(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況が徐々に緩和される中で、持ち直しの動きがみられますが、感染力の強いオミクロン株の出現もあり、国際的な人の往来は依然として制限されております。
このような経済環境の中、当社グループは、引き続き日本国内におけるグローバルWiFi事業、情報通信サービス事業に注力してまいりました。
その結果、当連結会計年度における売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、いずれも前年実績を上回る結果となっております。
セグメント別の経営成績は、次のとおりです。
(グローバルWiFi事業)
当連結会計年度においては、コロナ禍におけるテレワークの環境整備を背景とした通信需要が継続する中、引っ越し、出張、各種イベント等の様々なシーンにおけるニーズに応えてまいりました。
それとともに、国内利用プランのオプションを設けた社内常備型モバイルWi-Fiルーター「グローバルWiFi for Biz」、高速Wi-Fiルーター「Vision WiMAX」の拡販に努め、世界120ヶ国で利用可能なeSIMサービス「ワールドeSIM」の提供を開始いたしました。
また、空港検疫所における日本入国時の水際対策の一環として、指定アプリの登録・確認業務を一時的に受託し、2021年4月より本格的に実施しております。
更に、ウィズコロナにおいて不可欠なインフラサービスとして、新宿PCRセンター東口店をオープンし、利便性の高いPCR検査サービスの提供を開始いたしました。
これらの取り組みにより、当連結会計年度における売上高、セグメント利益はともに前年実績を上回っております。
(情報通信サービス事業)
当事業においては、ウィズコロナ、アフターコロナ時代に対応し、かつ景気に左右されずに需要が見込める経費削減、業務効率改善、リモートワーク支援に貢献できるサービスを展開しております。
新設法人・ベンチャー企業をターゲットとした川上戦略と、企業の成長ステージに応じたアップセル・クロスセルを軸とし、ストックの増加と高効率な営業活動を推進することで安定性と収益性の向上に取り組んでおります。
当連結会計年度においては、リモート環境を支援する移動体通信機器の需要が大きく、売れ行きが好調でしたが、電力小売価格の高騰に伴い新電力取次事業における手数料売上が減少することとなりました。
更に、将来を見据え、営業コストは一時的に増加するものの継続的な収益が見込める月額制自社サービスの拡販に努めてまいりました。
これらの結果、売上高、セグメント利益はいずれも前年実績を下回りました。
(資産)
資産合計は、14,932百万円(前連結会計年度末比3,619百万円増)となりました。
流動資産は、10,748百万円(前連結会計年度末比1,876百万円増)となり、その主な要因は、現金及び預金が952百万円、受取手形及び売掛金が754百万円それぞれ増加したことによるものです。
固定資産は、4,183百万円(前連結会計年度末比1,742百万円増)となり、その主な要因は、株式会社あどばるを子会社化したことにより、のれんが1,297百万円、差入保証金が245百万円の増加、また長期貸付金が294百万円増加したことによるものです。
(負債)
負債合計は、4,809百万円(前連結会計年度末比2,266百万円増)となりました。
流動負債は、3,880百万円(前連結会計年度末比1,372百万円増)となり、その主な要因は、支払手形及び買掛金が197百万円、未払金が590百万円、未払法人税等が123百万円、賞与引当金が147百万円それぞれ増加したことによるものです。
固定負債は、929百万円(前連結会計年度末比893百万円増)となり、その主な要因は、株式会社あどばるを子会社化したことにより、長期借入金が733百万円増加したことによるものです。
(純資産)
純資産は、10,122百万円(前連結会計年度末比1,353百万円増)となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が729百万円、株式交付に伴う自己株式の処分により553百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ952百万円増加し、7,631百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、1,412百万円(前連結会計年度は395百万円の資金の減少)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益1,131百万円の計上、仕入債務196百万円、未払金491百万円の増加があった一方で、売上債権706百万円の増加があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、554百万円(前連結会計年度は375百万円の資金の減少)となりました。これは主として、有形固定資産の取得により187百万円、長期貸付けにより300百万円の支出があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は、30百万円(前連結会計年度は1,035百万円の資金の減少)となりました。これは主として、ストック・オプションの行使により47百万円の収入があったことによるものです。
該当事項はありません。
仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
受注から販売までの期間が短期間のため、記載を省略しております。
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については相殺消去しております。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載したとおりです。
当社グループは本業である営業活動における収益性を重要視していることから、営業利益を目標に掲げております。
変異株を含む新型コロナウイルス感染症拡大の影響で国際間の人の往来は依然として制限されている状況の中、国内におけるニューノーマル時代に即した需要が堅調に推移し、2021年8月10日に公表した通期業績予想を上回る結果となりました。
これらの結果、資産、負債、純資産はそれぞれ前連結会計年度比で増加しております。
またM&Aの影響で前連結会計年度を下回ったものの、当座比率252.2%(前連結会計年度末322.2%)、自己資本比率67.7%(前連結会計年度末77.3%)と財務健全性を確保しております。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載した取り組みの結果、次のとおりとなっております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、グローバルWiFiの通信仕入やデバイスの購入費、販売費及び一般管理費等の営業費用に加え、新規事業の開発コストによるものであります。これらの資金需要につきましては、自己資金により賄うことを基本方針としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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