課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

本書提出日現在における経営方針、経営指標及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 企業理念・経営方針

 当社グループは「チャレンジあふれる未来をつくる」を企業理念・ミッションとしております。

 

 私たちの世界は、誰かの「チャレンジ」でできている。

 誰かの意志ある一歩が、新たな時代をつくってきた。

 しかし時に、その一歩が踏み出せないことがある。

 チャレンジを阻むものは何か?

 その「何か」に挑み、可能性を解き放つ。

 そんな「チャレンジあふれる未来をつくる」こと。

 それが当社グループのミッションであり、想いです。 

 

 また、当社グループのFCEの由来や経営方針は以下となっております。

Future Created by Entrepreneurs

「社会の課題をビジネスで解決する」をコンセプトに

「人の可能性を高め、社会の未来を切り開く」新事業創造企業

 

■日本社会の問題を解決するビジネスを創り出し、その過程で関わる多くの人達の持つ無限の可能性を引き出していきます。

■これからの日本を創っていくため、当社グループは「独創的企業家集団」として、社会の問題を解決する新事業に次々と取り組んでまいります。

 

(2) 経営環境

当社グループは、持株会社である当社と事業を担う連結子会社5社で構成されており、教育研修事業、DX推進事業、その他事業を展開しております。なお、販売体制としては、本社営業部門を中心とし、DX推進事業は、それ以外に代理店を活用して提供しており、販売網としては本社(東京)以外に大阪と福岡に拠点を設けています。当社グループは全社員を『コンサルタント』として育成しており、各事業に共通して、クライアントの根本的な課題解決の実現をサポートしていることが他社との差別化・強みと考えております。

当社グループを取り巻く経営環境としては、新型コロナウイルス感染症の影響による景気の不安定さや海外情勢の不確実性等、先行き不透明な状況となっております。

当社グループにおいても、教育研修事業では、学校法人及び学習塾向けに、「7つの習慣J®」という授業プログラムを提供し、企業向けには対面での集合型の研修を提供しているため、休校、集合型研修のキャンセル・延期等による影響を一時的に受けました。また、DX推進事業においても、企業向けに純国産RPAソフトウェア「Robo-Pat DX(ロボパット ディーエックス)」を開発、提供(コンサルティング含む)しているため、対面での営業活動を自粛する等の影響を受けました。

当社グループの教育研修事業は、国内向けに展開されていることから、日本において加速している少子高齢化の動向については、重要な経営環境として認識しておりますが、めまぐるしく変化する環境において、当社の提供しているアクティブ・ラーニング教育の重要性については益々高まっているものと考えております。

さらに、少子高齢化、働き方改革並びに新型コロナウイルス感染症拡大などの課題解決の一助として、DX推進の流れは、今後も継続するものと考えており、こうした経営環境を踏まえ、当社グループのDX推進事業で提供しているRPAサービス及びDX化支援事業については注力していく方針であります。

 

このような状況の中で当社グループにおいては、経営方針である「社会の課題をビジネスで解決する」をコンセプトに、「人の可能性を高め、社会の未来を切り開く」方針は変わらず、「チャレンジあふれる未来をつくる」という経営理念のもと、お客様と従業員の安全を確保しつつ、当社グループ自らがチャレンジし続けることで、事業の拡大と収益性の向上に取り組んでおります。

特に新型コロナウイルス感染症の拡大により、経営環境が変化した中で、適時に環境に適応すべく、オンラインツールを用いたサービス提供を行うことで変化に対応してまいりました。また、営業活動においても、展示会等の参加による対面での見込み顧客の発掘からWEBマーケティング等への注力により、事業の成長を継続することが出来ております。これらの取り組みの結果、当社グループの影響は軽微なものに留まっております。

 

(3) 経営戦略

当社グループは、経営方針に基づき、これまで様々な事業を立ち上げ取り組んだ結果、現在の事業は教育研修事業とDX推進事業、その他から構成されます。今後も、社会の問題を解決するとともに、そこに関わる人たちの人財価値を革新することで、企業価値をさらに高めていくことを目指してまいります。また、これまで新しい事業に取り組んできたのは当社グループの人財によるものと考えており、引き続き、人財育成にも注力します。

 

そのため、経営戦略については、以下のとおりとなります。

 

① 当社グループの人財に関する事項

当社グループでは、人財育成のノウハウをすべて標準化・仕組み化(下図)し、ライン(営業等、業務の遂行に直接かかわるメンバー)からスタッフ(事務等、事業のサポートを行うメンバー)に至るまでの『全社員コンサルタント化』をテーマに育成しています。

