(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、海外の市場環境の回復に加え、政府による活動制限の緩和や経済対策等により、経済活動は持ち直しの動きが見られたものの、ウクライナ情勢の影響による資源価格の高騰や世界的な物価上昇の他、円安の影響もあり、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
建設業界においては、各地の交通インフラの補修工事が堅調な他、都市再開発工事や物流倉庫等の新設工事、災害復旧工事が底堅く推移しました。
このような状況下、当社グループ(当社及び連結子会社)は、中期経営計画“Vision 2023”に基づき、ロジスティックス・イノベーションを推進し、一部の地域で社内の物流システムやオンラインレンタルの実証実験を開始した他、社会課題の解決に貢献できるソリューションの提供に向けた木造モジュール事業では、社用設備として7箇所設置し、ノウハウの蓄積に取り組んでまいりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響として、イベントの中止や延期が続いておりましたが、感染症対策を行った上で音楽イベントやスポーツイベント、展示会等を再開する動きが広がり、順調に受注活動を進めております。
その結果、連結売上高は170,634百万円(前年同期比105.5%)、営業利益14,884百万円(同108.5%)、経常利益14,301百万円(同106.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益9,167百万円(同103.8%)となりました。また、EBITDAは49,686百万円(同104.9%)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
イ.レンタル関連事業
道路・土木関連分野では、全国的な高速道路のリニューアル工事において、橋梁点検車を受注した他、工事規制予告や交通状況を表示するLEDパネル「LIP」や路面点滅誘導灯「ミチテラ」等の安全対策関連商品が売上を押し上げました。また、バッテリー式のミニショベルやバイオ燃料建機等、静音かつCO2削減にもつながる環境対策商品を導入しました。
建築・設備関連分野では、首都圏の再開発工事が復調となった他、各地の物流倉庫や半導体部品工場の新設工事により、売上を順調に伸ばしました。また、仮設のWi-Fi環境を構築する「PicoCELA」や、気象情報や騒音・振動等さまざまな計測データをクラウドで一括管理する「クラウド16」等、ITによる現場の効率化を進めております。
イベント分野では、ワクチン接種会場への備品レンタルが売上の下支えとなった他、対面イベントの中止や延期が続くなかでオンラインイベントを受注しました。また、開催制限の緩和により徐々に再開されたスポーツイベントや学会、コンサート会場等でテントや大型LEDディスプレイ、撮影機材等の売上が復調傾向となりました。
その結果、売上高は164,180百万円(前年同期比106.6%)、営業利益14,221百万円(同110.0%)となりました。
ロ.その他
海外製建機の販売に注力しておりますが、売上高は6,453百万円(前年同期比83.4%)、営業利益593百万円(同89.5%)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は261,699百万円と、対前年同期比で105.1%、12,765百万円の増加となりました。主な要因は受取手形、売掛金及び契約資産の増加1,114百万円、商品及び製品の増加1,958百万円、流動資産・その他に含まれる設備立替金の増加1,008百万円、貸与資産の増加2,521百万円、土地の増加2,011百万円及び建設仮勘定の増加3,436百万円であります。
負債合計は144,921百万円と、対前年同期比で104.9%、6,775百万円の増加となりました。主な要因は支払手形及び買掛金の増加1,157百万円、短期借入金の増加1,057百万円及び長期借入金の増加6,388百万円、並びにリース債務の減少1,342百万円であります。
純資産合計は116,778百万円と、対前年同期比で105.4%、5,990百万円の増加となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ114百万円増加して47,485百万円(前年同期比100.2%)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは21,321百万円(前年同期比277百万円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益14,271百万円の他、減価償却費30,352百万円、賃貸資産の取得による支出16,887百万円及び法人税等の支払額4,852百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用されたキャッシュ・フローは9,153百万円(前年同期は5,588百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出8,300百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用されたキャッシュ・フローは12,083百万円(前年同期は1,974百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入13,312百万円に対し、有利子負債の返済による支出21,054百万円及び配当金の支払額2,359百万円が上回ったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
イ.貸与能力
当社グループの営業の主力を占める貸与資産の保有高(取得価額)は次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (2022年9月30日現在) |
前年同期比(%) |
レンタル関連事業(百万円) |
238,354 |
105.5 |
(注)その他については、レンタルに関連する事業を行っておらず、貸与能力を金額で示すことに適しておりませんの
で、記載を省略しております。
ロ.貸与資産の購入実績
当社グループの営業の主力を占める貸与資産の当連結会計年度の購入実績(取得価額)は次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年10月1日 至 2022年9月30日) |
前年同期比(%) |
レンタル関連事業(百万円) |
29,335 |
