当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、ワクチン接種の進展等により活動制限が緩和され、経済・社会活動は正常化への動きが見られました。しかしながら、新たな変異株の出現による感染の再拡大に加え、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を背景に、原油をはじめとする国際商品市場の急騰や金融資本市場の混乱が見られる等、予断を許さない状況が継続しました。
当社グループの主要販売業界であります石油化学、鉄鋼業界等におきましては、世界的な半導体需要の拡大や経済活動の再開に伴い、高機能材や鋼材需要が拡大し高稼働率を維持する一方で、半導体デバイス品をはじめとする部品材料等の供給不足や原材料価格の高騰により、生産活動に影響が生じ、調達部品の長納期化を見越した前倒し発注や在庫を積み増す動きも見られました。設備投資では、コロナ禍における新たな働き方や労働環境の改善、生産の高度化や自動化、設備異常の予兆監視を目的としたデジタルトランスフォーメーション(DX)投資への推進、CO2をはじめとする温室効果ガス排出量削減に向けた新たな環境技術や新エネルギーに関する研究開発投資、老朽化した生産設備の安心・安全の向上につながる投資、増加する自然災害に備えた防災・減災、国土強靭化を目的とした投資に向け検討が進められました。
このような状況下、当社グループにおきましては、2020年4月よりスタートした中期3ヵ年経営計画の2年目となる2021年度においても、経営基本方針に「現場力と組織力の相互強化による更なる飛躍への挑戦」を掲げ、小規模な拠点分割に括る「ブロック制」を敷き、地域特性や市場特性により即した戦略立案とその迅速な実行を目指しながら、既存顧客の深耕営業による競争力強化と、成長性の高い分野への新規顧客開発を加速させ、コロナ禍における新たな営業手法とビジネスモデルの創造に、全国展開した営業拠点網を最大活用し、積極的に取組んでまいりました。
その結果、設備稼働率の上昇や機器の更新需要を取込み、建設機械業界、機械業界、電気機器・精密機器業界、舶用関連業界、電力業界向けの販売は堅調に推移しましたが、前連結会計年度に補正予算が執行された社会インフラ市場向け特殊車両の販売は大幅に減少しました。また、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、営業活動において大都市圏を中心に対面営業が制限された他、商品の長納期化の影響で、当社取扱品においても大幅な納期遅延が発生したこと、比較的規模の大きな設備投資の縮小や投資そのものを先送りする企業が増加したこと等により、当連結会計年度の売上高は373億78百万円(前連結会計年度比4.5%減)となりました。利益については、売上総利益61億14百万円(同3.9%減)、営業利益15億61百万円(同10.4%減)、経常利益16億8百万円(同10.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益10億67百万円(同8.4%減)で減収減益となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。これにより当連結会計年度の売上高は90百万円減少し、売上総利益、営業利益は16百万円、経常利益及び税金等調整前当期純利益は18百万円それぞれ増加しております。
品目別売上高の状況は次のとおりであります。
(工業用計測制御機器)
半導体需要の拡大に伴い、高操業が続く電気機器・精密機器業界向けや機械業界向けに各種センサーや情報通信機器の販売が堅調に推移しました。また生産設備の安定稼働、生産性向上、品質向上を目的に老朽化した生産設備に付帯する機器の更新需要が増加し、非鉄金属業界向けを中心に販売が増加しました。
(環境計測・分析機器)
鉄鋼業界や石油化学業界向けでコンビナート地区における定期修理を契機とする水質計・大気分析計・ガス分析計の更新需要を獲得したものの、前連結会計年度に販売が好調であった社会インフラ市場向けの販売が一巡し、全体では販売が減少しました。
(測定・検査機器)
石油化学業界向けに保全業務の効率化につながるデジタル端末の販売がありましたが、半導体デバイス品をはじめとする部品材料等の供給不足やコロナ禍におけるサプライチェーン混乱の影響を受けて、主に自動車関連業界において生産設備の操業停止が断続的に発生したことにより、設備投資の先送りや縮小が見られ、全体では販売が減少しました。
(産業機械)
建設機械業界や舶用関連業界向けに油圧機器やバルブの販売が堅調に推移しましたが、前連結会計年度に補正予算が執行された官公庁向けをはじめとする社会インフラ市場において、防災・復旧、国土強靭化に関連する特殊車両や老朽化したインフラ設備の更新投資が一巡し、全体では大幅に減少しました。
当社グループは単一セグメントであるため、当連結会計年度の生産実績を品目別に示すと次のとおりであります。
(注) 1 上記は製造を行っております連結子会社(双葉テック㈱)の合計金額であります。
2 上記金額は製造原価によっております。
当社グループは単一セグメントであるため、当連結会計年度の受注実績を品目別に示すと次のとおりであります。
(注) 1 連結子会社(双葉テック㈱)において受注生産を行っております。
当社グループは単一セグメントであるため、当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと次のとおりであります。
(注) 1 総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
(2) 財政状態
当連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ6億25百万円増加し283億98百万円となりました。これは商品及び製品が6億21百万円、電子記録債権が4億25百万円、前渡金の増加に伴い流動資産その他が1億83百万円、現金及び預金が1億69百万円、建設仮勘定の増加に伴い有形固定資産その他が1億38百万円それぞれ増加した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産が10億21百万円減少したことが主な要因であります。
負債は、前連結会計年度末に比べ2億75百万円減少し156億22百万円となりました。これは支払手形及び買掛金が6億92百万円減少した一方で、前受金の増加に伴い流動負債その他が3億97百万円増加したことが主な要因であります。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益が10億67百万円であること、利益剰余金の配当により利益剰余金が2億78百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ9億円増加し127億75百万円となりました。その結果、自己資本比率は45.0%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は66億11百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億67百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は5億75百万円となりました(前連結会計年度は24億6百万円の増加)。これは、税金等調整前当期純利益が16億8百万円であった一方で、棚卸資産の増加4億40百万円、法人税等の支払額6億79百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は3億56百万円となりました(前連結会計年度は1億12百万円の減少)。これは、有形固定資産の取得による支出が2億42百万円、投資有価証券の取得による支出が2億7百万円あった一方で、有価証券の償還による収入が1億20百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は64百万円となりました(前連結会計年度は3億34百万円の減少)。これは、短期借入金の増加1億50百万円、長期借入れによる収入5億円があった一方で、長期借入金の返済による支出が4億31百万円、配当金の支払額が2億77百万円あったこと等によるものであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの資本の財源は主に営業活動により得た資金であります。
資金の流動性について、運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入の他、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした長期的な資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
該当事項はありません。
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