(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッ シュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国の経済は、感染者数の増減の波を繰り返す新型コロナウイルス感染症がサービス産業の経営環境に影響を与え続け、景気の先行きが不透明な状況のままに推移いたしました。
このような状況のなか、当社グループは、全体として売上高は12億9千万円(前期比4.7%増)、営業利益は7千9百万円(前期比11.5%増)、経常利益は6千3百万円(前期比26.2%減)となり、また、特別利益として「新型コロナウイルス感染症による雇用調整助成金等」2千4百万円、特別損失として「臨時休業による損失」6百万円等を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は5千万円(前期は2億1千6百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
当連結会計年度末における財政状態の状況については、次のとおりであります。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、次のとおりであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
当社はサービス業及び不動産賃貸・販売業を中心に業態を形成しており、受注・生産形式の営業活動は行っておりません。また、販売の状況については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析 ①経営成績の分析」に記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
■セグメント別売上高
※1.主な相手先別の販売実績及び該当販売実績の総販売実績に対する割合
※2.商事事業部門の当連結会計年度売上高は、収益認識会計基準等の適用により、40,743千円減少しております。
(売上原価も同額減少しております)
■セグメント別営業利益(△は損失)
(映画事業部門)
「武蔵野館」では、『少年の君』『サマーフィルムにのって』等、また「シネマカリテ」では、『クルエラ』『街の上で』等の話題作を上映いたしました。当連結会計年度も、新型コロナウイルス感染症対策として、業界団体のガイドラインや政府・自治体の方針を遵守し営業を行ってまいりましたが、営業成績は前年を上回りつつも厳しい状況が続きました。映画配給関連事業につきましては、当社連結子会社による自社買付配給作品の香港映画『人生の運転手(ドライバー)~明るい未来に進む路~』と『花椒(ホアジャオ)の味』の配給に注力いたしました。
その結果、部門全体の売上高は3億7千万円(前期比28.1%増)、営業損失は6千4百万円(前期は8千2百万円の営業損失)となりました。
(不動産事業部門)
賃貸部門におきましては、当連結会計年度においては、概ね前年度並みの営業成績を確保することが出来ました。販売部門におきましては、引き続き業界のネットワークを通じて市況の把握に努めておりますが、具体的な営業活動の成果を得るに至りませんでした。
その結果、部門全体の売上高は5億7千3百万円(前期比0.0%増)、営業利益は3億3千9百万円(前期比2.1%減)となりました。
(自動車教習事業部門)
当連結会計年度は、少子化の影響から普通車運転免許の需要は減少する一方、大型自動車や二輪車の需要が大幅に伸びたことにより、営業収入は増加しました。収益面では販売費及び一般管理費が増加したため減益となりました。
その結果、部門全体の売上高は3億3千5百万円(前期比3.5%増)、営業利益は販売費及び一般管理費の増加等により7千2百万円(前期比25.0%減)となりました。
(商事事業部門)
東京都目黒区において経営委託している飲食店は、お客様に安心してご来店いただけるよう各種感染防止対策を行いながら営業してまいりましたが、長引く同感染症の影響により、消費マインドの落ち込みは回復するに至りませんでした。
その結果、部門全体の売上高は6百万円、営業利益は6百万円(前期比0.4%減)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高が4千万円減少し、売上原価も同額減少しております。収益認識会計基準等の適用による営業利益への影響はありません。
(その他)
主として自販機手数料でありますが、部門全体の売上高は4百万円(前期比2.6%増)、営業利益は4百万円(前期比25.7%増)となりました。
※ スポーツ・レジャー事業部門は営業中止中です。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、主に映画事業の売上高が前年度よりも増加したことから、12億9千万円(前期比4.7%増)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、映画事業の売上高の増加等により、7千9百万円(前期比11.5%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、営業外費用として持分法による投資損失が増加したこと等により、6千3百万円(前期比26.2%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益として「新型コロナウイルス感染症による雇用調整助成金等」2千4百万円、特別損失として「臨時休業による損失」6百万円等を計上し、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は5千万円(前期は2億1千6百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
② 財政状態の分析
(総資産)
当連結会計年度末における総資産につきましては、現金及び預金の減少7千6百万円があったこと等から、前連結会計年度末に比べ7千2百万円の減少となりました。
(負債)
負債につきましては、短期借入金の減少2千5百万円、流動負債のその他の減少2千万円等により流動負債が5千万円減少し、長期借入金の減少5千7百万円等により固定負債が7千1百万円減少したため、前連結会計年度末に比べ1億2千2百万円の減少となりました。
(純資産)
純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上5千万円により、前連結会計年度末に比べ4千9百万円の増加となりました。
以上のことから、当連結会計年度末残高は総資産59億8千9百万円、負債24億5千4百万円、純資産35億3千5百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、7億5千9百万円(前期比9.1%減)となりました。各キャッシュ・フローの状況の主な要因は次のとおりです。
〈営業活動によるキャッシュ・フロー〉
営業活動の結果、得られた資金は6千5百万円(前期比13.0%増)となりました。
これは主に、減価償却費6千2百万円、税金等調整前当期純利益7千8百万円による増加があった一方、法人税等の支払額3千3百万円等による減少があったことによるものです。
〈投資活動によるキャッシュ・フロー〉
投資活動の結果、使用した資金は4千7百万円(前期に使用した資金は1億7千2百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出5千2百万円等があったことによるものです。
〈財務活動によるキャッシュ・フロー〉
財務活動の結果、使用した資金は9千4百万円(前期に得られた資金は2億7千2百万円)となりました。これは主には、長期借入金の返済による支出8千3百万円、リース債務の返済による支出1千万円等があったことによるものです。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社は安定的な営業利益の積み上げによる復配の実現を経営課題としており、キャッシュ・フロー経営を徹底させることにより自己資本の増強に努めることが第一と考えております。
運転資金および設備資金につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金により資金を調達しております。当社の資金需要につきましては、運転資金需要は映画館や自動車教習所の運営費、テナントビルの維持管理費等、設備資金需要は映画館、自動車教習所、テナントビルにおける設備投資や固定資産の更新等であります。戦略的に経営資源を配分し持続的な企業価値向上と安定的な株主還元の充実に努めてまいります。
⑤ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、資産・負債の報告金額及び報告期間における収益・費用の報告金額を継続的かつ適正に評価するために、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な方法に基づき、また予測し有る偶発事象の影響値等も加味しながら、いくつかの重要な見積りおよび仮定を用いております。しかしながら、見積りや仮定に特有の不確実性があるため、実際の結果がこれらの見積りおよび仮定と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
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