文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況について
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ20億46百万円増加し、523億44百万円と
なりました。これは主に、売掛金が増加したことによるものであります。負債につきましては、前連結会計年度末に比べ49億3百万円増加し、443億48百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金、長期借入金が増加したことによるものであります。純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ28億56百万円減少し、79億96百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により、利益剰余金が減少したことによるものであります。
②経営成績の分析
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大による影響が長期化するなか、各種制限が撤廃された10月以降一部に改善の兆しが見られましたものの、観光業や飲食業を中心に総じて厳しい状況が続くなど依然として先行き不透明な状況にて推移いたしました。
このような状況において、スパリゾートハワイアンズにつきましては、前期の第1四半期が緊急事態宣言を受けてほぼ全期間にわたり日帰り及び宿泊施設を休館としておりましたことから、前期比増収増益となりましたものの、
新型コロナウイルス感染症の影響により、引続き厳しい状況が続きました。
燃料商事事業につきましては販売数量の増加により好調に推移いたしました。
製造関連事業及び運輸業につきましては原油価格の上昇及び原材料価格の高騰も相まって、厳しい状況にて
推移いたしました。また、長期化するコロナ禍に伴う極めて厳しい事業環境に鑑み、希望退職者を募集する等一層の効率的な体制構築に努めました。
なお、当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という)等を適用しております。従いまして、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、経営成績に関する説明において増減額及び前期比(%)については記載しておりません。この収益認識会計基準等の適用により当連結会計年度の売上高は180億71百万円減少し、売上原価は180億78百万円減少し、売上総利益は
6百万円増加し、営業損失、経常損失及び税金等調整前当期純損失はそれぞれ6百万円減少しております。
この結果、当連結会計年度の売上高は、110億81百万円(前期は150億97百万円)、営業損失は23億39百万円(前期は営業損失28億99百万円)、経常損失は23億12百万円(前期は経常損失30億12百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は27億11百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失28億84百万円)となりました。
(2)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
[観光事業]
スパリゾートハワイアンズにつきましては、新型コロナウイルス感染再拡大に伴い断続的に緊急事態宣言や
まん延防止等重点措置が発出されたことにより、旅行や飲食等の自粛が継続する等引続き極めて厳しい営業環境と
なるなか、お客様と従業員、関係者の健康と安全を最優先として運営をしてまいりました。日帰り部門につきましては、ゴールデンウィーク期間中に、AR(拡張現実)技術による新体感型イベント「HADOパーク in ハワイアンズ」と人気お笑い芸人によるステージイベント「笑フェス in ハワイアンズ」、夏休み期間中に、テレビアニメの世界観を演出したエリアで水遊びを体験できる「トロピカル~ジュ!プリキュア プールランド in ハワイアンズ」と多彩な身体能力を持ったアスリートたちが肉体を駆使したパフォーマンスをミュージカル形式で披露するオリジナル
「ハワイアンズ theアスリート energy~笑う筋肉~」を開催いたしました。また、11月には「笑フェス in
ハワイアンズ」、オリジナルアニメ映画『フラ・フラダンス』(12月3日~全国公開)を記念した「特別
パネル展」、「期間限定特別ショー公演」、冬休み期間中には、「VRシアター in ハワイアンズ」、「仮面ライダー大集合」と「プリキュアオールスターズがやってくる」、春休み期間中には、「鬼滅の刃」イベントなど、
ロングラン及び短期間の多様なイベントを開催したほか、ウォータースライダー2種を3月25日にリニューアル
オープンし、さらに、積極的な広告活動が行えない状況のなかSNSを中心に話題づくりや集客キャンペーン等を継続
的に実施いたしました。
宿泊部門につきましては、新しい生活様式に合わせたきめ細やかな受入れ及び安心安全な食のサービス提供を実施するとともに、新たな旅行プランとして「世界最大級の露天風呂『与市』の貸切」や「フラガールやシバオラの貸切ショー」等に加えて、10月より着地型周遊観光バスの再開や少人数に対応した個人型地元観光商品等、地域との連携
を強化した多種多様な旅行プランを提供し続けてまいりました。
また、7月26日にグランピング施設「マウナヴィレッジ」を開業し、新たなお客様にご利用いただきご好評を得て
