業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、ワクチン接種が進み経済活動に持ち直しの動きが見られます。しかしながら、足元ではウクライナ情勢やサプライチェーンの停滞、原材料・エネルギー価格の高騰により不透明感が増しております。

 当社グループが属する建設業界におきましては、公共投資は堅調に推移したものの、民間建設投資では鋼材・資材高騰の影響を受け着工遅延や見送り等も見られ引き続き動向を注視しなければなりません。

 このような環境下、当社グループの業績は国内では一部地域を除いて総じて順調に推移しました。海外ではタイ丸建㈱がコロナ禍による厳しい規制の影響を受け工事の着工や進捗が遅延しました。

 以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は191億3百万円(前年同期比9億28百万円、4.6%減)となりましたが、営業利益は10億66百万円(同3億41百万円、47.0%増)、経常利益は13億56百万円(同1億67百万円、14.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億3百万円(同92百万円、10.1%増)と減収増益となりました。
 

 セグメント別の経営成績は、次のとおりです。
①重仮設事業
 重仮設鋼材の賃貸稼働量は前年比改善したものの販売量が減少したことにより、売上高は148億35百万円(前年同期比14億12百万円、8.7%減)となりましたが、採算管理を徹底し原価低減に努めた結果、セグメント利益は15億75百万円(同2億5百万円、15.0%増)となりました。
②重仮設工事事業
 受注済みの工事案件の進捗により、売上高は27億50百万円(同3億59百万円、15.0%増)、セグメント利益は1億32百万円(同7百万円、5.6%増)となりました。
③土木・上下水道施設工事等事業
 土木水道等設備工事や工場プラント工事が堅調に推移したことにより、売上高は15億17百万円(同1億24百万円、9.0%増)、セグメント利益は76百万円(同58百万円、325.8%増)となりました。
(注)セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 ①生産実績

当社グループでは、出荷直前に取引契約の締結を行うという業界の慣習、取引形態の特殊性により、受注生産を行っていないため、修理実績、加工実績についてはセグメントごとの記載を省略しております。

なお、当社グループの工場における主たる業務は、建設用重量仮設鋼材(建設機材)の修理、加工並びに在庫管理でありますが、当連結会計年度における修理及び加工実績は次のとおりであります。

区分

金額(百万円)

前期比(%)

修理実績

314

△8.0

加工実績

286

20.0

合計

600

3.5

 

 

 ②受注実績

出荷直前に取引契約の締結を行うという業界の慣習、取引形態の特殊性により、受注高の集計は行っておりませんので、当社グループの受注実績及びそのセグメントごとの記載を省略しております。

 

 

 ③販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

重仮設

14,835

△8.7

重仮設工事

2,750

15.0

土木・上下水道施設工事等

1,517

9.0

合計

19,103

△4.6

 

 

(2) 財政状態

 当連結会計年度の資産合計は、現金及び預金の減少額13億57百万円と電子記録債権の増加額4億96百万円などにより、前期末比6億46百万円減の319億47百万円となりました。
 負債合計は、借入金の減少額19億50百万円と、支払手形及び買掛金の増加額4億61百万円、契約負債の増加額8億65百万円などにより、前期末比3億49百万円減の172億53百万円となりました。
 純資産合計は、収益認識に関する会計基準等の適用による期首利益剰余金11億37百万円の減少額、配当金2億66百万円の支払による減少額と、親会社株主に帰属する当期純利益10億3百万円の計上による増加額などにより、前期末比2億97百万円減の146億94百万円となり、自己資本比率は0.1ポイント減の44.4%となりました。

 

 セグメントごとの資産は、次のとおりであります。

(重仮設事業)

建設用重量仮設鋼材の賃貸稼働量は前年比改善したものの販売量が減少したことにより売上高が減収となり、建設機材、商品及び材料貯蔵品の保有額が80百万円減少したため、前期末比1億34百万円減の241億79百万円となりました。

(重仮設工事事業)

売上高は、受注済み工事案件の進捗により、セグメント全体で3億59百万円の増収となり、受取手形及び売掛金と電子記録債権の合計が2億21百万円増加したため、前期末比3億71百万円増の11億86百万円となりました。

