上」「三国間売上」「国内輸送等売上」「その他」は、輸送経路による区分であります。

     2  国内輸送等売上には、国内輸送に加え保管及び加温に関するサービスも含まれております。

     3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2021年1月1日

至  2021年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

国際複合一貫輸送事業

17,000,529

138.5

合  計

17,000,529

138.5

 

(注) 1  当社及び連結子会社の事業は、タンクコンテナを使用した国際複合一貫輸送及び附帯業務の単一事業であります。

2  主な相手先別の販売実績については、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

なお、新型コロナウイルス感染拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 追加情報」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1) 経営成績等

 a. 売上高の分析

新型コロナウイルス感染症の拡大は続いているものの、本社、支店、海外現地法人が一丸となって営業活動を推進したことにより既存顧客との取引が増えたうえ、新規顧客の開拓も進んだことから、2021年を通じて輸送取扱本数は大幅に増加しました。また、コンテナヤードの混雑に伴うコンテナ船の運航スケジュールの遅延・変更や積載スペースの逼迫による海上運賃の高騰に対しても適宜適切な対応をしたことから、当連結会計年度における売上高は17,000百万円(前期は12,277百万円、前期比38.5%増)となり、過去最高を記録しました。

 b. 費用・利益の分析

更なる事業の拡大を展望してタンクコンテナ保有基数を大幅に増やしたうえ海上運賃が高騰したことから売上原価は大幅に増加しましたが、販売費及び一般管理費の増加を抑制したうえ、国内拠点網を活用した利益率の高い加温・保管業務が伸長したことから、営業利益は2,803百万円(前期は1,496百万円、前期比87.4%増)となり、経常利益は2,720百万円(前期は1,450百万円、前期比87.6%増)となるなど、いずれも過去最高益を計上しました。

なお、特別損益におきましては、経営成績に大きな影響を与えるものは発生しておりません。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,919百万円(前期は1,029百万円、前期比86.5%増)となりました。

 

2) 財政状態及びキャッシュ・フローの状況

 a. 財政状況の分析

流動資産は、前連結会計年度末に比べ2,898百万円増加42.6%増)し、9,707百万円となりました。現金及び預金が1,155百万円、売掛金が998百万円増加したことが主な要因です。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ457百万円増加3.7%増)し、12,657百万円となりました。建物及び構築物(純額)が116百万円、機械装置及び運搬具(純額)が59百万円、無形固定資産が34百万円減少したものの、タンクコンテナ(純額)が582百万円、建設仮勘定が39百万円、投資その他の資産が53百万円増加したことが主な要因です。

この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ3,355百万円増加17.7%増)し、22,364百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べ715百万円増加24.2%増)し、3,677百万円となりました。短期借入金が80百万円、1年内返済予定の長期借入金が249百万円減少したものの、買掛金が384百万円、リース債務が82百万円、未払法人税等が473百万円、その他流動負債が98百万円増加したことが主な要因です。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ945百万円増加20.4%増)し、5,586百万円となりました。長期借入金が124百万円、リース債務が818百万円増加したことが主な要因です。

純資産は、前連結会計年度末に比べ1,694百万円増加14.9%増)し、13,099百万円となりました。利益剰余金が1,503百万円、為替換算調整勘定が190百万円増加したことが主な要因です。

 

 b. キャッシュ・フローの分析

「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照ください。

 

 (当社グループの資本の財源及び資金の流動性について)

当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、売上の伸びに伴う海上運賃等の売上原価の増加や人件費の増加等であります。また、設備投資資金需要の主なものとしては、タンクコンテナ保有基数の増加や支店設備の増強があります。

当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入及びファイナンス・リース等により資金調達を行っており、自己資本比率等の財務健全性指標を注視しながら選択をしていきます。また、米ドル建ての債務については、海外子会社の米ドル建ての余剰資金を活用することにより資金効率の向上と為替相場の変動による影響を減少させる努力をしております。

なお、当連結会計年度末の有利子負債は、6,638百万円となりました。資金調達コストの低減に努める一方、設備投資に対応する借入については、政府系金融機関の制度融資も利用して長期資金の調達を行うことにより年間返済額を低く抑えるほか、金利変動リスクを避けるため固定金利で調達しております。

 

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