業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。

「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。なお、詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っております。なお詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」をご参照下さい。以下の前年同期比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分にて組み替えた数値で比較分析をしております。

(1)経営成績等の概況

①当期の経営成績の概況

(単位:百万円)

 

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主に帰属する当期純利益

1株当たり当期純利益(円、銭)

当連結会計年度

10,624

1,652

1,604

1,073

52.60

前連結会計年度

8,491

1,559

1,543

1,019

50.11

前年同期間増減率(%)

25.1

6.0

3.9

5.3

5.0

 

 当連結会計年度(2021年7月1日から2022年6月30日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言やまん延防止措置が2021年9月末で解除されたものの、変異株の出現により2022年1月から3月まで再度のまん延防止措置が発令され、3月で解除されたものの4月以降も感染者の拡大が続いております。また、国際情勢の不安定化や円安の進行など、今後の国内外の感染症の動向や景気変動についても引き続き注視が必要な状況となっております。

 

 このような状況下で当社グループは、主力のホームユース事業の堅調さを維持するとともに人流回復効果等によるビジネスユース事業の伸長に努めてまいりました。

 また、新世代SDGsエコロジーマンションであるReunir Graciasu川口が2022年3月に完成いたしました。太陽光発電及び蓄電設備、BCPに対応した衛星通信Wi-Fi、エントランス及びエレベーター前に顔認証システムを設置した非接触型IoT完備の新世代型高性能住宅であり、再生可能エネルギー(電力)のトライアルなどを今後進めてまいります。

 

 (事業セグメント)

 ホームユース事業におきましては、前年から引き続きサービス提供戸数が堅調に増加しているとともに、ネットワークカメラ等の付加価値サービスの提供に努めてまいりました。一方で、世界的な半導体不足や円安による機器の製造コストの増加、通信量増加に伴う回線利用コスト増加に加え、人員増加により人件費も増加傾向にあります。

 以上の結果、セグメント売上高8,141百万円(前年同期比15.2%増)、セグメント利益2,318百万円(前年同期比23.9%増)と増収増益になりました。なお、収益認識会計基準の適用により、売上高は143百万円、セグメント利益は143百万円増加しております。

 

 ビジネスユース事業におきましては、新型コロナウイルス感染症による影響により、飲食店向けの通信サービスの需要等に回復の兆しは見られたものの、再度の感染拡大により依然として厳しい状況にあります。一方で医療施設向けのWi-FiサービスやBCP対応の衛星通信Wi-Fiサービス等の新規サービスを展開しております。また、ホームユース事業と同様に世界的な半導体不足、円安や通信量増加によるコスト増加及び人員の増加による人件費の増加は避けられず、利益率は減少傾向にあります。

 以上の結果、売上高1,244百万円(前年同期比8.1%減)、セグメント利益235百万円(前年同期比46.7%減)と減収減益になりました。なお、収益認識会計基準の適用により、売上高は11百万円、セグメント利益は11百万円増加しております。

 

 不動産事業におきましては、2022年4月に新たにグループ会社となった株式会社TMアセットによる不動産売買が業績に寄与した他、株式会社FGスマートアセットにおける不動産賃貸及び不動産売買が堅調に推移いたしました。

 以上の結果、売上高1,238百万円(前年同期は70百万円)、セグメント利益59百万円(前年同期は6百万円)と増収増益になりました。なお、収益認識会計基準の適用による影響はありません。

 

 その他事業におきましては、2021年7月1日に設立した連結子会社である株式会社オフグリッドラボの研究開発費の計上が主であります。

 以上の結果、売上高は0百万円、セグメント利益は△7百万円となりました。なお、収益認識会計基準の適用による影響はありません。

 

 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高10,624百万円(前年同期比25.1%増)、営業利益1,652百万円(前年同期比6.0%増)、経常利益1,604百万円(前年同期比3.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,073百万円(前年同期比5.3%増)となり、売上高及び各利益において過去最高値を更新することができました。なお、収益認識基準の適用により、売上高は155百万円、営業利益・経常利益は155百万円増加しております。

