(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期の経営成績の状況
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(単位:百万円) |
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売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主に 帰属する 当期純利益 |
1株当たり 当期純利益 (円、銭) |
当連結会計年度 |
30,587 |
4,432 |
4,689 |
3,017 |
192.51 |
前連結会計年度 |
29,384 |
4,282 |
4,537 |
3,036 |
194.88 |
前年同期間増減率(%) |
4.1 |
3.5 |
3.3 |
△0.6 |
△1.2 |
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進んだことにより、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除され回復の兆しが見られた一方、新たな変異株の出現や、国際情勢の悪化、資材価格の高騰、円安の急進等の要因により、先行きは不透明な状況となっております。
この様な環境のもと、モジュール・システム建築事業におきましては、対面とリモート式を併用した積極的な営業活動により、資材価格の高騰による新たな軽量鉄骨造建築の需要を逃すことなく受注拡大に注力してまいりました。
ユニットハウス事業におきましては、建設現場における仮設事務所の需要を取り込むことはもちろん、コロナ禍による「仮設外来診療所」や「仮設PCR検査所」などの需要を積極的に取り込み、併せて、TVコマーシャルによるブランディングや、半年間にわたる全国一斉のキャンペーンを実施する等、展示場の活性化にも注力して販売拡大に努めてまいりました。
その結果、当連結会計年度における売上高は305億8千7百万円(前年同期比4.1%増)、営業利益は44億3千2百万円(前年同期比3.5%増)、経常利益は46億8千9百万円(前年同期比3.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、30億1千7百万円(前年同期比0.6%減)となりました。
セグメント別の概要は次のとおりであります。
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(単位:百万円) |
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報告セグメント |
調整額 |
連結損益計算書計上額 |
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ユニット ハウス事業 |
モジュール・システム建築事業 |
建設機械 レンタル事業 |
計 |
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売上高 |
25,194 |
4,221 |
1,170 |
30,587 |
- |
30,587 |
営業利益 |
3,843 |
489 |
143 |
4,476 |
△44 |
4,432 |
(ユニットハウス事業)
ユニットハウス事業におきましては、販売では常設展示場の品揃え強化の徹底、並びに半年間にわたる全国一斉キャンペーンを実施し、販売拡大に努めてまいりました。レンタルでは引き続き堅調な需要に対応するため、自社・委託工場の生産棟数を拡大し、繁忙期の前に、予め全国への配備を完了させる施策にて機会損失を徹底的に撲滅することにより、年間を通じて高い稼働率で推移しました。また、コロナ禍による医療機関への「仮設外来診療所」や「仮設PCR検査所」などの需要にも対応してまいりました。
その結果、当事業のセグメント売上高は251億9千4百万円(前年同期比4.3%増)となりました。またセグメント利益は38億4千3百万円(前年同期比1.0%減)となりました。
(モジュール・システム建築事業)
モジュール・システム建築事業におきましては、アフターコロナを見据えて先送りとなっていた設備投資の需要や、ウッドショックに起因する資材価格の高騰による木造建築から軽量鉄骨への需要転換に対する積極的な受注活動を推し進めております。また、独自に開発した3D見積りシステムを導入したことで、図面や見積りを提示するまでのリードタイムを短縮し、スピード感のある受注活動に努めてまいりました。海外においても新型コロナウイルスの影響を大きく受けましたが、コロナ明け需要を取り込むべく、積極的な受注活動を行いました。
その結果、当事業のセグメント売上高は42億2千1百万円(前年同期比3.6%増)となりました。また、セグメント利益は採算性の高い中小型工事の受注により、4億8千9百万円(前年同期比16.1%増)となりました。
(建設機械レンタル事業)
建設機械レンタル事業におきましては、第3四半期に引き続き、営業エリアである北海道南部においても新型コロナウイルスの影響を受けて建設市場の公共工事発注金額において減少傾向がみられましたが、地域に密着した営業活動の強化に取り組んでまいりました。
この結果、当事業のセグメント売上高は11億7千万円(前年同期比0.5%増)となりました。また、セグメント利益は大型自社資産の更新投資による自社建機販売の増加により、1億4千3百万円(前年同期比191.4%増)となりました。
