当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5[経理の状況] 1[財務諸表等] (1)[財務諸表] [注記事項]に記載しております。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5[経理の状況] 1[財務諸表等] (1)[財務諸表] [注記事項](重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
新型コロナウイルス感染症の影響については、当社は、徐々に影響が縮小すると仮定し策定した中期経営計画に基づき、繰延税金資産の回収可能性の判断や固定資産の減損損失の判定における会計上の見積りを行っております。
なお、新型コロナウイルス感染症の今後の動向については、経済活動が段階的に再開し、持ち直しの動きがみられる一方で、依然として不透明感が残っており、感染の再拡大等により、上述の仮定が見込まれなくなった場合には、将来において損失が発生する可能性があります。
(2)経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況が徐々に緩和され、経済社会活動が正常化に向かう一方で、変異株ウイルスによる感染再拡大、ウクライナ情勢の緊迫化、原材料価格の高騰、金融資本市場における円安進行等の景気下振れリスクが拡大し、不透明な状況が続きました。
このような状況下、当社は各事業がそれぞれの特性に応じた施策の推進に努めました。
当事業年度の経営成績は、営業収益につきましては、保険事業は前期を上回り、千本松牧場は「収益認識に関する会計基準」(以下、収益認識会計基準)等適用の影響もありましたが前期を上回り、不動産事業、ゴルフ事業は前期を下回りました。全体での営業収益は4,937百万円(前期比90百万円増、うち収益認識会計基準適用の影響により325百万円減)と前期比増収となりました。
営業総利益につきましては、保険事業、不動産事業、千本松牧場は前期を上回りましたが、ゴルフ事業は前期を下回り、全体では1,108百万円(前期比282百万円増、うち収益認識会計基準適用の影響により17百万円減)と前期比増益となりました。一般管理費は664百万円(前期比45百万円増)と前期を上回り、営業利益は443百万円(前期比236百万円増、うち収益認識会計基準適用の影響により17百万円減)と前期比増益となりました。営業外収益にゴルフ会員権消却益219百万円(前期比72百万円増)を計上したことを主因に、経常利益は682百万円(前期比324百万円増、うち収益認識会計基準適用の影響により17百万円減)、当期純利益は470百万円(前期比256百万円増、うち収益認識会計基準適用の影響により12百万円減)となりました。
なお、収益認識会計基準の適用に係る詳細につきましては、「第5[経理の状況] 1[財務諸表等] (1)[財務諸表] [注記事項](会計方針の変更)」をご参照ください。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
① 保険事業
お客様とのリレーションを深め、様々なリスクマネジメントのご要望に応じた保険商品をご提案する等、お客様に寄り添ったコンサルティングを推進しました。営業収益は、生命保険分野で新たなご契約を数多くいただいたことに加え、損害保険分野で多くのお客様に既存契約の更改をしていただいたことを主因に両分野とも増加し、全体で1,188百万円(前期比66百万円増)となりました。営業原価は生産性向上の取り組みに伴う費用増加を主因に前期を上回り、営業総利益は433百万円(前期比43百万円増)となりました。
② 不動産事業
所有不動産の入居率はほぼ満室状態で安定的に推移しましたが、収益認識会計基準適用の影響等により、営業収益は1,206百万円(前期比4百万円減)となりました。営業原価は経費の見直し等により前期を下回り、営業総利益は727百万円(前期比123百万円増)となりました。
③ 千本松牧場
新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況が続きましたが、下半期には、社会全体でウィズコロナへの移行が進む中、観光施設へのご来場者数も徐々に回復しました。新しい牧場コンセプト「PURE MILK FARM」の下、地産品コーナーの更なる充実、レストランメニューの拡充、動物と触れ合えるスペースの増設、レストランでの行列解消の為の順番待ち機の導入、景観の向上等、「密」を回避しながらご来場者様により安心してお楽しみいただける牧場づくりに努めたことで、観光施設は前期比増収となりました。外販営業は地元量販店、ギフト商社向けが伸長し、前期比増収となりました。7月から8月にかけては、アイスクリームの在庫不足による欠品が発生し皆様にご迷惑をお掛けしましたが、対策を講じ正常化いたしました。酪農は搾乳量、搾乳牛頭数とも増加いたしましたが、収益認識会計基準適用の影響で前期比減収となりました。
この結果、営業収益は全体で1,763百万円(前期比51百万円増)となりました。営業原価は収益認識会計基準適用の影響を主因に前期を下回り、営業総損失は18百万円(前期比147百万円改善)となりました。
④ ゴルフ事業
ゴルフ場の基盤であるコースコンディションの維持・向上に引き続き取り組み、ご来場者様から高いご評価をいただいたことに加え、プレー前日宿泊プランのご提供、レディースデーの増設、メール・LINE等を活用した積極的な情報・プレープランのご案内等、より多くの方にご来場いただけるよう努めました。また、クラブハウス売店の商品見直しや酒類を中心とした品揃えの充実、お得な割引セットの販売、レストランにおけるメニューや食味の改善等に取り組み、ご来場者様の満足度向上にも努めました。6月には、昨年5月に続き西那須野カントリー倶楽部で男子プロトーナメントを開催し、わが国有数のゴルフ場としての認知度は更に向上いたしました。