 

②当期の財政状態の概況

 

 

 

前連結会計年度末

当連結会計年度末

増減率(%)

総資産

(百万円)

9,397

13,087

39.3

純資産

(百万円)

3,677

3,279

△10.8

自己資本比率

(%)

39.13

25.06

△36.0

1株当たり純資産額

(円)

180.40

160.74

△10.9

借入金の残高

(百万円)

4,236

6,500

53.5

社債の残高

(百万円)

210

150

△28.6

 

(資産)

 当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度末比3,689百万円増加の13,087百万円となりました。これは流動資産が2,108百万円増加し、固定資産が1,582百万円増加したこと等によるものであります。

 流動資産の増加は、現金及び預金が107百万円、売掛金140百万円、契約資産が197百万円、商品が343百万円及び販売用不動産が1,370百万円増加したことによるものであります。固定資産の増加は、建物が229百万円、当社通信サービス提供用の通信設備が707百万円、のれんが102百万円及び繰延税金資産が445百万円増加したことによるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末比4,087百万円増加の9,808百万円となりました。

 これは主に、契約負債が1,958百万円、短期借入金が664百万円及び長期借入金(1年内返済予定含む)が1,599百万円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度末比398百万円減少の3,279百万円となりました。これは主に収益認識会計基準の適用に伴い、累積的影響額として利益剰余金の期首残高1,302百万円の減少を加味したことにより、利益剰余金が310百万円減少したことによるものであります。また、収益認識会計基準の適用に伴う累積的影響額を利益剰余金の期首残高に加味したことから、自己資本比率は25.06%(前連結会計年度は39.13%)になりました。

 

 

 

③当期のキャッシュ・フローの概況

(単位:百万円)

 

前期

当期

増減率(%)

営業活動によるキャッシュ・フロー

1,710

2,295

34.2

投資活動によるキャッシュ・フロー

△2,256

△2,626

16.4

財務活動によるキャッシュ・フロー

1,326

436

△67.1

現金及び現金同等物の増減額

781

107

△86.2

現金及び現金同等物の期首残高

1,415

2,196

55.2

現金及び現金同等物の期末残高

2,196

2,303

4.9

 

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は2,303百万円となり、前連結会計年度末比で107百万円増加しました。

 当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動により得られた資金は2,295百万円(前連結会計年度は1,710百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が1,584百万円及び減価償却費1,215百万円があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動により使用した資金は2,626百万円(前連結会計年度は2,256百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が2,200百万円及び連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出331百万円があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動により得られた資金は436百万円(前連結会計年度は1,326百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入れによる収入が1,791百万円となった一方、長期借入金の返済による支出が1,764百万円、社債の償還による支出が160百万円があったことによるものです。

 

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

 a. 生産実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

 b. 受注実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注から売上までの期間が短いことから、当該記載を省略しております。

 

 c. 販売実績

  当連結会計年度における当社グループの販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

ホームユース事業

8,141

15.2

ビジネスユース事業

1,244

△8.1

不動産事業

1,238

1,660.8

その他

0

合計

10,624

25.1

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年7月1日

至 2021年6月30日)

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社 USEN-NEXT LIVING PARTNERS

1,456

17.2

1,846

17.4

積水ハウス不動産東京株式会社

1,086

10.2

2.前連結会計年度における積水ハウス不動産東京株式会社の販売実績及び総販売実績に対する割合は100分の10未満であるため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析、検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容

 当連結会計年度の業績は、売上高10,624百万円(前連結会計年度比25.1%増)となりました。売上原価は5,785百万円(前連結会計年度比39.7%増)、販売費及び一般管理費は3,187百万円(前連結会計年度比14.2%増)となり、営業利益1,652百万円(前連結会計年度比6.0%増)、経常利益1,604円(前連結会計年度比3.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,073千円(前連結会計年度比5.3%増)となりました。

