課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社経営の基本方針

当社グループは~持続可能な社会実現のために~「再生可能エネルギーをコアに電力新時代の先駆者になる」という2030年ビジョンのもと、経済合理性を追求しながら、再生可能エネルギーを基軸にして、国内及び海外で事業に取り組んでおります。本ビジョンのもと、当社グループは、業界や国境の垣根を超えて手を携える「共創」と信頼をベースに、再生可能エネルギーの開発促進、CO2フリー電気の供給拡大等を図り、脱炭素社会への実現に貢献してまいります。

 

(2)経営方針、経営環境及び対処すべき課題

当社グループを取り巻く経営環境は、世界的な脱炭素社会への変化の動きが加速していく中にあって、資源価格の高騰や、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー安全保障情勢の大幅な変化などにより、将来の見通しに対する不確実性が従来以上に高まっている状況にあります。しかしながら、こうした様々な状況変化の中にあっても、脱炭素化の流れは不変であるとの認識の下、当社グループは2022年5月『「2022年~2024年度 中期経営計画」-脱炭素に向けた新たなイノベーションを起こす-』を策定いたしました。

本中期経営計画は、脱炭素下におけるコスト競争の激化に加えてエネルギーの供給力確保が国家レベルでの課題となるとの前提の下、競争を勝ち抜くための自社での供給力確保、バイオマス燃料及びバイオマスを中心とする再生可能エネルギー発電事業への積極投資による競争力あるエネルギー供給の実現、成長ドライバーとしての海外展開、といった点を基本コンセプトとしております。また、本中期経営計画期間を、グローバルで脱炭素とエネルギーの安定の確保の両立を実現する「脱炭素フェーズ」の序盤と位置づけ、新局面に向けた強固な事業基盤の構築を進めることとしており、脱炭素に向けた新たなイノベーションを起こす観点からの重点取組事項を掲げておりま

す。

 

① 電力小売事業の取組み

販売子会社のエバーグリーン・マーケティング株式会社、エバーグリーン・リテイリング株式会社、ティーダッシュ合同会社を中心に販売を行っており、さらには、2022年2月より子会社化した株式会社イーセルを含む販売子会社や販売パートナー、アライアンス先の強固な販売ネットワークや知見などを最大限活用し、お客様に対して多様な新サービス、料金プラン及び付加価値サービスを開発、提供してまいります。また電力の調達コストの上昇等の環境変化を踏まえ販売価格及び販売量の適正化を図るとともに、脱炭素を志向する環境意識の高い企業との協業等により、電力小売事業の変革を推進してまいります。

 

② 発電事業の取組み

土佐、佐伯、豊前、大船渡、中城の各バイオマス発電所の安定稼働に注力してまいります。また香川県坂出市において計画中の坂出バイオマス発電所については、2025年度の営業運転開始を目指し準備を進めてまいります。以上の稼働中及び計画中の6発電所は、すべて固定価格買取制度(FIT制度)が適用され、安定稼働による収益への着実な貢献を目指します。また従来から取り組んでおります世界最大級のNon-FIT大型バイオマス発電所については、引き続き環境アセスメントを着実に実施してまいります。さらに、国内及びベトナムにおいて既存の石炭火力発電のバイオマス発電へのトランジションを推進し、国内外で脱炭素社会に貢献してまいります。このほか、実証事業として実施中の水素発電所において、連続性の確認やコスト低減への取組を実施し、大型の水素実証設備の建設の検討も進めてまいります。

 

③ 燃料事業の取組み

バイオマス燃料(PKS、木質ペレット)については、従来の商社からの調達に加え、当社自らインドネシア、マレーシア両国サプライヤーからの調達を開始しており、更に拡充を図ってまいります。また燃料調達におけるサプライチェーン全体の一層の充実と強化を図り、調達ソースの多様化、広域化により自社発電所向けを主体とした調達量の拡大に対応してまいります。Non-FIT大型バイオマス発電所計画及び他社の低効率石炭火力発電所の混焼用途を視野に入れて、新燃料の開発を進めてまいります。さらに、当社グループは、持続的にバイオマス燃料を確保するため、サプライチェーンをカバーする各種認証の取得に積極的に取組んでまいります。今後も当社グループは、バイオマス発電のリーディングカンパニーとして、着実に燃料事業の拡大を図ってまいります。

 

④ トレーディング事業

当社グループの電力需要に合わせて、自社電源と相対契約電源を主体として卸電力市場からの電源調達を組み合わせ、安定的かつ価格競争力のある電源調達を図ることを基本方針としております。資源価格高騰による電力調達コストの上昇に加え、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー安全保障情勢の大幅な変化などにより、エネルギー産業を取り巻く環境は極めて不透明な状況にあることから、基本方針を堅持しつつ、卸電力取引市場での売買や電力デリバティブ取引等を一層活用し、従来に増して安定的な電源調達と価格競争力の確保を図ってまいります。また再生可能エネルギーの導入拡大や需給調整市場の創設など、トレーディングの重要性が従来以上に増すことから、こうした動きに対応した取引機能の強化、高度化を図ってまいります。

 

⑤ 海外事業での新たな取組み

カンボジアにおける水力発電プロジェクトについては、2025年の営業運転に向け、引き続き工事を着実に進めてまいります。またベトナムにおいては、バイオマス燃料開発及びバイオマス発電事業を展開するほか、同国の既存の石炭火力発電所をバイオマス発電所に転換する事業も計画しており、同国の脱炭素化とエネルギー自給率の向上に貢献してまいりたいと考えております。今後、海外展開については、他のアジア諸国においても、再生可能エネルギー電源の開発と脱炭素化等に積極的に取り組んでまいります。

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