(土木・上下水道施設工事等事業)

土木水道等設備工事や工場プラント工事が堅調に推移した一方で、グループ金融により余資を貸し付けたことにより、現金及び預金が1億93百万円減少したため、前期末比2億10百万円減の7億74百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フロー

①営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、10億82百万円(前期比12億65百万円の資金の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益13億64百万円の計上と、持分法による投資利益2億29百万円による資金の減少額などによるものであります。

②投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、△1億91百万円(前期比8億18百万円の資金支出の減少)となりました。これは主に、当社工場設備を中心とした有形固定資産の取得による支出1億88百万円などによるものであります。

③財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、△22億49百万円(前期比11億18百万円の資金支出の増加)となりました。これは主に、借入金の減少額19億50百万円と配当金の支払2億65百万円によるものであります。
 以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前期末比13億57百万円減の10億38百万円となりました。

 

④資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(財務方針について)

当社は、下記のとおり中期経営計画において、安定的な収益を確保し、自己資本比率の向上、NET有利子負債の削減による財務体質の強化を図っており、今後もその方針を継続してまいります。なお、第54期は収益認識会計基準等の適用による期首利益剰余金の減少があったことなどにより、自己資本比率は前期比0.1ポイント減の44.4%となりましたが、NET有利子負債は営業活動によるキャッシュ・フローが10億82百万円の黒字を確保したことなどにより、前期比5億92百万円減の50億65百万円と更に削減することができました。

 

             

第49期~第51期中期経営計画

第52期~第56期中期経営計画

目  標  値

 第51期末実績値

目  標  値

第54期末実績値

自己資本比率

NET有利子負債

 40.0%  

80億円以下  

 40.6% 

70.99億円 

45.0% 

83億円 

44.4% 

50.65億円 

 

また、第52期~第56期中期経営計画「未来への変革と創造への挑戦」において、有力パートナーや協力企業との提携、資本参加、M&Aを計画するとともに、海外ではタイ丸建㈱で大型開発案件やインフラ整備案件の需要に対応した建設用重量仮設鋼材の購入や設備投資を実施しております。また、第三の海外案件として中国において2020年8月に鋼製山留工法を用いた重仮設合弁事業を開始しており、引き続き国内外の投資案件への資金需要に対応してまいります。

 

(資本の財源)

当社グループの資金需要は、足元では建設用重量仮設鋼材の購入費・工事費・整備加工費・運送費ならびに工場設備投資に伴う支出であり、また今後中長期的には、国内では中期経営計画に基づくM&A・資本参加や新商材の開発、海外ではタイ丸建㈱での建設用重量仮設鋼材の追加購入や新規合弁事業のための投資資金であり、これらの資金需要に備えてまいります。

その資金の財源は、営業活動による収入で確保しておりますが、不足する場合は国内の金融機関からの借入により調達しており、その借入について相対での借入枠を十分確保するとともに、長期・短期のバランスを考慮して安定的な資金調達を行っております。また、当社と連結子会社の間で資金の融通を行うなど、当社グループ全体での資金の効率化を図っております。海外の持分法適用関連会社であるタイ丸建㈱の資金需要に対応するため、現地金融機関からの借入れの一部について、同社の株主である当社とItalian-Thai Development Public Co.,LTD.が債務保証を行っています。

 

(資金の流動性)

当社は、期初に開催される取締役会において、年間の資金調達方針を審議の上決定しております。また、より効率的な資金管理を行い、キャッシュ・フロー経営を徹底するために、月次単位で資金予算を管理、更新するなど、資金予算制度の充実を図り手元流動性を確保しております。なお、当社では適正な手元現預金の水準について特に定めておりませんが、当社の定例支払日である月末日において支払資金が充分に確保できる様に資金繰りを行い、また今後、新型コロナウイルス感染症により資金繰りに影響が生じた場合に備えて必要となる現金及び預金の残高を確保するとともに、各取引金融機関との間で借入枠の十分な確保に努めております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす見積りや仮定に基づく事項は、過去の実績や現状等を勘案して合理的な基準により会計上の見積りを行っております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大による会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得