課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

社会の繁栄とともに歩むのが、企業のあるべき姿だと私たちは考えます。企業が成長する中で、社会のどの分野でお役に立てるのか。地球環境の保全にどのように貢献できるのか。それを実践するために、ナガワが常に意識しているのがトリプルボトムラインです。企業価値、環境的価値、そして経済的価値の3つの視点から、企業の社会的責任を果たしてまいります。

(2) 経営戦略等

成長・発展を主テーマとして、自らを変革し大きく飛躍し、国内及び海外事業の強化、拡大を進めるとともに、経営の効率化に取り組むことで、国際競争力の向上を図ります。

主要な取り組みは以下のとおりです。

① ユニットハウス販売、貸与

イ.常設、サテライト展示場出店の強化

ロ.中古販売の促進

ハ.国体等イベント関連受注の促進

② モジュール・システム建築

イ.アライアンス強化(協業)の推進

ロ.既存建築から振替需要への事業展開強化

ハ.設計体制及び施工体制の充実化

ニ.3D見積りシステムの活用による提案力強化

③ 建設機械レンタル事業

イ.北海道南部建設市場の収益力強化

ロ.収益商品への積極的投資

ハ.整備士の資格取得推進による人材強化

④ 海外事業

イ.NAGAWA OY CONSTRUCTION Co.,Ltd.

 既存及び新規進出日系企業の拡大(事務所、工場、倉庫、商業店舗等の需要)

(3) 経営環境

 翌連結会計年度につきましては、新型コロナウイルス感染症対策と社会経済活動の両立を進める動きが本格化し、新型コロナウイルス感染症の影響による落ち込みから回復基調を維持するものの、資材価格の高騰や、国際情勢の動向等、引き続き予断を許さない状況が予想されます。

 建設業界におきましては、新型コロナウイルス感染症収束後の補正予算等への期待から、一時的な受注環境の好転が期待されるものの、資材価格の高騰や、国際情勢の先行きが不透明なことから、経営環境は予断を許さない状況が続くことが予想されます。

 2023年3月期通期業績の見通しにつきましては、連結売上高14.4%増、連結営業利益17.3%増、連結経常利益15.2%増、親会社株主に帰属する当期純利益22.6%増を予想しております。

 このような環境のもと当社グループといたしましては、アフターコロナで拡大する需要に着実に対応すべく、(1)モジュールベース(大型展示場)、サテライト展示場の増設による空白地域での販売網の拡大、(2)3D見積りシステムを活用したスピード感ある提案力の強化、(3)岡山工場新設による製造拠点の拡大及び供給体制の確立、(4)モジュール・システム建築事業拡大のためのM&A推進による人材確保と業容拡大、(5)資格取得によるプロ集団の形成に取り組み、低層建築市場における「軽量鉄骨ゼネコン」の確立を目指してまいります。

 また、海外につきましては、小型案件から中型案件の受注を強化し、安定的な収益基盤を確立しながら黒字化と業容拡大を図ってまいります。さらに日本からの技術支援も同時に行い、現地社員のスキル強化、ITによる業務効率化も進めてまいります。

 さらに、多様化する顧客の要望に対応するため、商品開発を進め優位性の高い商品を供給するのはもちろん、販売網の拡大と、自社工場新設による供給力の強化も進めてまいります。

 また、コーポレートガバナンスをはじめコンプライアンス遵守とリスクマネジメントに誠実に取り組み、経営の透明性と健全性を一層高め、継続的な企業価値向上に努めてまいります。

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループの対処すべき課題として、短納期、低コストのモジュール・システム建築を中心に低層建築市場の開拓、建築施工体制の充実化を積極的に推進するために、人材育成のための資格取得を積極的に支援し、建築施工体制の強化を図ってまいります。また、価格競争力強化のため、3D見積りシステムを活用した業務効率化と、物流体制の強化・効率化を行ってまいります。

 さらに多様化する需要にこたえるべく、商品開発と品質管理の徹底を進めるとともに、コーポレートガバナンスをはじめコンプライアンスの遵守とリスクマネジメントに誠実に取り組み、経営の透明性と健全性を確保し、継続的な企業価値の向上に努めてまいります。

(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 ユニットハウス事業、モジュール・システム建築事業、建設機械レンタル事業における主要な取り組みは、民間受注と官公庁受注さらに展示場受注に区別して社内目標値を設定し、達成状況を判断しております。レンタル事業については、主に保有数量及び稼働率を指標として使用しております。

 これらに基づき、レンタル事業が投資から回収まで数年を要する事業特性から業績の伸長を踏まえ、かつ将来の事業展開、設備投資等を長期的、総合的に勘案したうえで、将来の設備投資動向等の資金を睨みつつ、概ね『総還元性向』30%以上を目安とし、増配や自己株式の取得を行うなど株主の皆様への還元を行っております。

 

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