課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、企業の持続的成長を基本方針に、高度化・多様化する消費者ニーズに素早く対応することを基本とし、常に「お客様(市場)第一主義」の目線で経営理念である「創造と挑戦」「感謝と信頼」を実践し企業価値を高め、キャッシュ・フローを重視したローコスト経営に取組み、家電流通業界のリーディングカンパニーとしてESG経営を積極的に推進し、社会に貢献できる「強い企業」を目指します。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、目標とする経営指標として、売上増加率5.0%以上、売上高経常利益率6.5%以上、ROE10%以上を設定しております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、日本全国に構築した店舗ネットワークの再構築(新規出店、増築・増床、業態転換、S&B等)を行い、年間売場面積5%以上の増床を図り、事業成長を目指してまいります。具体的には、商圏人口25万人を1エリアとしたLIFE SELECTの出店、周辺に都市型店舗のLABIやテックランド、アウトレット、YAMADA Web.com等の郊外型店舗、小商圏店舗、地域密着店まで、お客様のあらゆるニーズに対応できる世界にも類を見ないネットワークを再構築し、当家電業界のみならず、全ての流通業が直面する将来的な少子超高齢化、人口減、インターネット社会、デジタル社会等への柔軟な対応など、業界のリーディングカンパニーとして積極的に取り組み、将来における持続的成長・発展のため、様々な挑戦を続けてまいります。また、家電販売を中心に家電と親和性の高い住宅、リフォーム、住宅設備機器、住空間の家具雑貨関係等を提案する「暮らしまるごと」の拡充を図ると共に循環型社会の形成に向けた家電リユース品を取り扱うアウトレット店の拡大、マルチチャネル(店舗・WEBサイト・TVショッピング・スマホアプリ・デジタル広告等)の活用、物流網の強みを活かしたEコマース事業、顧客価値を創出するSPA商品開発強化等を行い、他社との差別化を図ってまいります。

流通業界は、今後もめまぐるしい変化が予想されますが、スピード感を持ち、柔軟に対応できるよう、グループ企業間のヒト(人材)・モノ(商品)・カネ・サービス・物流・情報システム等の最適化・最大化による経営資源の効率化を図り、利益率の改善、各コストの削減、在庫効率の改善、キャッシュ・フローの創出を図り、財務体質の強化、経営資源の基盤の強化に努めてまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

2023年3月期につきましては、新型コロナウイルスの変異株による感染の再拡大リスクに加え、半導体の供給不足や原材料価格高騰、ウクライナ情勢の緊迫化等による下振れリスクを注視する必要があり、国内経済のみならず、世界経済の減速等が引き続き懸念されることから、景気の先行きは不透明な状況が続くものと予想されます。

また、小売業界全体としても、感染症の再拡大リスクやエネルギー価格高騰や円安による物価高に伴う生活防衛意識の高まりと消費マインドの低下、経営コストの増加、半導体不足による製品供給不安等、継続して厳しい状況が予想されます。

 

厳しい市場環境の中ではありますが、「YAMADA HD 2025 中期経営計画」初年度として、以下の各セグメント重点施策を実行することにより、継続した増収増益体制を構築して参ります。

 

デンキ事業

①総売場面積年5%以上増床する積極的な店舗開発 ②ライフセレクト店をコアとした特長特色ある店舗業態展開 ③グループインフラを最大限活用したEコマース事業拡大 ④SPA商品の拡充による商品利益率向上 ⑤成長事業であるリフォーム・家具インテリア事業拡大

重点施策実現を支える事業インフラとして、①全店装備が完了した電子棚札と膨大な顧客データを活用したデジタルマーケティング ②全国に展開する店舗を活用した物流改革 ③スマートフォンでリフォーム現地調査・見積が出来るIT営業システム ④お客様に寄り添うSE(セールスエンジニア)の拡充

これらの当社独自のインフラを活かし生産性向上、業務効率化を実現します。

 

住建事業

①営業拠点拡大による受注体制強化 ②完工日数大幅短縮によるコスト、キャッシュ・フロー改革 ③中古再販事業倍増 ④ナイス株式会社との包括的取り組み強化 ⑤ヒノキヤグループとヤマダホームズでの開発・調達等でのグループシナジー刈り取り ⑥オーナー様への家電家具特典販売等、ヤマダ店舗への誘客施策

 

金融事業

NEOBANKサービスや暮らしまるごと戦略に精通した商品開発

 

環境事業

①リユース新工場稼働(2022年6月予定)に伴うリユース製品生産台数倍増 ②焼却発電システム着工着手による自己循環型環境資源開発完成

 

