(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大と縮小が繰り返される中、行動制限の緩和と強化が断続的に行われ、そのたびに経済活動、消費活動に影響を及ぼし、先行き不透明な状況が続きました。個人消費につきましては、年度後半、ワクチン接種の進展に伴う行動制限の緩和により明るい兆しが見えてまいりましたが、年明け以降、オミクロン株の流行拡大により、消費マインドは本格的な回復には至りませんでした。今後におきましては、不安定な国際情勢が原油をはじめとした原材料価格の高騰に拍車をかけ、その影響による企業収益の悪化と雇用・所得環境の悪化、食品や日用品の物価上昇による消費マインドの低下等の要因により景気が後退することが懸念されます。
このような経営環境のもと、当社では地方都市、中山間地、離島のなくてはならないインフラとなるべく、社会的距離の確保、店舗における除菌・消毒・換気等による良好な衛生環境の維持、社員の健康管理等の適切な感染拡大防止対策を実施し、お客様と社員の安全と健康を最優先としたうえで、営業を継続してまいりました。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、ワクチン接種をした社員に対しては特別手当を支給することで、社員のワクチン接種を積極的に推進いたしました。
営業収益につきましては、前年の感染症対策衛生用品の需要の急増や巣ごもり特需の反動減により、前事業年度に対して減少いたしました。一方、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、在宅時間を充実させるための巣ごもり需要は継続しており、「ホームセンターは農業、園芸、資材、金物、工具、ワーキングの専門店である」の基軸に基づいた商品施策に継続して取り組んできたことにより、DIY及び家庭園芸等の需要を取り込むことができ、当初の目標を達成することができました。事業年度中は盛夏時期の天候不順はあったものの、総じて天候には恵まれ、特に園芸植物におきましては、商品力及び鮮度管理の強化の効果もあり、好調だった前事業年度をも上回りました。また、農業関連部門、資材工具部門におきましても、プロユースの取り込みに注力しており、堅調に推移いたしました。
売上高の減少に伴い、売上総利益も減少し、販売費及び一般管理費については、会社の持続的成長のための人材投資のため、人件費が増加したこともあり、営業利益、経常利益、当期純利益は前事業年度を下回ったものの、当初の目標を達成することができました。
以上の結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当事業年度末の財政状態は、総資産が346億3千7百万円で前年度末比4億9千1百万円の減少、負債が221億8千2百万円で前年度末比10億4千8百万円の減少、純資産が124億5千4百万円で前年度末比5億5千6百万円の増加となりました。
b.経営成績
当事業年度の営業収益(売上高および営業収入)は461億6百万円で、前年度比20億7千4百万円(4.3%)の減少となりました。うち売上高は、443億3千4百万円で、前年度比20億3千5百万円(4.4%)の減少となり、営業収入は17億7千1百万円で、前年度比3千9百万円(2.2%)の減少となりました。
商品別売上高では、家庭雑貨・家庭電器が121億5千8百万円で前年度比17億2千1百万円の減少、園芸農業・資材工具が235億5千2百万円で前年度比3億7千万円の減少、趣味・嗜好が76億2千4百万円で前年度比1億4千2百万円の増加、その他の売上が3百万円で前年度比微減、関連事業が9億9千5百万円で前年度比8千6百万円の減少となりました。
損益面におきましては、営業利益は12億3千3百万円で、前年度比10億4千6百万円(45.9%)の減少となりました。また、経常利益は12億6千1百万円で前年度比9億9千8百万円(44.2%)の減少、当期純利益は6億6百万円で前年度比7億6千5百万円(55.8%)の減少となりました。
店舗につきましては、ホームセンター1店の開店と3店の全面改装を実施し、ホームセンター2店を閉店いたしました。これにより、当事業年度末の店舗数は130店(ホームセンター126店、ブックセンター4店)となり、前事業年度末比1店の減少となりました。また、売場面積は248,270平方メートルで、前事業年度末比692平方メートル(0.3%)の増加となりました。
当社はホームセンターを主たる事業とする一般小売業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動と財務活動により増加した資金を、主として店舗建設等の投資活動と長期借入金の返済に充当し、前事業年度末に比べ4億5千1百万円減少の13億9千8百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動による資金の増加は3億6千3百万円(前事業年度は46億7千6百万円の増加)となりました。
主な要因は、資金収入の税引前当期純利益10億2千7百万円及び非資金費用の減価償却費11億7千2百万円等に対して、資金支出のたな卸資産の増加3億7千4百万円、仕入債務の減少3億8千3百万円及び法人税等の支払9億5千1百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動による資金の減少は11億2千2百万円(前事業年度は8億1千9百万円の減少)となりました。
主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出10億1千6百万円等によるものであります。
支出の主な内容は、店舗の新規出店及び改装等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動による資金の増加は3億6百万円(前事業年度は37億6千3百万円の減少)となりました。
