(1)業績等の概況
①業績
当社を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として不透明な状況が続いております。今後、新規感染者数が低水準になること等により、経済活動が回復に向かうことが期待されます。
このような状況の中、当社ではお客さまはもとより、当社で働くすべての者の安全に留意して、感染防止及び拡大防止に努めております。加えて在宅勤務を推奨すると共に、フレックス制度を活用し時差出勤と短時間勤務を実施しております。また、社内及び社外関係者との会議等においては、オンラインを活用しております。さらに、イベントにおいては、お客様と協議を行い、感染防止及び拡大防止に配慮しております。
売上高につきましては、案件数が増加し、単価も上昇しました。その結果、22,617百万円の増収となりました。
費用につきましては、外注費の増加等に伴い、売上原価が13,224百万円増加しました。
以上の結果、当事業年度の業績は下記のとおりとなりました。
売上高 27,012百万円(前年同期の売上高は4,394百万円)
営業利益 6,650百万円(前年同期の営業損失は1,829百万円)
経常利益 6,686百万円(前年同期の経常損失は1,528百万円)
当期純利益 4,636百万円(前年同期の当期純損失は1,107百万円)
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1.財務諸表等 注記事項 (会計方針の変更) (収益認識に関する会計基準等の適用)」をご参照ください。
各部門別の状況は次のとおりであります。
〔基本事業部門〕
TOKYO2020全国参加イベントの受注や新型コロナウイルス感染症の対応に関する案件等が影響したことによる案件数の増加および単価の上昇により、売上高は14,154百万円と前年同期比334.8%の増収となりました。
〔スポーツ事業部門〕
国際的スポーツ大会に関する案件等が影響したことによる案件数の増加および単価の上昇により、売上高は12,184百万円と前年同期比1165.4%の増収となりました。
〔競争事業部門〕
大型案件に関して新型コロナウイルス感染症等によってイベント制作内容に影響を受けましたが、案件数の増加および単価の上昇により、売上高は673百万円と前年同期比282.9%の増収となりました。
部門別の売上高の明細は次表のとおりであります。
(単位:百万円)
部 門 |
売 上 高 |
構 成 比 |
前期比増減 |
主 要 領 域 |
基本事業 |
14,154 |
52.4% |
10,898 (334.8%) |
各営業拠点が担当する、様々なイベント領域 |
スポーツ事業 |
12,184 |
45.1% |
11,221 (1165.4%) |
中央競技団体等が開催するスポーツ・競技に関するイベント領域 |
競争事業 |
673 |
2.5% |
497 (282.9%) |
皇室ご臨席行事を中心とした全国持ち回りで開催されるイベント領域 |
合 計 |
27,012 |
100.0% |
22,617 (514.7%) |
|
②財政状態の分析
(資 産)
当事業年度末の総資産は前事業年度末に比べて7,280百万円増加し、15,718百万円となりました。これは主に現金及び預金が6,348百万円、売掛金が2,035百万円増加したことによるものであります。
(負 債)
当事業年度末の負債は前事業年度末に比べて2,568百万円増加し、6,453百万円となりました。これは主に短期借入金が1,300百万円減少したものの、買掛金が956百万円、未払金が648百万円、未払法人税等が1,759百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産は前事業年度末に比べて4,712百万円増加し、9,264百万円となりました。これは主に利益剰余金が4,697百万円増加したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの分析
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べて6,348百万円増加し、7,718百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は7,771百万円(前年同期は2,341百万円の支出)となりました。
これは主に税引前当期純利益が6,680百万円あったことに加え、仕入債務が956百万円、未払消費税等が938百万円、未払金が648百万円増加し、棚卸資産が371百万円減少した一方、売上債権が2,590百万円増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は11百万円(前年同期は44百万円の獲得)となりました。
これは主に有形固定資産の取得による支出が6百万円、敷金及び保証金の差入による支出が9百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、支出した資金は1,412百万円(前年同期は944百万円の獲得)となりました。
これは主に短期借入金の返済による支出が1,300百万円あったこと等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社で行う事業の性格上、生産実績の記載に馴染まないため、生産実績は記載しておりません。
b.受注実績
当社で行う事業の性格上、受注実績の記載に馴染まないため、受注実績は記載しておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績は、以下のとおりであります。
|
当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
売上高 合計(百万円) |
27,012 |
614.7 |
(注)最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 |
403 |
9.2 |
11,444 |
42.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりで
あります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されて
おります。この財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針及び見積りは、「第5
経理の状況 1財務諸表等(1)財務諸表 重要な会計方針」に記載のとおりです。
②経営成績の分析
(売上高)
売上高は前期に比べ514.7%増の27,012百万円となりました。
主として案件数が増加し、単価も大きく上昇しました。その結果、22,617百万円の増収となりました。
(売上原価)
売上原価は前期に比べ402.2%増の16,512百万円となりました。
売上高の増加に伴い、外注費等の経費が増加しました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は前期に比べ31.1%増の3,849百万円となりました。
賞与の増加等に伴い人件費が増加しました。
(営業外収益及び営業外費用)
営業外収益は前期に比べ76.6%減の71百万円となりました。
前期と比べ雇用調整助成金が減少しました。
営業外費用は前期に比べ862.5%増の35百万円となりました。
前期と比べ支払利息が増加しました。
(特別利益および特別損失)
特別利益は当期は発生しませんでした。
特別損失は前期に比べ80.1%減の6百万円となりました。
前期は投資有価証券売却損、投資有価証券評価損、リース解約損が発生しましたが、当期は発生しませんでした。
(法人税、住民税及び事業税)
法人税、住民税及び事業税は1,659百万円となりました。
(法人税等調整額)
法人税等調整額は384百万円となりました。
(当期純利益)
売上高の増加に伴い、売上原価、販売費及び一般管理費も増加、営業利益が増加し当期純利益
は4,636百万円となりました。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の資金需要は、営業活動に係る資金支出としてイベント制作等に係る外注費、材料費、経費及び人件費などがあります。
これらの所要資金については、自己資金及び金融機関からの借入により調達しています。
現状、当社では必要な事業資金は確保されていると認識しております。
④目標とする経営指標
当社では、主要業績指標として、売上高・営業利益・売上高営業利益率・自己資本当期純利益率(ROE)を掲げております。
当事業年度における売上高は27,012百万円、営業利益6,650百万円、売上高営業利益率24.6%、自己資本当期純利益率は67.1%となりました。
|
2021年3月 |
2022年3月 |
増減 |
売上高 |
4,394百万円 |
27,012百万円 |
22,617百万円 |
営業利益 |
△1,829百万円 |
6,650百万円 |
8,479百万円 |
売上高営業利益率 |
△41.6% |
24.6% |
- |
自己資本当期純利益率(ROE) |
△21.4% |
67.1% |
- |
お知らせ