業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度(以下、当期という。)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当期におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大と長期化の影響により経済活動が制限され、個人消費が低迷するなど、先行き不透明な状況が続きました。
 エネルギー業界におきましては、業種や地域の垣根を越えた競争が一層激しさを増すとともに、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、2030年における温室効果ガス排出量を2013年比46%削減する政府方針が示され、脱炭素の動きがさらに加速するなど、当社を取り巻く環境は大きく変化いたしました。
  このような状況のもと、当社グループは、持続的な地域社会の発展に貢献するとともに、お客さまへ最適なソリューションを提供する「地域No.1ソリューション企業グループ」を目指し、ガスを中心とした基盤事業の他、くらしサービスや再生可能エネルギー、海外事業などの分野にも積極的に取り組んでまいりました。

 

当期の売上高は、前連結会計年度(以下「前期」という)に比べ9.6%増132,988百万円となりました。

当社グループにおける売上高の大半を占めるガス事業の売上高は、原料費調整制度によるガス販売単価の下方調整はあったものの、販売量の増加により、前期に比べ8.9%増104,485百万円となりました。

なお、ガス販売量については、家庭用、業務用はほぼ前期並みとなりましたが、工業用、卸用で増加したことなどから、前期に比べ10.6%増1,626百万㎥となりました。

LPG・その他エネルギー事業の売上高は、電力販売量の増加に加え、LPG事業における販売量の増加や販売単価の引き上げなどにより、前期に比べ22.9%増21,083百万円となりました。

設備工事、受注工事及びガス機器販売等のその他の事業の売上高は、設備工事売上の増加等により、前期に比べ4.9%増15,239百万円となりました。

 

売上原価は、前期に比べ15.2%増100,332百万円となりました。ガス事業及びLPG・その他エネルギー事業は、原料価格の上昇により原材料費が増加しました。また、その他の事業も、設備工事等の増収に伴い増加しました。

供給販売費及び一般管理費は、前年より増加し27,665百万円となりました。

 

この結果、営業利益は前期に比べ26.9%減4,989百万円となりました。

 

営業外損益は、受取配当金や持分法投資利益が増加したことなどにより、前期に比べ921百万円の増益要因となりました。

 

この結果、経常利益は前期に比べ12.4%減6,474百万円となりました。

 

特別損益は、前期に投資有価証券評価損の計上があったこと等により、前期に比べ145百万円の増益要因となりました。

 

以上により、税金等調整前当期純利益は6,506百万円となり、これから法人税等や非支配株主に帰属する当期純利益を差し引き、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に比べ11.0%増4,115百万円となりました。

 

 

セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

 

① ガス

お客さま数(取付メーター数)は、新築市場及び既存市場において新規のお客さまの獲得に努めたことなどから、当期中に813戸増加し、期末現在で360,046戸となりました。

ガス販売量は、前期に比べ10.6%増1,626百万㎥となりました。用途別では、家庭用は、ほぼ前期並みとなり0.5%増94百万㎥、業務用(商業用・公用および医療用)もほぼ前期並みの0.4%増75百万㎥となりました。工業用は、既存のお客さま設備の稼働が堅調に推移したことなどから、前期に比べ7.1%増832百万㎥となりました。卸供給は、前期に比べ18.9%増625百万㎥となりました。

 

 

当期

前期

増減

増減率(%)

お客さま数

360,046

359,233

813

0.2

家庭用

百万㎥

94

94

0

0.5

業務用

75

74

0

0.4

工業用

832

777

55

7.1

卸供給

625

526

100

18.9

合計

1,626

1,471

155

10.6

 

(注) 1 「お客さま数」は、期末取付メーター数を記載しております。

2 「お客さま数」には、卸供給先のお客さま数は含みません。

 

売上高は、原料費調整制度によるガス販売単価の下方調整はあったものの、販売量の増加により前期に比べ8.9%増104,485百万円となりました。原料価格の変動がガス販売単価に反映されるタイムラグにより、セグメント利益(営業利益)は前期に比べ30.7%減5,884百万円となりました。

 

② LPG・その他エネルギー

電力販売では、販売量が増加したこと、LPG販売における販売量の増加や販売単価の引き上げなどにより、売上高は前期に比べ22.9%増21,083百万円となり、セグメント利益(営業利益)は同21.1%増896百万円となりました。

 

③ その他

設備工事、受注工事およびガス機器販売などのその他の事業は、設備工事売上の増加等により、売上高は前期に比べ4.9%増15,239百万円となり、セグメント利益(営業利益)は同51.3%増1,083百万円となりました。