主な要因は、長期借入金27億円の調達及び短期借入金の純増額3億円に対し、長期借入金23億9千3百万円の返済及び配当金1億2千万円等の支出によるものであります。
③ 仕入及び販売の実績
当社はホームセンターを主たる事業とする一般小売業の単一セグメントであり、部門別に示すと次のとおりであります。
a.仕入実績
部門別 |
当事業年度 (自 2021年3月1日 至 2022年2月28日) |
|||
金額(千円) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
||
|
家庭雑貨・家庭電器 |
8,757,416 |
27.5 |
89.3 |
|
園芸農業・資材工具 |
16,618,014 |
52.3 |
101.3 |
|
趣味・嗜好 |
5,698,931 |
17.9 |
106.8 |
|
その他 |
1,907 |
0.0 |
97.8 |
|
ホームセンター事業 |
31,076,269 |
97.7 |
98.5 |
|
関連事業 |
740,686 |
2.3 |
91.5 |
合計 |
31,816,956 |
100.0 |
98.3 |
b.販売実績
部門別 |
当事業年度 (自 2021年3月1日 至 2022年2月28日) |
||||
金額(千円) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
|||
売上高 |
|
家庭雑貨・家庭電器 |
12,158,842 |
26.4 |
87.6 |
|
園芸農業・資材工具 |
23,552,799 |
51.1 |
98.5 |
|
|
趣味・嗜好 |
7,624,698 |
16.5 |
101.9 |
|
|
その他 |
3,296 |
0.0 |
99.0 |
|
|
ホームセンター事業 |
43,339,637 |
94.0 |
95.7 |
|
|
関連事業 |
995,345 |
2.2 |
92.0 |
|
|
売上高合計 |
44,334,982 |
96.2 |
95.6 |
|
営業収入 |
|
ホームセンター事業 |
1,763,459 |
3.8 |
97.9 |
|
関連事業 |
8,411 |
0.0 |
86.0 |
|
|
営業収入合計 |
1,771,870 |
3.8 |
97.8 |
|
売上高及び営業収入合計 |
46,106,853 |
100.0 |
95.7 |
(注)1 ホームセンター事業の各部門の内容は次のとおりであります。
家庭雑貨・家庭電器 |
台所用品、家庭用品、日用消耗品、家電製品、寝装・インテリア等 |
園芸農業・資材工具 |
家庭園芸用品、農業用品、工具・建築金物、塗料・作業用品等 |
趣味・嗜好 |
ペット用品、オフィス・店舗用品等 |
その他 |
消耗品等 |
2 関連事業の内容は次のとおりであります。
書籍・CD・DVD
3 仕入実績の金額は、仕入価格によっております。
4 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
c.県別売上実績
県別 |
当事業年度 (自 2021年3月1日 至 2022年2月28日) |
|||||
金額 (千円) |
構成比 (%) |
前年 同期比(%) |
期末 店舗数(店) |
店舗数 前期比増減 (店) |
||
売上高 |
島根県 |
7,830,598 |
17.0 |
96.0 |
18 |
- |
鳥取県 |
3,233,854 |
7.0 |
94.9 |
12 |
- |
|
山口県 |
6,827,875 |
14.8 |
95.6 |
23 |
△1 |
|
岡山県 |
4,691,635 |
10.2 |
96.3 |
13 |
- |
|
広島県 |
12,114,370 |
26.3 |
95.8 |
31 |
- |
|
兵庫県 |
3,527,256 |
7.6 |
95.7 |
15 |
- |
|
京都府 |
3,200,234 |
6.9 |
96.3 |
5 |
- |
|
和歌山県 |
964,180 |
2.1 |
93.4 |
5 |
- |
|
奈良県 |
595,987 |
1.3 |
93.1 |
3 |
- |
|
三重県 |
350,346 |
0.8 |
91.2 |
1 |
- |
|
その他 |
3,296 |
0.0 |
99.0 |
- |
- |
|
ホームセンター事業合計 |
43,339,637 |
94.0 |
95.7 |
126 |
△1 |
|
関連事業 |
995,345 |
2.2 |
92.0 |
4 |
- |
|
売上高合計 |
44,334,982 |
96.2 |
95.6 |
130 |
△1 |
|
営業収入 |
ホームセンター事業 |
1,763,459 |
3.8 |
97.9 |
- |
- |
関連事業 |
8,411 |
0.0 |
86.0 |
- |
- |
|
営業収入合計 |
1,771,870 |
3.8 |
97.8 |
- |
- |
|
売上高及び営業収入合計 |
46,106,853 |
100.0 |
95.7 |
- |
- |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。この財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的な判断に基づき会計上の見積りを行っており、当該見積りは、現在入手可能な情報に基づく最善の見積りにより行っておりますが、見積り及び見積りに用いた仮定には不確実性が伴い、実際の結果はこれらの見積りとは異なる可能性があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関しましては、影響額の算定は困難であるため、事業年度末時点における入手可能な情報に基づき、会計上の見積りを行っております。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(流動資産)