当期の財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ10億9千万円減少し、236億5千3百万円となりました。その主な要因は、商品及び製品が2億9千3百万円、売掛金が2億6百万円、原材料及び貯蔵品が1億5千5百万円それぞれ増加した一方、現金及び預金が14億2千万円、受取手形が2億5千6百万円、電子記録債権が1億9千6百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ35億8千3百万円増加し、322億4千8百万円となりました。その主な要因は、投資有価証券が15億7千3百万円、貸与資産が13億3千4百万円、土地が6億3千8百万円、建設仮勘定が3億4百万円それぞれ増加した一方、建物及び構築物が1億2千3百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ24億9千2百万円増加し、559億2百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ3億6千7百万円増加し、48億1千1百万円となりました。その主な要因は、買掛金が5億3千8百万円増加した一方、未払法人税等が1億6千6百万円減少したこと等によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ8億1千万円減少し、8千1百万円となりました。その主な要因は、長期借入金が5億8千7百万円、その他の固定負債が1億9千3百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ4億4千3百万円減少し、48億9千3百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ29億3千6百万円増加し、510億9百万円となりました。その主な要因は、利益剰余金が20億7千8百万円、資本剰余金が8億7千8百万円それぞれ増加した一方、その他有価証券評価差額金が3億5千2百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は、91.2%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ14億2千万円減少し、127億9千4百万円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、22億2百万円(前年同期比30.0%減)となりました。主な増加要因は税金等調整前当期純利益が45億5千8百万円、減価償却費が30億7千1百万円、仕入債務の増加額が5億3千8百万円等であり、主な減少要因は貸与資産の取得による支出が41億4千7百万円、法人税等の支払額が14億7千8百万円、棚卸資産の増加額が4億9千万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は32億4千5百万円(前年同期比3.1%増)となりました。その主な要因は投資有価証券の取得による支出が21億3千8百万円、社用資産の取得による支出が11億4千3百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は3億7千7百万円(前年同期比7.5%増)となりました。主な増加要因は自己株式の処分による収入が17億1千4百万円であり、主な減少要因は配当金支払額が9億3千8百万円、長期借入金の返済による支出が5億8千7百万円等によるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの事業活動の財源は営業活動から得る収益となっております。設備投資や運転資本の充当や、配当の支払いなどに利用しております。また、持続的な事業拡大にむけて必要な資金についても、営業活動から得る収益の範囲で行っております。
当連結会計年度の現金及び預金残高が127億9千4百万円であり、当社グループの事業活動を円滑に維持する上で十分な手許資金を有しており、将来の資金需要に対しても不足が生じる懸念は少ないと判断しております。また、新型コロナウイルス感染症を起因とする懸念も、少ないと判断しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
ユニットハウス事業(百万円) |
7,298 |
113.1 |
モジュール・システム建築事業(百万円) |
573 |
99.8 |
合計(百万円) |
7,871 |
112.0 |
(注) 金額は、製造原価であります。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
モジュール・システム建築事業 |
4,168 |
95.4 |
909 |
94.5 |
合計 |
4,168 |
95.4 |
909 |
94.5 |
(注) ユニットハウス事業については見込み生産を行っているため、受注実績を記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
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ユニットハウス事業(百万円) |
販売収入 |
11,208 |
104.8 |
レンタル収入 |
13,986 |
104.0 |
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計 |
25,194 |
104.3 |
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モジュール・システム建築事業(百万円) |
4,221 |
103.6 |
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建設機械レンタル事業(百万円) |
1,170 |
100.5 |
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合計(百万円) |
30,587 |
104.1 |
(注) 総販売実績に対する割合が100分の10以上となる販売先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ24億9千2百万円増加の559億2百万円(前連結会計年度末は534億9百万円)となりました。
流動資産は236億5千3百万円(前連結会計年度末は247億4千3百万円)となりました。これは主に、電子記録債権が1億9千6百万円、現金及び預金が14億2千万円、受取手形が2億5千6百万円それぞれ減少した一方、売掛金が2億6百万円増加したこと等によるものであります。
固定資産は、322億4千8百万円(前連結会計年度末は286億6千5百万円)となりました。これは主に、投資有価証券が15億7千3百万円、貸与資産が13億3千4百万円、繰延税金資産が1億2千3百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