この結果、ハイシーズンは前年を上回る方にご来場いただきましたが、12月~2月の降雪によるクローズの影響を回復するには至らず、通期のご来場者数は前期を下回り、営業収益は779百万円(前期比23百万円減)となりました。営業原価は、ご来場者数減に伴う変動費の減少に加えて経費の抑制に努めましたが、施設修繕費が増大したことから前期を上回り、営業総損失は34百万円(前期比31百万円悪化)となりました。
(3)財政状態の状況
(資産)
当事業年度末の流動資産は3,930百万円となり、前期比205百万円減少しました。これは主に現金及び預金が減少したことによるものです。固定資産は14,947百万円となり、前期比61百万円増加しました。これは主に投資有価証券の増加によるものです。
この結果、総資産は、18,877百万円となり、前期比143百万円減少しました。
(負債)
当事業年度末の流動負債は1,255百万円となり、前期比38百万円減少しました。これは主に未払金及び未払費用の減少によるものです。固定負債は9,025百万円となり、前期比578百万円減少しました。これは主にゴルフ会員権買取等による長期預り保証金が減少したことによるものです。
この結果、負債合計は、10,280百万円となり、前期比617百万円減少しました。
(純資産)
当事業年度末の純資産合計は8,596百万円となり、前期比473百万円増加しました。これは主に当期純利益の計上によるものです。
(4)キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前期比286百万円減少し、2,700百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前当期純利益675百万円を主因に620百万円の収入(前期は886百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出△446百万円を主因に429百万円の支出(前期は246百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
ゴルフ会員権買取等△271百万円、長期借入金の返済による支出△100百万円、配当金の支払い△69百万円等を主因に477百万円の支出(前期は752百万円の支出)となりました。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
|
2020年9月期 |
2021年9月期 |
2022年9月期 |
自己資本比率(%) |
41.2 |
42.7 |
45.5 |
時価ベースの自己資本比率(%) |
22.0 |
22.8 |
22.1 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
- |
3.5 |
4.8 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
- |
28.4 |
20.6 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
キャッシュ・フローは、キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いは、キャッシュ・フロー計算書の利息支払額を使用しております。
なお、2020年9月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。
当社は、全社収益向上とゴルフ預り保証金の償還を見据えた上で、事業拡充投資と内部留保とのバランスの取れた運営を基本方針としております。
事業運営に必要な運転資金、固定資産の取得資金、ゴルフ会員権の買取資金等につきましては、基本的には内部資金及び金融機関からの借入により資金調達しております。
(5)生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、保険事業・不動産事業・ゴルフ事業については生産を行っておりません。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2021年10月1日 至 2022年9月30日) |
前年同期比(%) |
千本松牧場(千円) |
518,032 |
98.6 |
(注)上記金額は、製造原価により表示しております。
b.受注実績
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高 (千円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比(%) |
千本松牧場 |
329,462 |
103.6 |
1,217 |
59.0 |
(注)上記金額は、販売価格により表示しております。
c.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2021年10月1日 至 2022年9月30日) |
前年同期比(%) |
保険事業(千円) |
1,188,250 |
106.0 |
不動産事業(千円) |
1,206,006 |
99.6 |
千本松牧場(千円) |
1,763,510 |
103.0 |
ゴルフ事業(千円) |
779,824 |
97.1 |
合計(千円) |
4,937,592 |
101.9 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 |
前事業年度 (自 2020年10月1日 至 2021年9月30日) |
当事業年度 (自 2021年10月1日 至 2022年9月30日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
三井住友海上火災保険株式会社 |
626,116 |
12.9 |
644,996 |
13.1 |
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