当事業年度末の流動資産の残高は145億8千1百万円で前事業年度比1億1千7百万円(0.8%)の減少となりました。この主な要因は、商品3億7千7百万円の増加に対して現金及び預金4億5千1百万円の減少によるものであります。
(固定資産)
当事業年度末の固定資産の残高は200億5千5百万円で前事業年度比3億7千4百万円(1.8%)の減少となりました。この主な要因は、減価償却等による有形固定資産及び無形固定資産3億9千4百万円の減少によるものであります。
(流動負債)
当事業年度末の流動負債の残高は113億4百万円で前事業年度比11億1百万円(8.9%)の減少となりました。この主な要因は、短期借入金3億円の増加に対して未払法人税等5億6千万円、未払金4億5千8百万円及び
支払手形3億1千6百万円の減少によるものであります。
(固定負債)
当事業年度末の固定負債の残高は108億7千7百万円で前事業年度比5千3百万円(0.5%)の増加となりました。この主な要因は、長期借入金2億6千万円の増加に対してリース債務8千5百万円の減少によるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産の残高は124億5千4百万円で前事業年度比5億5千6百万円(4.7%)の増加となりました。この主な要因は、利益剰余金4億8千5百万円及びその他有価証券評価差額金3千8百万円の増加によるものであります。
2)経営成績
当事業年度の営業収益(売上高及び営業収入)は461億6百万円で、前年度比20億7千4百万円(4.3%)の減少となりました。
売上高は、「ホームセンター事業」が433億3千9百万円、「関連事業」が9億9千5百万円、売上高全体では443億3千4百万円で前事業年度比20億3千5百万円(4.4%)の減少となりました。なお、営業収益に占める売上高の割合は96.2%であります。
売上総利益は128億9千5百万円で、前事業年度比8億2千7百万円(6.0%)の減少となり、売上高に対する売上総利益率は29.1%で前事業年度比0.5ポイント低下いたしました。
営業収入は、「ホームセンター事業」が17億6千3百万円、「関連事業」が8百万円、営業収入全体では17億7千1百万円で前事業年度比3千9百万円(2.2%)の減少となりました。なお、営業収益に占める営業収入の割合は3.8%であります。
営業総利益は、146億6千7百万円で前事業年度比8億6千6百万円(5.6%)の減少となり、営業収益に対する営業総利益率は31.8%で前事業年度比0.4ポイント低下いたしました。
販売費及び一般管理費は、134億3千3百万円で前事業年度比1億7千9百万円(1.4%)の増加となり、営業収益販管費率は29.1%で前事業年度比1.6ポイント上昇いたしました。
営業利益は12億3千3百万円で前事業年度比10億4千6百万円(45.9%)の減少、経常利益は12億6千1百万円で前事業年度比9億9千8百万円(44.2%)の減少となりました。
当期純利益は6億6百万円で前事業年度比7億6千5百万円(55.8%)の減少となり、減収減益となりました。
また、1株当たり当期純利益は74.96円(前事業年度は1株当たり当期純利益170.18円)となりました。
これらの要因につきましては、第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況に記載しております。
b.キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの分析につきましては、第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況に記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社は、運転資金及び設備資金につきましては、主に自己資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、設備などの長期資金は、固定金利の長期借入金で調達しております。
2022年2月28日現在、長期借入金の残高は96億5千7百万円であります。また、当事業年度末において、㈱山陰合同銀行との間で合計40億円の当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております(借入実行残高3億円、借入未実行残高37億円)。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、営業収益早期500億円の復活と、経常利益率2%以上を目標としております。
当事業年度の営業収益は461億6百万円、経常利益は12億6千1百万円であり、前事業年度との対比で減収減益となりました。営業収益500億円は達成できませんでしたが、経常利益率は2.7%となり、目標とする指標を上回りました。今後も継続して目標達成に向け取組んでまいります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の営業基盤であります中国地方・近畿地方は、同業他社を始め、多店舗展開を進めるドラッグストア、大規模商業施設等の出店により競争が激化しており、厳しい経営環境となっております。また、新型コロナウイルス感染症の影響による景気の悪化及び天候要因等が、経営成績に影響を及ぼすことが予測されます。
このような要因に対して、「ホームセンターは、農業、園芸、資材、金物、工具、ワーキングの専門店である」の基軸にもとづき、商品・販売施策強化と、修理・貸出・技術提供等のサービス面の充実を図ってまいります。
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