これらの環境・施策のもと、2023年3月期につきましては、売上高1兆6,940億円(前年同期比4.6%増)、営業利益739億円(前年同期比12.5%増)、経常利益800億円(前年同期比7.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益519億円(前年同期比2.7%増)を見込んでおります。

 

(5)資本政策

株主還元の充実を図るため、2022年5月6日に自己株式の取得(取得し得る株式の総数:200,000,000株(上限) 株式の取得価額の総額:1,000億円(上限)、取得期間:2022年5月9日から2023年5月8日)を決議し、2022年5月6日付で開示いたしました。

 

(6)ESG・サステナビリティについて

ヤマダホールディングスグループは、家電製品をはじめ、住宅や暮らしに関する様々な製品やサービスをご提供する小売グループとして、お客様をはじめとする幅広いステークホルダーのニーズに応え、社会の課題解決に向けて積極的に貢献することを目指しています。

2019年12月に、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals, SDGs)の重点分野として、3つのテーマ「快適な住空間の提供と社会システムの確立」、「社員の成長と労働環境改善」及び「循環型社会の構築と地球環境の保全」に注力していく方針を公表致しました。

近年、サステナビリティへの取り組みがお客様のブランド選択の重要な要件にもなってきています。家電や家具、インテリア、住宅、リフォーム、金融、環境資源循環など、「暮らしまるごと」をコンセプトとし、事業を通じてこれらの課題を解決するため主要指標として以下のKPIを設定いたしました。今後、これらのKPIの進捗状況について定期的に報告していきます。

 

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[気候変動への取り組みとTCFD]

①気候変動への対応について

当社グループでは、「暮らしまるごと」をコンセプトに、お客様の生活基盤を支える多様な家電製品や住宅設備、家具・インテリア用品を取り扱っています。これらの製品は、日本国内だけでなく世界各地で製造・加工され、それぞれの地域における様々な資源が使用されています。このため、気候変動への対応や自然環境の保全は、当社グループの持続的な成長においても重要なテーマであると考えています。

当社グループではこれまで、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に基づく開示に向けて、グループ全体の現状把握、ガバナンス体制の整備、リスク管理、戦略および指標と目標に関する検討を進めてまいりました。今後も気候変動に伴うリスクを適切に管理すると共に、脱炭素社会に向けた様々な変化を持続的な成長につながるビジネスチャンスととらえ、気候変動に対応する取り組みを積極的に進めて参ります。

(TCFDに基づく気候関連情報および指標と目標についての詳細は今後ホームページにて開示してまいります)

 

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②ガバナンスについて

当社グループでは、環境・社会課題に関する方針・施策の審議と目標の進捗確認および取締役会への答申等を行う場として、「ESG・サステナビリティ推進委員会」を設置し、ヤマダホールディングス代表取締役を委員長に、各事業本部長、各事業責任者(デンキ・住建・金融・環境・その他)・サステナビリティ推進室長が委員を務め、重要事項についての意思決定を行っています。ESG・サステナビリティ推進委員会の配下にある「グループCSR分科会」「労働環境改善分科会」「CS向上推進分科会」「環境対策分科会」の4つの分科会は、個別活動の内容について議論し、活動の進捗や目標の確認を行っています。また、気候変動関連情報の拡充を見据え、スコープ1,2,3におけるCO2排出量の現状分析と目標設定に対する進捗管理を行うプロジェクトチームが稼働しています。

 

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③CO2 スコープ1,2,3排出量(2020年度)

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[ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進と取り組み]

①ポリシー

ヤマダホールディングスグループにとって最大の経営資源は「人材」です。人種、国籍、年齢、性別、性的指向・性自認、宗教、信条、文化、障がい、キャリア、ライフスタイルなどに拘らず、多様なバックグランドを持つ社員が互いに尊重し合い、能力や個性を発揮し、働くことを通じてやりがいや成長を感じられる企業こそが企業成長の礎となります。

社員間の日々の何気ないコミュニケーションは新しいイノベーション創出のきっかけとなり、また、それぞれのバックグラウンドを活かした多様な人材が活躍できる組織の力は、多様な社会のニーズに対応する原動力ともなります。ヤマダホールディングスグループは、社会環境の変化に対応した商品とサービスの提供を通して、ステークホルダーの皆さまと共に持続的に成長するため、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンをヤマダホールディングスグループの「成長戦略そのもの」と位置づけ、グループ全体で推進していきます。

 

②ロードマップ

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③具体的な取り組みと方針

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④人材育成の考え方

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⑤階層別のスキルと研修テーマ

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