『コンサルタント』として育成することにより、クライアントに対して単なるサービス提供の範囲にとどまらず、根本的な課題解決、ありたい姿の実現をサポートすることを他社との差別化・強みとしています。

現在、Great Place to Work®が主催する「働きがいのある会社ランキング」にて10年連続ベストカンパニーを受賞しておりますが、引き続き、「働きやすさ」や「やりがい」の維持・向上により、既存事業の拡大や新規事業の創出が出来るような人財育成を継続します。

 

 

(標準化・仕組み化した人財育成のノウハウ)

 


 

※コロナ禍になってからは研修やトレーニングをすべてオンラインでの参加・配信に切り替えております。

 

② 教育研修事業に関する事項

「7つの習慣®」は研修プログラムとしても体系化されており、世界160カ国にて展開。それらをベースにした「7つの習慣J®」「7つの習慣®研修」のオンライン事業化をスタートした結果、従来の集合型・対面型の受講形式に比べて受講時の利便性が高まり、世界中から講師・受講生を募ることが可能となっています。今後は、全方位的な年代・層に合わせてコンテンツラインナップを増加し、コンテンツ間のシナジーによる認知拡大・クロスセルなども目指します。

 

eラーニング市場は、コロナ禍による需要の高まりを受け市場の拡大が期待されます。株式会社矢野経済研究所「eラーニング市場に関する調査を実施(2022年)」に基づくeラーニング市場規模(提供事業者売上高)の2018年度~2022年度の実績・予測によると、BtoB(法人向け)は2018年度は65,000百万円の実績、2019年度は68,400百万円の実績、2020年度は86,250百万円、2021年度見込は97,130百万円、2022年度予測は106,750百万円となっております。株式会社FCEトレーニング・カンパニーが提供する「Smart Boarding」(従業員エンゲージメントを高めるeラーニング構築・運用支援サービス)の拡販により、事業の拡大を目指します。

 

 

③ DX推進事業に関する事項

RPAの市場は、株式会社矢野経済研究所「2021 RPA市場の実態と展望」の調査結果の要約に基づく、RPA市場規模(事業者売上高)推移・予測、2016年度~2023年度の実績・予測によると、2019年度の実績は52,970百万円、2020年度予測は72,900百万円、2021年度予測は102,000百万円、2022年度予測は128,500百万円、2023年度予測は152,000百万円となっております。当社グループの「Robo-Pat DX」の導入企業数は、2019年9月末時点で449社、2020年9月末で648社、2021年9月末で850社、2022年9月末で995社となっております。
 今後の継続的な成長を実現するべく、当社グループの「Robo-Pat DX」の機能充実・認知度向上はもとより、販売体制の強化を重点施策として取り組んでまいります。特に地方企業に向けた展開スピードを速めるため、代理店網の強化などを起点に地方における認知拡大、販売体制を構築してまいります。

 

④ 教育研修事業並びにDX推進事業に関する事項

当社グループの特徴として、顧客に対して単なるサービス提供にとどまらず、ありたい姿の実現をサポートすることにより、本質的な課題の把握に努め、顧客基盤を構築して参りました。今後は、こうした既存の顧客基盤に対しても当社グループが有する様々な商材を提供(クロスセル)していくことで、収益の安定化と高い成長の両立を目指します。

例えば、「7つの習慣®研修」のフォローツールとして「Smart Boarding」をセット提供していくことにより、ストック比率をさらに高めることが可能になります。また、「Smart Boarding」の導入から研修やコンサルティングなどに展開していくなど、コンテンツ間のシナジーを生み出してまいります。

すでに「7つの習慣®研修」はこれまでに2,600社以上が導入しており、「Smart Boarding」の導入企業数は、2019年9月末時点で99社、2020年9月末で188社、2021年9月末で348社、2022年9月末で468社となっております。

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、継続的な成長による企業価値の向上を図るため、「連結売上高」と「連結営業利益率」を重要な経営指標として位置付けております。連結売上高は事業規模の成長を示す重要な指標として、連結営業利益率は事業規模の追求だけではなく、収益性も考慮した上で、グループ全体としての成長を示す重要な指標として考えております。

なお、連結売上高は、2022年9月期実績は3,753百万円(2021年9月期実績は3,522百万円)となっており、連結営業利益率は、2022年9月期実績は12.1%(2021年9月期実績は9.4%)となっております。

