(1) 経営の基本方針
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
2050年カーボンニュートラル実現に向けた動きやコロナ禍を契機とした急速なデジタルシフトなど、取り巻く環境はかつてないほど変化している。加えて、当社グループでは、導管部門の分社化という大きな体制変更があり、時代の大きな変曲点にある。
そうした中、当社グループの社員が共通認識に立ち、新たな時代を切り拓けるよう2050年の社会像を思い描くとともに、中間地点となる2030年代半ばに目指す姿を「地域におけるゆるぎないエネルギー事業者」、「エネルギーの枠を超えたくらし・ビジネスのパートナー」、「持続可能な社会の実現をリードする企業グループ」の3つとし、その実現に向けた取り組みの方向性を、2022年3月、「東邦ガスグループビジョン」として策定した。
同時に、グループビジョンで掲げた目指す姿の実現に向けた第一ステップとして、新たな中期経営計画(2022~2025年度)を策定した。「カーボンニュートラルの推進」、「エネルギー事業者としての進化」、「多様な価値の創造」、「SDGs達成への貢献」の4つのテーマへの取り組みにより、新たな成長に向けた道筋を確かなものにする。
〇目標とする経営指標
<方針>
・営業キャッシュ・フローの創出力を維持しつつ、持続的な成長に向けた投資を加速。
・投資拡大局面においても効率性や健全性のバランスをとって全体を管理。
※1 2025年度の連結経常利益250億円程度 ※2 WACC=資本コスト:2%台半ば
中期経営計画におけるキャッシュ・フロー
(2) 対処すべき課題
①カーボンニュートラルの推進
お客さま先の低・脱炭素化に向けて、引き続き都市ガスへの燃料転換やエネルギーの高度利用、カーボンニュートラルLNGの調達・販売及び再生可能エネルギーの電源開発・調達の拡大を進める。加えて、コンサルティング、エンジニアリング事業を強化し、お客さまのカーボンニュートラルに向けた取り組みを、CO2排出量の把握から削減対策の実行、運転管理・メンテナンスまでワンストップで支援する。
将来のガス自体の脱炭素化に向けて、CO2分離回収やメタネーション(水素とCO2を利用したメタン生成)の技術開発を進めるとともに、水素の普及拡大を目指し、知多緑浜工場を拠点とした水素サプライチェーンの構築や水素利用技術の実用化に取り組む。
②エネルギー事業者としての進化
安全・安心、安定供給に万全を期したうえで、地域におけるゆるぎないエネルギー事業者として、多様なエネルギーをくらしとビジネスに最適な形でお客さまにお届けし、エネルギーシェアを拡大する。
国際情勢の変化や市況の急激な変動による影響を緩和するため、調達先等の多様化を進め、安定的かつ低廉な原料調達を実現する。加えて、国内外でガス販売・LNG関連事業や再生可能エネルギー事業等のエネルギー関連事業を拡大する。
③多様な価値の創造
お客さま会員サイト「Club TOHOGAS」やくらしに役立つサービスを提供する「ASMITAS」、トータルビジネスサポートサイト「TOHOBIZNEX」等のデジタルプラットフォームのコンテンツ拡充や利便性向上により、お客さま接点を拡大し、豊かなくらしの実現やビジネス課題の解決に資する新たなサービスの展開を加速する。
また、保有資産やこれまでの事業運営で培ったノウハウを活用することに加え、他業種やスタートアップ企業との共創に積極的に取り組み、事業領域を拡大する。
④SDGs達成への貢献
地域に根差した企業として、自治体等との連携を深め、カーボンニュートラル支援や地域新電力等を通じて社会課題解決に貢献する。また、防災力等の地域レジリエンス向上に繋がる取り組みを推進する。気候変動対策やコーポレートガバナンスの強化等のESG課題にも着実に対応する。
社員エンゲージメントを高め、社員と組織の成長につなげるために、人材への投資の拡充、働きがい・働きやすさの向上、ダイバーシティの推進に取り組む。
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