堅調に推移しました。
長期に亙って発出された緊急事態宣言・まん延防止等重点措置が10月より全国一斉解除されたものの、1月下旬から3月下旬にかけてまん延防止等重点措置の再適用や、政府による経済対策GoToトラベルの再開延期になった
こともあり、旅行市場が依然として停滞状態にて推移したことにより、利用人員につきましては、日帰り部門は
465千人(前期比119千人、34.4%増)となり、宿泊部門は171千人(前期比51千人、42.7%増)となりました。
なお、前期は4月8日から6月30日まで日帰り施設及び宿泊施設の全施設を完全休業しておりました。また、
前期は7月22日から12月28日まで、全国一律を対象としたGoToトラベルが実施されておりました(東京都は10月1日から対象)。
スパリゾートハワイアンズ・ゴルフコースにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響により地元圏に
おけるコンペやゴルフパックの利用が減少するなか、自社WEB予約受付を新たに開始し、宿泊ゴルフパックの販売を
再開したものの、利用人員は37千人(前期比6千人、20.0%増)に留まりました。
この結果、当部門の売上高は50億69百万円(前期は37億2百万円)となりました。
なお、2020年11月1日に実施した組織改革及びこれに伴う業務改革によるコストの最適化が進み、営業損失は
14億90百万円(前期は営業損失23億73百万円)となりました。
[燃料商事事業]
石炭部門及び石油部門につきましては、販売先への種々の提案が奏功したことにより販売数量が
大幅に増加する一方、資材部門につきましては販売数量減少により減益となりました。発電事業につきましては、
概ね堅調に推移しております。
この結果、当部門の売上高は、収益認識会計基準等の適用もあり27億4百万円(前期は79億8百万円)、営業利益は2億38百万円(前期は1億8百万円)となりました。
[製造関連事業]
建設機械用製品の販売数量が増加しましたものの、主に国内及び中国向け船舶用モーターの販売数量が減少した
ことにより厳しい状況にて推移いたしました。
この結果、当部門の売上高は15億25百万円(前期は15億89百万円)、原材料価格の高騰により営業利益は71百万円
(前期は1億9百万円)となりました。
[運輸業]
石油小売部門につきましては、原油価格の上昇により増収となりましたものの、ガソリン等の需要低迷により販売数量は減少いたしました。港湾運送部門につきましては、発電所向け石炭輸送並びにセメント関連輸送が需要低迷等
により減少し、減収となりました。
この結果、当部門の売上高は17億42百万円(前期は18億94百万円)、原油価格の上昇による原価増等があり
営業利益は17百万円(前期は50百万円)となりました。
[アグリ事業]
アグリ事業につきましては、2021年8月に大規模農業施設が完成し、ミニトマトの定植を行い、10月より一部
地元圏への出荷に着手し、12月からは本格的に首都圏市場へ出荷を開始いたしました。品質は市場から高い評価を
得ているものの、収穫・オペレーションの確立に時間を要したことなどから、厳しい状況にて推移いたしました。
この結果、当部門の売上高は40百万円(前期は2百万円)、大規模農業施設の本格稼働による費用の増加により
営業損失は1億84百万円(前期は営業損失64百万円)となりました。
(3)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2018年度より2020年度まで3ケ年の「中期経営計画~かいしん~“ひとりひとり”が主役」を
「成長への足場固め」と位置づけ、観光事業における『構造改革』を進めるとともに、財務健全性の強化などに
加え、アグリ事業など『新たな成長』に向けた新規事業にも着手、実行してまいりました。
しかしながら、2019年度末に発生した新型コロナウイルス感染症拡大により、策定時に前提としていた事業環境
並びに当社グループの状況も大きく変化いたしました。
本来は新たな中期計画を策定し、開示するべきところではございますが、いまだ新型コロナウイルス感染症の
収束が見通せない現況下、中長期の合理的な計画を立案することは非常に困難であり、計画と実績の乖離が大きく
なる懸念もあるため、今次策定を見送ることといたしました。
つきましては、新型コロナウイルス感染症の収束が見えてきた等の然るべき時期に、策定並びに開示する所存で
ございます。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、30億87百万円と前連結会計年度末に比べ9億3百万円減少いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロ-)
当連結会計年度における営業活動の結果使用した資金は、14億8百万円(前期は30億34百万円の使用)となりました。これは主に、減価償却費15億9百万円、仕入債務の増加額33億77百万円、その他の流動負債の増加額9億40百万円があった一方、売上債権の増加額43億51百万円、税金等調整前当期純損失27億43百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロ-)
当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は、5億35百万円(前期は10億22百万円の使用)となりました。これは主に、補助金の受取額5億28百万円があった一方、固定資産の取得による支出11億31百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロ-)
