当社グループは、「~持続可能な社会実現のために~再生可能エネルギーをコアに電力新時代の先駆者になる」という2030年ビジョンの下、バイオマス発電を基盤として、燃料事業から発電事業、トレーディング事業、電力小売の4事業を一体化させ推進することで、安定的な収益の確保とリスクの分散化により成長を遂げております。電力小売事業、発電事業、燃料事業のそれぞれ事業の内容は以下の通りであります。なお、当社グループは電力事業の単一セグメントであるため、サービスごとに記載しております。
当社グループの事業内容
(1) 電力小売事業
全国のオフィスビル、工場、病院等の大規模施設及び一般家庭や小規模工場等を中心とした需要家に対し、電力を販売(小売)しております。電力の供給は、当社グループ会社の発電所、相対契約事業者及び卸電力取引所市場等から調達した電力を、一般送配電事業者が保有する送電網を用いて行います。
販売における顧客開拓及びルートの拡充については、強固な顧客基盤を有する様々な業種の販売パートナーとの協業による直接営業等により展開しており、全国で効率的かつ強力な営業活動を行っております。
販売子会社5社がそれぞれ異なるチャネルを活かしつつ、脱炭素社会の実現に向けて、環境意識が高い企業へのCO2フリー電力の販売を拡大しております。
(2) 発電事業
当社グループが、現在保有する土佐、佐伯、豊前、大船渡及び沖縄の5発電所は、パーム椰子殻(PKS)、木質ペレットといったバイオマスを燃料とするバイオマス発電所であります。全て再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)に基づく事業認定を受けており、当該制度下において発電した電力を、当社グループ及び一般送配電事業者等に販売しております。
なお、当社グループの発電所出力の合計は現在269MW、現在計画中の発電所出力を加えると約644MWとなります。
(3) 燃料事業
当社グループの発電所向けに加え、他社に外販するバイオマス燃料を、商社及び連結子会社であるEREX SINGAPORE PTE. LTD.を通じて調達しております。
EREX SINGAPORE PTE. LTD.では、シンガポールを基幹拠点として、インドネシア、マレーシアにストックパイルを整備するとともに、現地サプライヤーとの交渉により、品質・価格優位性のあるバイオマス燃料の安定的な調達に努めております。
また今後、バイオマス燃料の需要が増大する可能性に備え、潤沢な賦存量かつ価格競争力のある新燃料(ニューソルガム)の開発及び栽培を、ベトナムを中心としたアジア諸国で積極的に取り組んでおります。
(4) トレーディング事業
天候、気温、経済状況を基に長期的な見通しを鑑みながら電力需要を予測し、それに応じた電力を調達しております。当社グループの発電所及び相対契約事業者を主体として、卸電力取引所等からの調達を柔軟に組み合わせ、安定的かつ価格競争力のある電力調達に努めております。
最近では、電力価格変動リスクを低減するためのデリバティブ取引、環境価値取引等を含む電力関連のトレーディング業務を幅広く手掛けております。
(5) 海外事業
当社グループでは、アジア諸国における再生可能エネルギーの事業展開を推進しております。カンボジアにおいては、水力発電プロジェクト(出力80MW)を推進しております。また、ベトナムにおいては、新燃料の開発を契機として、バイオマス発電事業を推進しており、ハウジャン省を始めとする複数の地において、バイオマス発電所建設プロジェクトの推進、また新燃料ニューソルガム等バイオマス燃料の開発・栽培を同国の複数地において実施しております。
なお、ベトナム政府とは、同国における安定した電力供給と脱炭素への貢献、エネルギー自給率の向上を目的に、新規バイオマス発電所の開発及び既存石炭火力発電所のバイオマス発電所への転換等について、協議を進めております。
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