96.5 |
(注)その他については、レンタルに関連する事業を行っておらず、貸与資産の購入実績を金額で示すことに適してお
りませんので、記載を省略しております。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年10月1日 至 2022年9月30日) |
前年同期比(%) |
レンタル関連事業(百万円) |
164,180 |
106.6 |
その他(百万円) |
6,453 |
83.4 |
合計(百万円) |
170,634 |
105.5 |
(注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績
当連結会計年度の経営成績の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照願います。
ロ.資産、負債及び純資産
当連結会計年度の財政状態の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」をご参照願います。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照願います。
ロ.キャッシュ・フロー指標のトレンド
|
第61期 |
第62期 |
第63期 |
第64期 |
2019年9月期 |
2020年9月期 |
2021年9月期 |
2022年9月期 |
|
自己資本比率(%) |
44.6 |
44.4 |
43.1 |
43.8 |
時価ベースの自己資本比率(%) |
35.8 |
27.6 |
32.9 |
30.3 |
債務償還年数(年) |
3.7 |
3.5 |
4.1 |
4.4 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
20.4 |
24.0 |
19.5 |
20.6 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出しております。
なお、期末発行済株式数から自己株式及び連結子会社が保有する自己株式(当社株式)のうち当社帰属分を除いております。
※営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
※利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
ハ.資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、より一層の事業基盤拡充のためのレンタル資産の増強及びM&A等の積極的な投資を行っており、これには主に営業活動で得た資金を充当するとともに、金融機関からの借入金等を充当しております。
なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務等を含む有利子負債の残高は938億31百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は474億85百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計方針の選択や適用、資産・負債及び収益・費用の報告及び開示に影響を与える見積りを行う必要があります。その見積りは、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づく合理的と考えられる様々な要因を考慮して行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大が会計上の見積りに与える影響については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
④経営上の目標の達成状況
当社グループは、中期経営計画“ Vision 2023 ”(2021年9月期から2023年9月期まで)を基に、レンタル事業を進化させ、社会課題を解決していくことが、持続的な成長につながると考えております。
ロジスティックス・イノベーションとして社内の物流ネットワークの構築・改善を進めている他、大阪・関西万博のテーマであるSDGsの達成に貢献するため、木造モジュールの受注活動に注力しました。
中期経営計画上の目標の達成を判断するための客観的な指標等の実績は以下のとおりです。
a.成長性を判断する指標
|
2021年9月期 実績 |
2022年9月期 実績 |
2023年9月期 計画 |
売上高成長率(%) |
7.0 |
5.5 |
6.2 |
営業利益成長率(%) |
20.6 |
8.5 |
2.6 |
EBITDA成長率(%) |
8.4 |
4.9 |
6.5 |
b.事業規模を示す指標
|
2021年9月期 実績 |
2022年9月期 実績 |
2023年9月期 計画 |
売上高(百万円) |
161,756 |
170,634 |
181,157 |
営業利益(百万円) |
13,714 |
14,884 |
15,271 |
EBITDA(百万円) |
47,384 |
49,686 |
52,928 |
(注)EBITDA:営業利益+減価償却費(一時償却資産を含む)+リース料
成長性及び事業規模については、売上高及び営業利益が増収増益であることに加え、レンタル資産投資による減価償却費の増加によりEBITDAも前年を上回っており、順調に推移しました。詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照願います。
c.財務の安全性・健全性を示す指標
|
2021年9月期 実績 |
2022年9月期 実績 |
2023年9月期 計画 |
自己資本比率(%) |
43.1 |
43.8 |
43.9 |
有利子負債月商倍率(ヶ月) |
6.5 |
6.6 |
6.2 |
現預金保有月商倍率(ヶ月) |
3.5 |
3.4 |
2.8 |
(注)有利子負債月商倍率:有利子負債/(売上高/12ヶ月)
現預金保有月商倍率:現預金/(売上高/12ヶ月)
営業拠点整備に係る土地・建物への投資計画に伴い早めに借入を行ったことから、自己資本比率は50%を下回る結果となりました。現預金保有月商倍率は目標である1.5ヶ月以上で推移しました。
d.レンタル資産の設備投資
|
2021年9月期 実績 |
2022年9月期 実績 |
2023年9月期 計画 |
レンタル資産の設備投資額(百万円) |
33,938 |
32,255 |
36,070 |
(注)レンタル資産設備投資額=通常購入+ファイナンス・リース調達+一時償却資産
レンタル資産の設備投資額は、EBITDAの金額を上限としておりますが、その範囲内で推移しました。
お知らせ