 

(注) 1 上記セグメント別の業績数値には、セグメント間の内部取引を含んでおります。

2 本報告書でのガス量は、すべて1㎥当たり45MJ(メガジュール)換算で表示しております。

3 消費税等については、税抜方式によっております。

 

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

当社グループにおいては、当社及び連結子会社が営むガスセグメントが、生産、受注及び販売活動の中心となっております。

このため、以下はガスセグメントについて記載しております。

 

① 生産実績

ガスの生産実績は次のとおりであります。

 

区分

当連結会計年度
(2021年1~12月)

生産量(百万㎥)

前期比(%)

ガス

1,645

110.6

 

(注) ガス量は1㎥当たり45MJ換算し、表示単位未満を四捨五入しております。

 

② 受注実績

ガスについては、その性質上、受注生産は行っておりません。

 

③ 販売実績

ガスは、導管を通じて直接お客さまに販売しております。また、他のガス事業者に卸供給をしております。

 

区分

当連結会計年度
(2021年1~12月)

数量(百万㎥)

前期比(%)

金額(百万円)

前期比(%)

ガス販売実績

家庭用

94

100.5

17,996

97.8

業務用その他

1,532

111.3

81,310

109.4

1,626

110.6

99,307

107.1

お客さま数

360,046戸

100.2

 

(注) 1 「お客さま数」は、期末取付メーター数を記載しております。

2 「お客さま数」には、卸供給先のお客さま数は含みません。

3 販売量は1㎥当たり45MJ換算し、表示単位未満を四捨五入しております。

4 上記数値は、セグメント間の内部取引を含んでおります。

5 主要な販売先として、国際石油開発帝石㈱へ卸供給をしております。同社への前連結会計年度における販売実績は233百万㎥、総販売実績に対する割合は15.9%であり、当連結会計年度における販売実績は248百万㎥、総販売実績に対する割合は15.3%であります。

 

なお、当社グループのガスセグメントにおいては、上記のほか、LNGの販売を行っております。

 

(3) 財政状態

当期末における総資産は、現預金が減少したものの、ガス販売単価上昇による売掛金の増加や、新規事業への出資等による投資有価証券の増加等により、前期末に比べ5,819百万円増123,996百万円となりました。

負債は、配船調整引当金の支払いによる減少はあったものの、原料価格の上昇や支払いのタイミングにより買掛金が増加したことなどにより、前期末に比べ1,342百万円増31,846百万円となりました。

純資産は、当期の利益計上による利益剰余金の増加等により、前期末に比べ4,476百万円増92,150百万円となりました。

この結果、当期の自己資本比率は69.6%となりました。

 

 

(4) キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、6,909百万円の支出(前期は20,303百万円の収入)となりました。これは、減価償却前利益が14,968百万円となり、売上債権やたな卸資産が増加したことなどによるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、9,797百万円の支出(前期は8,428百万円の支出)となりました。これは、ガス導管網の拡張・整備などの設備投資や投資有価証券の取得等によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、1,412百万円の支出(前期は4,490百万円の支出)となりました。これは、配当金の支払等によるものであります。

以上の結果、当期末における現金及び現金同等物は、前期末と比べ18,066百万円減少し、当期末残高は13,548百万円となりました。

 

なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標は以下のとおりであります。

 

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

自己資本比率

(%)

69.4

69.6

時価ベースの自己資本比率

(%)

64.8

58.9

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

(年)

0.3

△1.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ

(倍)

206.4

△92.0

 

(注) 1 各指標はいずれも連結ベースの財務数値を用いて、以下の計算式により算出しております。

自己資本比率

:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率

:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ

:キャッシュ・フロー/利払い

 

2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

3 キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、長期借入金(1年以内に期限到来のものを含む)、短期借入金を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

(5) 当社グループの資本の財源及び流動性について

当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、設備投資資金については、自己資金を充当し、不足分を金融機関からの長期借入による調達を基本としております。

また、短期運転資金は、主に自己資金、短期借入金、コマーシャルペーパー等で賄っていく方針であります。

なお、当社グループ内でキャッシュ・マネジメント・システムを採用しており、余剰資金の活用等により、当社グループ全体の有利子負債の削減を図っております。

その結果、当連結会計年度末の有利子負債残高は6,625百万円となりました。

 

(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、過年度実績や経営計画、入手可能で合理的な情報に基づく仮定等から会計上の見積りを行っておりますが、見積りは不確実性を伴うため、実際の結果は異なる場合があります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

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