課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1) 会社の経営の基本方針、経営環境及び基本戦略

当社グループは、「このまち」に暮らす皆さまの生活に欠かすことのできないエネルギーを供給する事業者として、安心安全なエネルギーを安定供給し続けることを何よりも重要な使命であると考えている。

ロシアのウクライナ侵攻に関連し、まずは当面の確実な原料調達に向けて最大限努力する。中長期的には、原料購入先の更なる多様化を図り、調達の安定化に努める。

また、ガス・電力市場の小売全面自由化による競争激化に加え、2050年カーボンニュートラルに向けた脱炭素化の進展やDX(デジタルトランスフォーメーション)等のデジタル技術を用いたビジネスモデルの変革により、産業構造の大きな変化が見込まれる等、当社グループを取り巻く事業環境は大きな転換期を迎えている。

このような状況のもと、当社グループは「広島ガスグループ2030年ビジョン」(以下「2030年ビジョン」という。) の実現に向けた取組みを着実に進めており、更にその先の2050年に向けて、2021年11月に策定した「広島ガスグループ 2050年カーボンニュートラルへの取り組み」の実現へ挑戦していく。

 



 

 

 


 

<2022年度中期経営計画方針>

2022年度広島ガスグループ中期経営計画では、ガス体エネルギーの積極的・効率的利用による累積CO2の低減に邁進するとともに、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた事業基盤の改革・強化を通じて、地域社会と共に発展する企業グループを目指していく。

 

2022年度広島ガスグループ中期経営計画の基本方針と方策は次のとおりである。

① 総合エネルギー事業の更なる普及拡大を通じた、省エネ・省CO2への貢献とエネルギーサービス周辺事業の強化による事業拡大を図る。

・お客さま先の低・脱炭素化に資する石油・石炭からの燃料転換によるガス販売量の拡大

・カーボンニュートラルLNGの調達及び提案による社会ニーズへの対応

・低廉・安定かつフレキシビリティのある原料調達の継続と更なる推進

・自社のグリーン電力化を手始めに、お客さまに選ばれるエネルギーラインアップの拡充及び普及拡大

 

② 環境への貢献につながる事業展開と次世代エネルギーの研究を通じた、脱炭素化、累積CO2低減に資する施策を推進する。

・海田バイオマス発電所を軸とした、再生可能エネルギーの導入加速とそれを補完する森林保全等による CO2削減への貢献

・エネルギー効率の高い分散型エネルギーシステムの普及拡大

 

③ デジタル技術の活用による高付加価値の創造を図ることによって、新たな価値創造と業務効率化を推進する。

・DX推進体制の構築と取組みの実施

・デジタル技術とデータ活用のための人材の育成

・業務の高度化による保安・安定供給レベルの向上と、業務の効率化による労働生産性の向上

・お客さま接点の飛躍的拡大及びそれを通じた新たな事業領域拡大への挑戦

 

④ グループ組織力の強化につながる創造性豊かな人材の育成と活用により、グループ総合力の向上を図る。

・多様で柔軟な働き方が実現できる環境の整備

・管理職を含め全職域における男女共同参画の推進

・自発的に力を発揮する貢献意欲の高い人材の育成

 

 

⑤ 安心安全の更なる追求・スマート保安の推進により、災害対策・レジリエンスの強化を図る。

・保安レベル向上への取組み継続 (経年導管の取替え促進、広域保安、保安周知 等)

・DX活用による監視及び予測能力向上による保安の高度化

・災害に備えたハード及びソフトの整備・強化 (防災訓練への対応と強化、復旧要員の教育 等)

 

⑥ 社会貢献活動の推進を通じ、地域社会と共に発展する企業グループを目指す。

・ひと思い活動の推進 (次世代教育、スポーツ振興 等)

・くらし思い活動の推進 (まちづくり推進支援、文化振興 等)

・環境思い活動の推進 (森林保全の実施・拡大 等)

 

⑦ グループ経営基盤の強化を図り、強靭な企業グループの構築と持続的な発展を目指す。

・収益力、資本効率の向上に資する事業ポートフォリオの構築と人材を含めた経営資源の適切な配置配分

・グループ組織機能の再配分による全体最適化の推進

 

⑧ 地域社会からの信頼につながる経営を推進する。

・社内外への適時・適切な情報開示(IR活動の展開・強化 等)、東証プライム市場上場維持基準適合に向けた取組み

・事業活動及び財務報告の適法・適正性確保に向けた内部統制への継続的な取組み

・グループ経営管理、コーポレート・ガバナンスへの継続的な取組み

 

(2) 目標とする経営指標

当社は、他燃料との競合力を高め収益力向上と企業価値の増大を図るため、経営指標として「ROE」(自己資本当期純利益率)を設定している。経営効率化を推進し、収益性を高めることによりROEの向上、あわせて、財務体質を強化することにより、自己資本比率の向上及び有利子負債残高の低減に努めてきた。

また、「2030年ビジョン」の経営目標として「広島ガスグループは連結経常利益70億円規模の企業グループに成長する」を掲げている。参考指標として、ROA(総資産利益率) 3.5%以上、ROE 8.0%以上、EBITDA(営業利益+減価償却) 160億円以上、自己資本比率 50%程度、連結配当性向 30%以上(短期的な利益変動要因を除く)を目指している。

当該指標の各数値については、有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではない。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① エネルギーの確保・安定供給

・「このまち」に暮らす皆さまの生活に欠かすことのできないエネルギーを供給する事業者として、まずは当面の確実な原料調達に向けて最大限努力する。中長期的には、原料購入先の更なる多様化を図り、調達の安定化に努める。

・ロシアのウクライナ侵攻等の地政学的な緊張等、国際社会・経済の動向により、万が一LNGの入荷が滞った場合には、当社が持つ他の契約による補填、他社からの融通、スポット市場からの調達等により、都市ガスの安定供給に努める。

・地震や津波、近年多発する豪雨等の自然災害に加え、新型コロナウイルス等の感染症の警戒レベルに応じた社内体制を整備することにより、お客さまの安心安全の更なる向上に取り組む。

・広域保安体制の拡充、経年導管の取替え促進及び保安周知の強化を図ることで保安対策レベルの向上、災害時の早期復旧手法の検討等による災害対策の強化、導管インフラの整備等による安定供給の強化を通じた、安心安全の更なる追求により、エネルギーセキュリティの向上を図る。

 

 

② 2050年カーボンニュートラルへの取組み強化

・ガス「天然ガス・LPガス」の積極的・効率的利用により、「累積CO2の低減」に邁進する。

・お客さま先の低・脱炭素化に資する石油・石炭からの燃料転換や、環境性・省エネ性に優れたエネファーム、ガ

スコージェネレーション、給湯暖房システム及び暖房器等の普及拡大に努め、都市ガスとLPガスの協働営業による効率的な営業活動の展開等により、ガス販売量とお客さま件数の維持・増加に努める。

・バイオマス、小水力、太陽光をはじめとした、再生可能エネルギーの導入加速と森林保全等によるCO2削減へ

貢献する。

 


 

③ DXへの取組み強化

・「業務の高度化による保安・安定供給レベルの向上と、業務の効率化による労働生産性の向上」、「お客さま接

点の飛躍的拡大及びそれを通じた新たな事業領域拡大への挑戦」の視点に基づいて、デジタル技術を活用した各種取組みを推進する。

・取組みの基盤となるDX推進体制の構築と、デジタル技術やデータを高度に活用できる人材の育成を推進する。

 


 

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