当連結会計年度(以下、当期という。)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用している。当該会計基準等の適用が財政状態及び経営成績に与える影響の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)及び(セグメント情報等) セグメント情報 2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額の算定方法」に記載している。
(1)経営成績
当地域の経済は、一部で持ち直しの動きも見られたが、新型コロナウイルスの感染拡大や半導体等の部品供給不足の影響があり、総じて足踏み状態が続いた。また、エネルギー業界を取り巻く環境は、エリア・業界の垣根を超えた競争の激化に加え、カーボンニュートラルに向けた動き、国際情勢、エネルギー価格の高騰等により、大きく変化している。
このような状況のもと、当社グループは、エネルギーの安定供給と安全・安心の確保に努めるとともに、トータルエネルギープロバイダーとしてのさらなる発展、新たな領域への挑戦、導管部門の分社化等の重点課題に着実に取り組んだ。
当期末のお客さま数合計は、ガス・LPG・電気の合計で前期末と比べ4万9千件増加し287万3千件となった。ガスのお客さま数は、同3万7千件減少し175万6千件となった。LPGのお客さま数は、同1万件増加し60万3千件となった。電気のお客さま数は、同7万7千件増加し51万4千件となった。
ガス販売量は、前期並みの36億1千3百万㎥となった。用途別では、家庭用は、前期の巣ごもり需要の反動や競合影響などにより前期と比べ2.9%の減少となった。業務用等は、お客さま先設備の稼働増があったものの、一部で部品供給不足による生産減などの影響もあり、同0.7%の増加に止まった。LPGの販売量は48万6千トン、電気の販売量は21億2千6百万kWhとなった。
売上高は、前期比18.5%増加し5,153億1千3百万円となった。売上原価は、同26.7%増加し3,616億1千2百万円となった。供給販売費及び一般管理費は前期並みの1,358億4千3百万円となった。これらの結果、経常利益は前期比31.8%増加し219億1千2百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同79.9%増加し154億5千9百万円となった。
当期は、原材料価格の上昇に伴い、原料費調整制度による原材料費と売上高の期ずれ差損が発生したものの、前期に赤字となっていた電気事業の収支が改善したことに加えて、経営全般にわたる効率化により増益となった。
<参考>平均気温・原油価格・為替レート
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。なお、当期よりセグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、変更後の区分に基づいている。
ガスのお客さま数は当期中に3万7千件減少し、期末には175万6千件となった。なお、取付メーター数は当期中に2万2千件増加し、期末には255万5千件となった。
ガスの販売量は前期並みの36億1千3百万㎥となった。用途別では、家庭用は前期の巣ごもり需要の反動や競合影響などにより前期と比べ2.9%の減少となった。業務用等はお客さま先設備の稼働増があったものの、一部で部品供給不足による生産減などの影響もあり同0.7%の増加に止まった。
ガス事業の売上高は、前期比12.4%増の3,244億6千3百万円となった。
LPGのお客さま数は当期中に1万件増加し、期末には60万3千件、販売量は48万6千トンとなり、LPG・その他エネルギー事業の売上高は、前期比29.3%増の955億5千9百万円となった。
<電気>
電気のお客さま数は当期中に7万7千件増加し、期末には51万4千件、販売量は21億2千6百万kWhとなり、電気事業の売上高は、前期比47.9%増の714億7千8百万円となった。
その他事業の売上高は、前期比2.8%増の476億4千1百万円となった。
(単位:百万円、%表示は対前期増減率)
当社グループにおいては、当社及び子会社が行うガス事業が生産及び販売活動の中心であり、外部顧客に対する売上高及び営業費用において連結合計の大半を占めている。ガス事業以外のセグメントにおける生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であるが、生産規模は小さく、また受注生産形態をとらない製品も多い。このため以下は、ガス事業セグメントについて記載している。
当社及び水島瓦斯㈱においてガスの生産を行っている。
最近2連結会計年度のガスの生産実績は次のとおりである。
ガス事業については、その性質上受注生産は行っていない。
当社は愛知県、三重県、岐阜県で、水島瓦斯㈱は岡山県内においてそれぞれガスの販売を行っている。
最近2連結会計年度におけるガス販売実績は次のとおりである。
総資産は、前期末比537億5千8百万円の増加となった。これは、受取手形及び売掛金が増加したことなどによる。
負債は、前期末比304億9千9百万円の増加となった。これは、有利子負債が増加したことなどによる。
純資産は、前期末比232億5千8百万円の増加となった。これは、親会社株主に帰属する当期純利益を154億5千9百万円計上したことなどによる。
これらの結果、自己資本比率は前期末の59.7%から58.4%となり、総資産当期純利益率(ROA)は、前期の 1.5%から2.5%となった。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上などにより、354億3千6百万円の収入となった。前期比では、289億6千万円の収入の減少となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資をはじめとして548億7千6百万円の支出となった。前期比では、139億3百万円の支出の増加となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行や配当金の支払いなどにより、6億3千5百万円の収入となった。前期比では、74億円の収入の増加となった。
これらの結果、当期における現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べ184億3千2百万円減少し、321億1千万円となった。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりである。
資金調達については社債、コマーシャル・ペーパー及び銀行等金融機関からの借入により行っている。社債については、国内無担保社債を本年3月に100億円発行した。なお、当期中の社債償還はない。借入金は前期末に比べ8億6千2百万円増加した。また、適時に資金繰計画を作成・更新するなどの方法により、流動性リスクを管理している。
前回の中期経営計画(2019~2021年度)では、都市ガス・LPG・電気の「トータルエネルギープロバイダー」への発展を掲げ、エネルギー事業を拡大してきた。
米中貿易摩擦や新型コロナウイルスの感染拡大などの影響により、ガス販売量は目標を下回ったものの、3つのエネルギーのお客さま数は着実に増加させることができた。
また、中期経営計画期間を通じて目標としていた1,600億円以上の営業キャッシュ・フローを確保し、都市ガス事業に加えて再生可能エネルギーをはじめとする成長事業に振り分け、持続的成長に向けた取り組みを進めてきた。ROAは目標を下回ったものの、市況の影響で資産の時価評価が膨らんだことなど一時的な影響を除けば、概ね3%程度を確保することができた。
○目標とする経営指標 中期経営計画(2019~2021年度)
※1 お客さま数(天然ガス)は取付メーター数。
※2 お客さま数(LPG)には、配送受託件数を含む。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。
この連結財務諸表作成にあたり、見積りが必要な事項については、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っている。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載している。
(注) 本書面でのガス販売量は、すべて1㎥当たり45メガジュール換算で表示している。
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