課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、「優れた技術と豊富な経験を活かし、高品質のサービスを提供することにより社会の発展に貢献するとともに、顧客・株主・社員の期待に応えること」を経営方針とし事業活動を行っております。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略及び経営指標

当社グループは、2019年7月に、2020年5月期を初年度とする中期経営計画(2019年度~2022年度)を策定しており、実行しております。

同計画では、以下の基本方針の下、様々な事業施策に取り組んでおります。

1.対象期間 2020年5月期~2023年5月期(4ヵ年)

2.基本方針 「目指す将来像」の実現に向けて様々なイノベーションに取り組む4年間

①技術力向上

資格保有者の増大・新技術の活用等により、技術力の更なる向上を図り、建設コンサルタント業務の拡大を目指します。

技術力向上の一つの目安は、技術資格保有者の増大です。技術資格は、業務遂行に必要な技術を有すると共に技術者倫理を備えた技術者に与えられます。当社は、建設コンサルタント業務の拡大と技術者のコンプライアンス意識向上を図るため、職員の技術資格の取得促進に取り組んでまいりました。

昨年度、新たに13名の職員が技術士資格試験に合格し、グループ全体の技術士は217名となりました。

中期経営計画では、創業100周年における有資格者数を500名とすることを目標に、技術資格の取得促進に取り組んでまいります。

②収益機会の拡大

収益機会の拡大を目的とした業務代行・土木管財等コンサルティング業務への取組みを強化し、事業ソリューション業務の成長を目指します。

ハウスメーカーとの共同業務代行をはじめ出口戦略のしっかりとした優良案件が着実に積み上がってきています。

③BPR(業務プロセス革新)とIT戦略投資による生産性改革

BPR(業務プロセス革新)とIT戦略投資による生産性改革を断行します。業務の効率化を図るべく、基幹システムの入替えを実施するとともに、働き方改革や新型コロナウイルス感染症への対応の一環として、リモートワークの導入やウェブ会議の活用、サテライト・オフィスの設置や民間シェアオフィスの利用等にも積極的に取り組んでおります。

以上3つの基本方針に基づき、諸課題に取り組むことにより、外部環境の変化に柔軟に対応できるレジリエント(強靭)な組織を構築し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現してまいります。

また、株主様をはじめとする多様なステークホルダーの方々と対話・共創することにより、SDGsの目標にさまざまな形で貢献してまいります。

3.定量目標(計画策定時)

(単位:百万円)

 

2019年5月期

(実績)

2020年5月期

(計画)

2023年5月期

(計画)

連結売上高

15,581

16,000

17,500

連結営業利益

1,104

1,200

1,400

 

4.具体的施策

①経営施策

・BPR(業務プロセス革新)と働き方改革の一体的推進

・ITと人財への投資

・ICT環境によるワークスタイルの変化への対応

・M&Aの検討

②技術施策

・資格保有技術者の育成や企業とのアライアンスによる技術力の多様化・高度化

・新技術等を活用した高度なサービスの提供

・PPP/PFI分野の技術蓄積とワンストップソリューションの確立

③事業施策

まちづくり業務

・都市の再開発や都市空間の再構築、地方創生や地域活性化、安全・安心で健康や福祉に配慮した地域社会の形成など、SDGsに対応しつつ社会のニーズに応えるスマートシティ・スーパーシティを含めた多面的なまちづくり業務の拡大

・まちづくりに係る計画策定や事業実施業務の強化と、技術支援や民間連携を求める行政機関に対する支援業務への取組

・PM/CM技術を活用した国内民間開発事業及び海外投資家による国内開発業務(IR、物流施設、ホテル、ゴルフ場など)の支援強化

社会インフラ整備

・震災復興業務で培った技術を基に、防災・減災、国土強靭化のための社会インフラ整備業務に展開

・点検・診断、長寿命化計画、ストックマネジメントなどの社会インフラ維持管理業務への取り組み強化

・PPP、PFI、コンセッション等、公共施設の建設・維持管理・運営を行う業務について、当社がこれまで民間受託業務等で培ったネットワークやノウハウを活用しながら、最適な事業パートナーとのアライアンスによる対応も含め、取組を強化

・高速・大容量の通信が可能となる次世代規格「5G」への移行に伴い、その基盤となる基地局設置業務への対応を強化

事業ソリューション業務

・土木管財業務・業務代行の実施やマンション建替コンサルティング等、建設コンサルタント業務を超えて土地区画整理事業等へ参画することにより、事業全体のソリューション(課題解決)と収益の多様化を実現

・2022年生産緑地問題について、区画整理等の手法による秩序ある整備を誘導するためコンサルティングから業務代行参画までをワンストップで対応し、課題解決と同時に新たな収益機会を創出

・国有財産の土木管財業務及び大学法人の資産管理業務のビジネスモデルを企業不動産(CRE)や公的不動産(PRE)に広く展開

④株主還元方針

株主重視の観点から安定的に配当を行うことを基本方針とした上で、株主還元拡充の観点から総還元性向50%程度を当面の目処とし、その時々の経済情勢や財務状況、業績見通し等を総合的に勘案し各期の還元内容を決定することとしています。

当社は、今後も、株主還元方針を大切にし、経営基盤の強化による安定配当を基本的スタンスとしながら、株主還元の積極的な強化および将来成長のための成長投資を両立させることで、継続的な企業価値の向上並びに株主利益の拡大に注力してまいります。

 

(3)経営環境

当社グループを取り巻く経営環境は、建設コンサルタント官庁需要においては、防災・減災、老朽化した社会インフラの維持・管理、国土強靭化への対応など公共投資が堅調に推移しており、コロナ禍とウクライナ情勢によりその影響は先行き不透明であるものの受注環境は概ね前年同等を予想しております。

東日本大震災復興関連事業におきましては、発生当初から当社が業務を行っております宮城県石巻・女川地区の基盤整備を主とする震災復興関連業務が完遂を迎え大幅に減少しますが、国土強靭化や防災・減災関連業務などの官庁需要の増加と、物流施設等の開発支援業務などの民間需要の増加などにより、引き続き堅調な受注環境を予想しております。

このような事業環境のもと、当社グループは、中期経営計画(2019年度~2022年度)にて設定した、各施策を実行し、持続的成長と企業価値向上に向けて取り組んでまいります。

 

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループの技術力を基盤として、次の3点を当面の課題に掲げ、業績の向上ならびに社業の発展に努めてまいります。

 

① 技術力の強化

当社グループの持続的・安定的な成長を実現していくためには、技術力の強化が必要です。新卒採用の継続や、専門的知識・経験・資格を有する技術者の採用により、人材を確保するとともに、社員一人ひとりの人材育成に取り組んでまいります。そうした中で、上下水道、河川・砂防、道路、鋼構造、土質及び基礎等をはじめ技術者のレベルアップを図り、当社全体の技術力の一層の強化を推進してまいります。

 

② 収益性の向上

当社グループの強みである区画整理事業での経験・知見や保留地の処分能力を活かして、調査設計業務に加え、優良案件については、当社自ら業務代行者として参画することで、デベロッパー事業など「まちづくり業務」の収益性の一層の向上を図ってまいります。

 

③ 事業領域の拡大

当社グループは、既存事業領域の成長とともに、幅広いニーズに対応するための同業他社等との提携・協業、M&Aの強化や、土木管財業務、個人向けコンサル事業などの高付加価値提案型サービスの展開等により、事業領域の拡大を推進してまいります。

 

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