業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、および当社の子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況で推移しました。

 当社グループをとりまく事業環境におきましても、社会経済活動の停滞を背景とした企業によるプロモーション活動の見送りや感染防止のためのイベント開催自粛などの影響が続いておりますが、当社の中核事業である「ダイレクトコミュニケーション」の領域では、在宅消費の機会を捉えたダイレクトメールの利用回復や通販出荷物流の活性化も見られました。また、自治体等によるコロナ対策の実施や夏期の国際的スポーツイベントの開催などが新たなサービス提供の機会となりました。

 このようななか当社グループは、2023年3月期までの「中期経営計画」に基づき、中核事業であるダイレクトメールと物流、セールスプロモーション、イベントの各事業および新たな関連分野のサービスを通して、「顧客企業と生活者のよい関係づくりをトータルサポート」することを目指し、企業価値の一層の向上に努めてまいりました。

 

 この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は、279億76百万円(前年同期比8.7%増)、営業利益は、16億74百万円(同17.1%増)、経常利益は、営業外収益が29百万円(同0.8%増)、営業外費用が2百万円(同32.3%減)となった結果、17億1百万円(同16.8%増)となり、いずれも過去最高額を更新しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、税金費用を5億1百万円計上したことにより10億42百万円(同3.9%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

・ダイレクトメール事業

 既存顧客の取引窓口の拡大や新規受注を促進した結果、いちはやく経済活動を再開したDM案件の取り扱いが伸びたことにより、売上高は229億13百万円(同3.4%増)、セグメント利益は18億79百万円(同0.4%減)となりました。

 

・物流事業

 在宅消費の定着を背景に、既存および新規獲得した通販出荷案件の取り扱いが伸びたことなどにより、売上高は26億55百万円(同12.7%増)と2ケタの増収になりました。セグメント利益は不採算案件の解消と業務効率向上による作業人件費の抑制が奏功し、49百万円(前年同期セグメント損失24百万円)とプラスに転じました。

 

・セールスプロモーション事業

 コールセンターやバックオフィス機能を活かした各種販促支援業務に注力した結果、一部大型案件の業務終了の影響があったものの、新型コロナ関連の経済対策やワクチン接種事務局運営業務等の受注により、売上高は6億65百万円(同0.2%増)、これによる業務部門の稼働率向上により、セグメント利益は1億79百万円(同29.4%増)と大幅な増益になりました。

 

・イベント事業

 夏期の国際的スポーツイベント関連業務や新型コロナワクチン接種会場の運営業務に注力した結果、売上高は16億24百万円(同269.5%増)と大幅な増収になりました。セグメント利益はイベント企画・運営のノウハウを活かした高付加価値サービスが奏功し、1億67百万円(前年同期セグメント損失13百万円)と大きくプラスに転じました。

 

・賃貸事業

 千代田小川町クロスタビル(東京都千代田区)等の売上高は全体で1億14百万円(同0.9%増)、セグメント利益は65百万円(同3.1%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下,「資金」という。)の残高は51億58百万円となり、前連結会計年度末に比べて5億80百万円増となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、11億76百万円(前年同期は13億68百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益15億44百万円の計上に加えて非資金項目の減価償却費4億58百万円計上、仕入債務の増加7億47百万円、売上債権の減少1億41百万円などによって資金が増加した一方で、棚卸資産の増加12億29百万円、法人税等の支払い4億19百万円などによって資金が減少したことなどによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、2億69百万円(前年同期は2億74百万円の支出)となりました。これは主に、業務センターにおける設備投資2億53百万円によって資金が減少したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、3億26百万円(前年同期は3億23百万円の支出)となりました。これは主に、有利子負債の支払い1億98百万円(リース債務51百万円、長期借入金1億34百万円など)、配当金の支払い1億28百万円などによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a. 生産および仕入実績

 当連結会計年度の生産および仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

ダイレクトメール事業(千円)

20,385,292

104.0

物流事業(千円)

2,555,193

109.5

セールスプロモーション事業(千円)

468,093

92.5

イベント事業(千円)

1,457,523

321.8

賃貸事業(千円)

49,929

98.3

その他(千円)

49

35.5

合計(千円)

24,916,082

108.6

 

b. 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

ダイレクトメール事業(千円)

22,913,053

103.4

物流事業(千円)

2,655,027

112.7

セールスプロモーション事業(千円)

665,831

100.2

イベント事業(千円)

1,624,695

369.5

賃貸事業(千円)

114,988

100.9

その他(千円)

3,377

93.5

合計(千円)

27,976,974

108.7

(注)1.受注につきましては、受注後、短期間に業務完了し納品されるため、販売実績のみ記載しております。

   2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社ジャパネット

メディアエージェンシー

4,824,234

18.8

3,771,090

13.5

(注)株式会社ジャパネットメディアエージェンシーは、2022年3月1日より株式会社ジャパネットメディアクリエーションから社名変更されております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針および見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に貸倒引当金、減損会計、賞与引当金、退職給付に係る負債および繰延税金資産等であり、継続して評価を行っております。

 なお、見積りおよび判断・評価については、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

 

・重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

・資産の状況

 当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べて主に売上債権が1億41百万円減少しましたが、現金及び預金が5億80百万円、仕掛品が12億29百万円、立替郵送料が1億11百万円それぞれ増加したことにより、全体として111億28百万円(前連結会計年度末比18億1百万円増)となりました。

 当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べて主に有形固定資産、無形固定資産および投資不動産が2億21百万円減少したことにより、全体として83億88百万円(同1億94百万円減)となりました。

 その結果、資産合計では、195億16百万円(同16億6百万円増)となりました。

 

・負債の状況

 当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べて主に仕入債務が7億47百万円、未払法人税等が1億11百万円それぞれ増加したことにより、全体として45億87百万円(同8億59百万円増)となりました。

 当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べて主に長期借入金が1億円、長期リース債務が51百万円、その他の固定負債が57百万円それぞれ減少したことにより、全体として4億34百万円(同2億37百万円減)となりました。

 その結果、負債合計では、50億22百万円(同6億22百万円増)となりました。

 

・純資産の状況

 当連結会計年度末の純資産は、主に利益剰余金では親会社株主に帰属する当期純利益10億42百万円の計上と配当1億28百万円を支払ったことにより、差し引きで前連結会計年度末に比べて9億14百万円の増加となりました。そのほか、資本剰余金が19百万円、その他有価証券評価差額金が26百万円(税効果分は除く)、退職給付に係る調整累計額が17百万円それぞれ増加したことにより、全体として144億94百万円(同9億84百万円増)となりました。

 

・目標とする経営指標

 売上高は、新型コロナウイルスの影響下にあっても、在宅消費、非接触消費を背景としてダイレクトメール事業、物流事業が伸びました。加えて新型コロナ関連の経済対策やワクチン接種等の事務局運営業務によるセールスプロモーション事業、イベント事業も大きく寄与しました。

 営業利益は、上記の各事業における増収、および業務効率向上により増加しました。

 一方、独占禁止法に係わる特別損失によって親会社株主に帰属する当期純利益は想定する範囲の結果となり、当社の目標とする経営指標であるROEは7.4%(前年同期比0.3ポイント減)、ROA5.6%(前年同期比0.1ポイント減)となりました。

 

③資本の財源および資金の流動性

・キャッシュ・フローの分析
 キャッシュ・フローの分析については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照ください。

 

・資金需要および調達方法
 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、副資材の購入費用および機械等の修繕費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資の目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債は2億72百万円となっております。また、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は51億58百万円となっております。

 

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