当連結会計年度における財務活動の結果得られた資金は、10億40百万円(前期は48億34百万円の獲得)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出31億21百万円、短期借入金の純減額2億28百万円があった一方、長期借入れによる収入45億90百万円があったことによるものです。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、観光事業の商品・食材等、燃料商事事業の石炭・石油類、その他事業の商品・材料等の仕入、並びに各事業セグメントの販売費及び一般管理費等の営業費用があります。設備資金需要の主なものは、観光事業における設備の新設及び維持更新等があります。
当社グループの運転資金及び設備資金につきましては、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っております。借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金を基本としており、観光設備の新設及び維持更新等については長期借入金を基本としております。なお、当連結会計年度末の有利子負債の残高は、336億75百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は30億87百万円となっております。
当社グループといたしましては、有利子負債の返済を着実に進めると共に、各事業活動を円滑に推進するための安定的な資金調達を行い、財務体質の維持・強化に努めてまいります。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
(7)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前期比(%) |
製造関連事業(百万円) |
1,304 |
98.9 |
合計(百万円) |
1,304 |
98.9 |
(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記以外の事業(「観光事業」「燃料商事事業」「運輸業」「アグリ事業」)につきましては、受注・生産型の営業活動は行ってないため、生産実績は記載しておりません。
②受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
製造関連事業 |
1,502 |
125.7 |
205 |
89.8 |
合計 |
1,502 |
125.7 |
205 |
89.8 |
(注)1.セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記以外の事業(「観光事業」「燃料商事事業」「運輸業」「アグリ事業」)につきましては、受注型事業ではないため、受注高及び受注残高はありません。
③商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前期比(%) |
観光事業(百万円) |
217 |
- |
燃料商事事業(百万円) |
2,401 |
- |
合計(百万円) |
2,618 |
- |
(注)1.セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.観光事業においては、その他商品の仕入を、燃料商事事業においては石炭・石油類、その他商品の仕入を行っております。
3.当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という)等を適用しております。従いまして、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、前期比(%)については記載しておりません。
④販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前期比(%) |
観光事業(百万円) |
5,069 |
- |
燃料商事事業(百万円) |
2,704 |
- |
製造関連事業(百万円) |
1,525 |
- |
運輸業(百万円) |
1,742 |
- |
アグリ事業(百万円) |
40 |
- |
合計(百万円) |
11,081 |
- |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という)等を適用しております。従いまして、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、前期比(%)については記載しておりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
常磐共同火力㈱ |
5,072 |
33.6 |
- |
- |
環テックス㈱ |
1,656 |
11.0 |
- |
- |
4.販売実績が総販売実績の100分の10未満の相手先については記載を省略しております。
5.常磐共同火力㈱及び環テックス㈱に対する当連結会計年度の総販売実績に対する割合は100分の10未満のため記載を省略しております。
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