 

a. 売上高

 売上高は10,624百万円(前連結会計年度比25.1%増)となりました。これは不動産販売が収益に大きく貢献したこと、また、小規模賃貸向けの新規サービス導入と継続サービス提供数が増加していることや新規パートナーの開拓による販路の拡大により、ホームユース事業の売上が堅調に伸張したことによるものであります。

 

b. 売上原価、売上総利益

 売上原価は5,785千円(前連結会計年度比39.7%増)となりました。これは主に、売上増加、円安や半導体機器不足による機器の製造コストの増加に伴う通信設備の減価償却費の増加及び通信トラフィックの増加による通信費の増加によるものであります。この結果、売上総利益4,839百万円(前連結会計年度比11.2%増)となりました。

 

c. 販売費及び一般管理費、営業利益

 販売費及び一般管理費は3,187百万円(前連結会計年度比14.2%増)となりました。これは主に、事業規模拡大に伴い、人件費及び販売手数料等が増加したことによるものであります。この結果、営業利益1,652百万円(前連結会計年度比6.0%増)となりました。

 

d. 営業外収益、営業外費用及び経常利益

営業外収益及び営業外費用につきましては、重要な発生はありません。この結果、経常利益1,604百万円

(前連結会計年度比3.9%増)となりました。

 

e. 特別利益、特別損失、親会社株主に帰属する当期純利益

 特別利益は重要な発生はありません。

 特別損失は20百万円(前年同期比68.7%減)となりました。これは主に利用が終了した通信設備の除却損の計上によるものであります。この結果、税金等調整前当期純利益は1,584百万円(前連結会計年度比7.3%増)となり、法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は1,073百万円(前連結会計年度比5.3%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概況 ③当期のキャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b. 資金需要

 当社グループの運転資金需要の主要なものは、売上高増加による仕入債務の支払いと売上債権の回収のサイトの差から発生するもの、通信機器及び販売用不動産などの棚卸資産の増加によるもの、及び有形固定資産である通信設備機器の取得に係る支払であります。その他、業容の拡大及び管理体制の充実による人件費の増加をはじめとした販売費及び一般管理費も資金需要増加要因の一つであります。

 

c. 財務政策

 当社グループにおける増加運転資金につきましては、自己資金及び金融機関からの借入金により資金を調達することとしております。

 

③ 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積もりには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。

 新型コロナウイルス感染症の影響は軽微であるため、当社グループの重要な会計方針及び見積りには含めておりません。

 この連結財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表」の「注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、法的規制等様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 そのため、当該リスクを分散・低減すべく、市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保育成し、ユーザーのニーズを的確に捉え最適な製品やサービスを最適なタイミングで提供してまいります。

 

⑤ 経営戦略の現状と見通し

 当社グループは、ニッチな市場を自ら創出し、市場占有率を高めることによってプライスメーカーとなるという経営方針の下、ホームユース事業、ビジネスユース事業を中心に事業拡大に取り組んでまいりました。

 当社グループ事業の継続的な発展を実現するため、今後も垂直統合型のビジネスモデルにより、パートナー企業を含めた営業体制を強化するとともに、サービス運用及び顧客サポートからのフィードバック情報に基づいた 新商品・新サービスの開発による差別化・高付加価値化の推進、Wi-Fiを活用した広告サービスの機能追加とマーケティングを強化し、さらなる拡販による事業拡大を図ってまいります。

 これらの経営戦略方針の下、持続的な成長を目指すとともに、当社グループが成長・発展を指向する過程で、通信Wi-Fi市場の発展に寄与したいと考えております。

 

⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループが今後の業容を拡大し、よりよいサービスを継続的に提供していくためには、経営者は「第2事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために、経営者は常に各種ニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。

 

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