また、事業別には、教育研修事業においては、既存の顧客に対するクロスセルや、新型コロナウイルス感染症を追い風としたeラーニングの需要の高まりを捉え、「Smart Boarding」(eラーニング)の導入社数を重視しており、DX推進事業においては、RPA市場を拡大期と捉え、販売体制の強化を重点施策としており、「Robo-Pat DX」の導入社数を重視しております。

なお、「Smart Boarding」の導入企業数は、2019年9月末時点で99社、2020年9月末で188社、2021年9月末で348社、2022年9月末で468社であり、「Robo-Pat DX」の導入企業数は、2019年9月末時点で449社、2020年9月末で648社、2021年9月末で850社、2022年9月末で995社であります。

 

(5) 当社グループの対処すべき課題

① DX推進事業の商品力強化

DX推進事業は近年市場の拡大が著しく、既存事業者や新規参入企業の競合商品との競争はさらに激化するものと想定しております。

当社グループが顧客対象とする「企業のユーザー部門」への更なる浸透を考えると、商品の使いやすさを高めていく余地が十分に存在していると認識しており、ユーザーフレンドリーな操作性の向上、マニュアル類やトレーニング環境の充実、作成サポート体制の充実も含めて、商品力強化に継続的に努めてまいります。

 

 

② DX推進事業の認知度向上、販売体制強化

当社グループが「Robo-Pat」の商品名でDX推進事業を開始してから約5年と年数が浅く、また小規模の組織体制で運営してきたことから、知名度の向上と販売体制の拡充が不可欠であります。

そのため、費用対効果を検討のうえ、効果的な広告宣伝活動により知名度を向上させることに加え、首都圏以外の地方都市圏においてもプロモーション展開や販売パートナーの確保に取り組み、日本全国での認知度向上と販売体制の強化に取り組んでまいります。

 

③ 人材確保、社員教育

当社グループが、経営環境の変化に適応し、継続的な発展を実現していくためには、各事業において主体的に課題解決に向け行動する人材の確保が重要であると考えております。当社グループの理念・価値観に共鳴する人材の採用活動及び社内研修を継続してまいります。

 

④ 社内管理体制の強化

当社グループの成長を維持していくためには、社内管理体制の強化が不可欠であると考えております。そのために内部統制体制を構築し、コーポレート・ガバナンス体制を充実させていくとともに、情報セキュリティ、労務管理等のコンプライアンス体制の構築に取り組んでまいります。

 

⑤ 新型コロナウイルス感染症の影響について

当社グループにおいて、新型コロナウイルスの感染拡大の影響に伴い、これまでにセグメント別では以下のような影響等があり、対応を図ってまいりました。引き続き、経営環境の変化に適時に適応すべく柔軟な運営を図ってまいります。

 

(教育研修事業)

研修事業においては、対面での集合型研修の延期やキャンセル等が生じ、事業にマイナスの影響がありました。当社グループにおいては、Zoom等によるオンラインを用いた開催により同マイナスに対応致しました。その他、プラスの影響として、eラーニングの市場は、コロナ禍による需要の高まりを受け市場の拡大が継続しています。当社グループのeラーニングの「Smart Boarding」においてもニーズが高まり拡販に注力しています。

 

(DX推進事業)

DX推進事業においては、RPA市場はコロナ禍以前においてもコロナ禍においても変わらず成長が継続しているものと認識しております。しかし、新型コロナウイルスの感染者数が拡大している状況下においては、RPAに関する展示会等での対面での営業が従来よりも困難となっています。当社グループは、適時にWEBでのマーケティングや見込み顧客の発掘にシフト・注力することで課題へ対処いたしました。今後は、状況を注視しながら、対面・WEBの双方を柔軟に組み合わせながら対応してまいります。

 

(その他管理体制面等)

当社グループはお客様と従業員の安全を最優先に事業運営を行うべく、新型コロナウイルスの感染防止策にも注力しております。テレワークや時差出勤を推奨し、オンラインツールを用いた会議体の設定等、柔軟な組織運営を図ってまいります。

 

⑥ 財務上の課題

純資産と負債の適切なバランスを保ちながら、事業収益や金融機関の借入等を通じて事業の成長資金を確保することで既存事業の強化や新規事業創出のための機動的な資金調達を実現することが財務上の課題として認識しております。2022年9月末時点における自己資本比率は35.8%でありますが、引き続き、財務体質の維持・向上を図ってまいります。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得