当社グループは、鉄骨を主構造とするユニットハウス、プレハブ・システム建築の製造・販売及び請負工事業をコア事業として営んでおります。コア事業の拡大と事業効率の向上によって、当社グループ事業全体の発展を図るとともに、全国すべての地域において貢献できる企業としての確固たる事業基盤を構築するために、取引先との協力関係の更なる強化及び構築を進めております。また、ユニットハウス事業の主要資産である貸与資産は、前連結会計年度から増加しています。これは貸与レンタルと中古資産の販売強化を図るため生産棟数を強化したことによります。ユニットハウス事業は現況において、収益のコア事業であり、販売収入・レンタル収入の強化とともに、貸与資産の増加に今後も取り組んでまいります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ4億4千3百万円減少の48億9千3百万円(前連結会計年度末は53億3千6百万円)となりました。
流動負債は48億1千1百万円(前連結会計年度末は44億4千4百万円)となりました。これは主に、未払法人税等が1億6千6百万円減少した一方で、買掛金が5億3千8百万円増加したこと等によるものであります。
固定負債は8千1百万円(前連結会計年度末は8億9千2百万円)となりました。その主な要因は、長期借入金が5億8千7百万円、その他の固定負債が1億9千3百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ29億3千6百万円増加の510億9百万円(前連結会計年度末は480億7千2百万円)となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が3億5千2百万円、自己株式が3億3千3百万円それぞれ減少した一方、利益剰余金が20億7千8百万円、資本剰余金が8億7千8百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。この結果、自己資本比率は、91.2%となりました。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ12億3百万円増加の305億8千7百万円となりました。
前連結会計年度比においては、ユニットハウス事業が4.3%、モジュール・システム建築事業が3.6%、建設機械レンタル事業は0.5%のそれぞれ増加となりました。ユニットハウス事業は収益のコア事業であったなかで、レンタルの事業生産性が向上した成果であります。モジュール・システム建築事業は第二のコア事業に育てる過程の成果であり、受注高拡大に向け地域に密着した営業活動を強化してまいります。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、前連結会計年度に比べ6億1千3百万円増加の180億6千6百万円となりました。
売上高の伸張と売上原価の伸張は売上原価圧縮にて比例的に推移しております。当連結会計年度の原価率は59.1%、前連結会計年度は59.4%と0.3%減少となりました。モジュール・システム建築事業の粗利率の高い中小型建築の受注が増加したことに伴い、当連結会計年度の売上原価を抑制している以外に、売上原価に特筆すべき事項はありません。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ4億4千万円増加の80億8千9百万円となりました。
売上高の伸張と販売費及び一般管理費の伸張は比例的に推移しております。
前連結会計年度に比べ増加している広告宣伝費は、ブランディングを目的としてテレビCMやWEB広告を継続しております。運送費はユニットハウス事業の旺盛なレンタル対応に向けた物流体制を構築するうえで、稼働ピークを迎える前に、計画的に自社工場より不足予定地域へ移動運送したことにより、増加しております。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度末に比べ1千9百万円減少の30億1千7百万円となりました。
営業外収益、営業外費用において特筆すべき事項はありません。
特別利益、特別損失において特筆すべき事項はありません。
当社グループのセグメントの概要については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える要因としましては、公共工事予算並びに民間設備投資金額の推移があります。公共投資は前年と比較して底堅く推移しており、民間設備投資についても新型コロナウイルス感染症対策と社会経済活動の両立を進める動きが本格化しており、回復基調を維持するものの資材価格の高騰や国際情勢の動向等不安定な状況が予想されます。
建設業界におきましては、短期的には新型コロナウイルス感染収束後の補正予算や、保留となっていた民間設備投資などの一時的な受注環境の好転が予想されますが、中期的には資材高騰、国際情勢の悪化、過度な円安傾向などにより先行きが不透明なことから、経営環境は予断を許さない状況が予想されます。
なお、主要な取り組みにおける成果としては、民間受注と官公庁受注の売上高計画達成率は54.7%、展示場受注の売上計画達成率は90.1%となっており、当社グループは、着実に売上高計画を達成すべく、モジュールベース(モジュール建築、ユニットハウスの大型総合展示場)、サテライト(小型の展示場)の大幅増設による販売網の拡大を図るとともに、3D見積りシステムを導入しスピード感のある提案力の強化も図ってまいります。また、技術者の育成に着眼をおき、社員の資格取得を積極的に支援することで技術者不足の解消に努めてまいります。また、モジュール・システム建築事業のさらなる拡大のためのM&Aや協業体制の推進による人材確保や人材の効率化を図ります。
レンタル事業における主要な取り組みにおける成果としては、稼働率計画達成率は93.4%となっており、計画を達成すべく豊富な手元資金を背景に拡大する需要に対応し、貸与資産への設備投資を積極的にスピード感をもって行ってまいります。
ユニットハウス事業、モジュール・システム建築事業での、低層建築市場における「軽量鉄骨ゼネコン」としての確立を目指してまいります。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社の資金需要の主なものは、設備投資や投資から回収まで数年を要する貸与資産などの長期資金需要と、製品製造のための原材料の購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。
当社の資本の財源及び流動性については、事業活動に必要な現金を安定的に確保することを基本としており、資金調達につきましては自己資金を基本としております。
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