(1)会社の経営の基本方針
当社グループは「回転寿司を通して社会に貢献し、日本全国から世界へと寿司文化の普及拡大をめざす」ことを経営理念に掲げております。
この理念に基づき、お客様からは高い評価とゆるぎない信頼を得るためにQ・S・C(クオリティ・サービス・クレンリネス)を徹底し、また株主様には堅実で安定した会社経営と業績の進展で期待に応えるよう努力してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、利益を安定的に確保し、企業価値を高めるという観点から売上高営業利益率(5%以上)、自己資本利益率(15%以上)を経営指標としております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
① 国内の店舗展開
国内における店舗展開につきましては、西日本におけるエリア拡大と首都圏、既存ドミナントのエリア拡充を図り、引き続きオールオーダー型の店舗である、「回転しない寿司」の出店に注力してまいります。また、スクラップ&ビルドにより、郊外型小商圏から大都市商圏への転換を進め、国内200店舗体制に向け堅実な成長を遂げてまいります。
② 海外の店舗展開
海外における店舗展開につきましては、現地の優良法人とのフランチャイズ方式により、新しい地域へも積極的に展開して行く方針であります。また、米国ハワイの直営子会社を通してハワイ市場の寡占化を図るとともに、フランチャイズ先との良好な関係を維持するための管理・サポート体制を強化し、海外250店舗体制に向け堅実な成長を遂げてまいります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社を取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症の影響が続き、外食需要は回復しつつあるものの、まだ本格的な回復には至っておらず、当面厳しい状況が続くと想定しております。こうした状況を踏まえ、当社では、2022年度を初年度とした中期経営計画(2022年度~2026年度)を策定し、基本方針に『お客様満足度日本一を目指す』ことを掲げ、外部環境の変化に対応しながら、以下の4つの重点戦略を実行し、持続的な成長を目指してまいります。
① 国内事業
販売データ活用による顧客分析の強化や各種マーケティングを活用した認知度向上への取組みを通じてブランド力強化を図り、客数・売上の向上に取り組んでまいります。また、各種システム連携による・需要予測精度向上や廃棄ロス削減への取り組み、新店投資費用や既存店における販管費の抜本的な見直しをおこない、適切なコストコントロールを推進し、売上高営業利益率の向上に取り組んでまいります。
2022年度より人財育成・教育に特化した新しい営業組織体制を稼働し、既存の店長や次世代店長職の教育・育成を進めることで、店舗運営力・接客力を強化しつつ、新規出店体制の強化を図ってまいります。
そのうえで、年間20店舗以上の出店を成功させるため、オープンに特化した新店推進部を新設し、より安定した新店の立ち上げ・運営を進めることで、お客様の評価を獲得してまいります。
② 海外事業
米国子会社への営業・技術指導を強化し、Q・S・Cレベル向上に取り組んでまいります。また、ガバナンス体制の強化を進めるほか、米国本土への展開を検討してまいります。
FC展開においては、既存エリアの新規出店の支援等にとどまらず、新規エリアの開拓を進め、安定したロイヤリティ確保に取り組んでまいります。
優れたグローバル人財の育成・確保やこれまで以上の営業・技術指導の支援のみならず、事業運営体制の強化を進め、海外事業全体の底上げを図ってまいります。
③ 新業態・新規事業
主力業態「魚べい」や海外事業以外の収益源の多様化に向けた取り組みを推進するため、専門部署である新業態開発課を部へ昇格させ、前期に立ち上げた天ぷら業態「咲く菜」の出店拡大を進めてまいります。また、既存の業態にとらわれない新たな店舗形態や初期投資の少ない新業態の開発、EC事業の拡大を図ってまいります。
④ 経営基盤の強化
営業部門をサポートする本社部門の機能強化や業務効率化に取り組み、国内200店舗体制に向けた運営体制の整備を推進してまいります。上場企業として求められるガバナンス体制の充実・ダイバーシティを目指す人財戦略・サステナビリティに関する取り組みを通じて、経営基盤の強化のみならず、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、当社の企業価値の向上を目指します。
なお、当社の新店舗の建設工事に関連して不適切な支出が行われたこと(以下「本事案」といいます。)が判明いたしました。
本事案については判明後、当社において調査を行いましたが、本事案の事実関係の更なる調査、本事案に類似する事象の存否などについて実態把握をする必要があることから、公正で適正な調査を行うため、外部の有識者で構成する特別調査委員会(以下「特別調査委員会」といいます。)を2022年5月27日付で設置し、当社は全面的に協力し、実態の解明に努めてまいりました。
また、2022年7月27日にそれまでのリスクベースアプローチに基づく重点的な調査の対象としていなかった店舗に関する異なる態様の不正について、当社取引先から特別調査委員会に対して新たな情報提供が行われました。これにより、新たな疑義となる事項が生じたことから、調査範囲を拡大して追加の調査を進めてまいりました。
その結果、当社の複数の店舗に係る建築工事において、当社の従業員が架空の工事発注や工事費用の付け替えなどを指示し、不適切な支出を行っていたことに加え、架空の仲介手数料・企画料の支払いを通じて当社取引先からバックリベートを受領していた事実が認められました。
2022年8月29日付で特別調査委員会から受領した「調査報告書」に基づき、特別調査委員会の調査で判明した連結財務諸表等への影響額を当連結会計年度において適正に処理することといたしました。
また、今回の事態に至ったことを重く受け止め、特別調査委員会による調査結果や提言に沿って具体的な再発防止策を策定し、徹底した再発防止に努めてまいります。
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