業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により緊急事態宣言が延長され、個人消費の低迷や経済活動が抑制される等、厳しい状況が続いておりましたが、ワクチン接種の普及等に伴い感染者数が減少し始め、9月末には緊急事態宣言が解除される等、経済活動に正常化の兆しが見られました。しかしながら、年末にかけて感染力が強いオミクロン株により感染が再拡大する等、経済の先行きは不透明な状況が続いております。

当社グループの主な事業領域であります携帯電話等販売市場は、政府による携帯電話料金の値下げ要請に対し、大手通信事業者各社が通信料金の値下げの実施やオンライン専用の料金プランを開始する等、通信事業者間の価格競争が激化しております。

このような事業環境において、当社グループが運営するキャリアショップは、各通信事業者の方針に基づき、店頭における新型コロナウイルスの感染防止対策の徹底や販売スタッフへの定期的な唾液PCR検査の実施等により、お客様・販売スタッフともに安心できる店舗運営に努めました。また、価格競争が激化したことにより、料金プランの問い合わせ等による来店客数が増加し、携帯電話等の販売件数は前連結会計年度と比較して増加しました。当社グループでは、お客様の利用状況に合わせた料金プランをご案内するとともに、「3G」サービスから「4G・5G」サービスへの移行促進、「5G」対応スマートフォンの販売、並びに光回線、電気、ガス、キャッシュレス決済、さらにお客様からのご要望が多かった電話帳等のデータ移行や保護フィルム貼り等を有償で提供するサービスを開始する等、多様なサービスの提供に注力しました。その結果、売上高及び売上総利益は前連結会計年度と比較して増加しました。

販売費及び一般管理費につきましては、来店客数の増加に伴う残業時間の増加や店舗数の増加等により、人件費、地代家賃、販売促進費等を中心に前連結会計年度と比較して増加しました。

以上の結果、当連結会計年度における業績は、売上高107,281百万円(前連結会計年度比8.5%増)、営業利益4,677百万円(同7.4%減)、経常利益4,646百万円(同13.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益3,277百万円(同9.5%減)となりました。

 

[ご参考:キャリアショップ数]

 当社グループが運営するキャリアショップ数は、2021年12月末時点で367店舗となりました。

(2021年12月末時点)

 

直営店

フランチャイズ

ソフトバンクショップ

248

53

301

ドコモショップ

8

-

8

auショップ

7

-

7

ワイモバイルショップ

40

11

51

合計

303

64

367

   ※2020年12月末時点から直営店は5店舗増加、フランチャイズは1店舗減少しております。

 

②財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて3,005百万円減少し43,366百万円(前連結会計年度末46,371百万円)となりました。これは主に、商品が679百万円増加した一方で、現金及び預金が3,711百万円減少したことによるものであります。

(負債)

当連結会計年度末における負債につきましては、前連結会計年度末に比べて5,114百万円減少し14,595百万円(前連結会計年度末19,710百万円)となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が5,014百万円減少したことによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて2,109百万円増加し28,771百万円(前連結会計年度末26,661百万円)となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加3,277百万円、その他有価証券評価差額金の減少32百万円、前連結会計年度決算に係る期末配当及び当連結会計年度の中間配当の実施による利益剰余金の減少1,135百万円によるものであります。

この結果、自己資本比率は66.3%(前連結会計年度末57.5%)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末(22,042百万円)と比べて3,711百万円減少し、18,331百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、増加した資金は3,673百万円(前年同期は2,425百万円の資金の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上4,673百万円、減価償却費343百万円、売上債権の減少による収入506百万円等による増加要因があった一方で、法人税等の支払額2,039百万円等の減少要因があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、減少した資金は1,250百万円(前年同期は818百万円の資金の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出411百万円、敷金の差入による支出304百万円、事業譲受による支出472百万円等の減少要因があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、減少した資金は6,134百万円(前年同期は910百万円の資金の減少)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出5,014百万円、配当金の支払額1,134百万円等の減少要因があったことによるものであります。

 

(2)仕入及び販売の実績

 当連結会計年度における仕入及び販売の実績は次のとおりであります。

 なお、当社グループは情報通信機器販売サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

①仕入実績

    当連結会計年度の商品仕入実績は、次のとおりであります。

事業部門の名称

当連結会計年度

自 2021年1月1日

至 2021年12月31日

前年同期比

情報通信機器販売サービス事業

77,576百万円

10.0%

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

②販売実績

    当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。

事業部門の名称

品目

当連結会計年度

自 2021年1月1日

至 2021年12月31日

前年同期比

情報通信機器販売サービス事業

商品売上高

69,039百万円

10.5%

受取手数料

38,242百万円

5.2%

合計

107,281百万円

8.5%

(注)1.最近2連結会計年度の主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

自 2020年1月1日

至 2020年12月31日

当連結会計年度

自 2021年1月1日

至 2021年12月31日

金額

割合

金額

割合

ソフトバンク株式会社

32,766百万円

33.1%

34,472百万円

32.1%

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
 なお、会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症の影響に関して、現時点で影響は軽微であり、当連結会計年度において会計上の見積りを行った結果、当連結会計年度における連結財務諸表に与える影響、及び翌連結会計年度における連結財務諸表に与える影響は軽微なものと判断しております。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは次のとおりであります。

イ. 固定資産の減損

当社グループは、キャッシュ・フローを生み出す最小単位として継続的に収支の把握を行っている管理会計上の区分に基づき資産のグルーピングを行っております。このうち減損の兆候がある資産グループについて、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、将来キャッシュ・フローの見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる場合があります。

ロ. 関係会社に対する融資の評価

当社グループが有する長期貸付金には、非連結子会社である関係会社に対する融資が含まれております。当該関係会社に対する融資の評価については、事業計画をもとに融資の回収可能性を検討しておりますが、将来の予測不能な事業環境の著しい悪化等により見積りに用いた仮定が変化し、当該関係会社の経営成績及び財政状態がさらに悪化した場合、追加の損失が発生する可能性があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ. 財政状態

「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しております。

ロ. 経営成績

「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。

ハ. 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。

ニ. キャッシュ・フローの状況並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

資本の財源及び資金の流動性につきましては、当社グループの資金需要の主なものは、携帯電話端末等の仕入並びに販売費及び一般管理費の営業費用の他、店舗等の設備投資であります。これらの資金需要に対する資金財源は、自己資金により十分な流動性を確保しているものと考えております。

 

ホ. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 2021年12月期における当社グループの重要な経営指標の達成状況は次のとおりであります。

 

2021年12月期

計画

(百万円)

2021年12月期

実績

(百万円)

達成率

2020年12月期

実績

(百万円)

前期比

売上高

89,000

107,281

120.5%

98,843

8.5%

営業利益

4,500

4,677

103.9%

5,052

△7.4%

経常利益

4,500

4,646

103.2%

5,348

△13.1%

親会社株主に帰属する
当期純利益

2,900

3,277

113.0%

3,620

△9.5%

連結配当性向

30%

30%

30%

(注)1.2021年12月期の計画は、2021年2月10日に公表した数値を記載しております。

 2.上記経営指標の利用理由につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しております。

 

 2021年12月期の連結配当性向を除く各指標が計画値を上回った要因は、携帯電話の料金の見直しを検討されるお客様の来店が増加し携帯電話等販売件数が計画値を上回ったことによるものであります。なお、2021年12月期の連結配当性向につきましては、中期定性目標どおりであります。

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