課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

    文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、“おいしさ、しあわせ創造”を企業理念として掲げ、主力のKFC事業においては、「お客さまに信頼され、愛されるブランドへ」を目指す姿として位置付け、多様化する顧客ニーズの把握とそのニーズに適合したサービスの提供を実行し、市場の変化に対応することでお客様に支持されるブランドとなることが今後の成長を実現するための重要課題と認識しております。

このように当社グループは、「新たな価値の創造」のために、お客様にとってのみならず、全ての従業員にとっても幸福感をもたらす企業づくりに邁進し、経営目標の達成を実現、持続的な成長による企業価値の向上に努めてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、2021年度(2022年3月期)を初年度とする中期経営計画『第二の創業 これから50年の持続的成長に向けて』を策定しております。最終年度にあたる2023年度(2024年3月期)には、連結売上高1,072億円、営業利益63億円、親会社株主に帰属する当期純利益35億円を達成することを目標としております。

 

(3)経営環境

①主力商品・サービスの内容

当社グループは、持株会社である当社の他、主要子会社である日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社を中心に、フライドチキン、加工チキンの販売を主な事業内容としております。

主力商品である「オリジナルチキン」は、日本全国に約200ヵ所ある登録飼育農場で飼育された国内産鶏のみを使用しております。生後38日前後飼育の中雛を厳選することで、肉質が柔らかく、ジューシーなオリジナルチキンに仕上がります。各店舗では、KFC独自の認定資格である「チキンスペシャリスト」の認定を受けた調理担当者によって調理され、いつでもどこでも変わらないおいしさをお客様に提供しております。創業者であるカーネル・サンダースの想い“誰にも真似の出来ないおいしさとおもてなしの心”を継承し、食を通じて社会貢献することで、企業理念である“おいしさ、しあわせ創造”を更に追求してまいります。

 

②市場環境

国内では少子高齢化が急速に進み、世帯規模の縮小及び単身世帯の増加に伴い、家族構成が変化しております。こうした中、家庭での調理時間の減少に伴い、中食市場やデリバリー需要が拡大し、今後も一層の拡大が見込まれております。

その一方で、2020年1月に新型コロナウイルスの最初の感染者が確認されて以降、新たな変異株の出現により感染者数が爆発的に急増しました。これに伴い、感染症拡大防止策の一環として不要不急の外出自粛、在宅勤務の普及による外食需要の落ち込みにより、売上高及び来店客数の減少が続きました。2021年度の飲食業の倒産件数は、前年度に続き高水準で推移しており、長引くコロナ禍で生活様式が大きく変化したことにより、アフターコロナに向け事業再構築の動きが見られるなど、依然として先行き不透明な市場環境が続いております。

 

 ③健康志向の高まり、健康経営の推進

お客様の健康志向が高まっており、これまでも糖質を抑えた商品や低アレルゲン商品の開発にも取り組んでまいりました。健康志向の高まりに対応した商品開発が期待されております。

加えて、働く従業員にとっても、誰もがいきいきと働くことが出来る職場環境を実現するため、健康経営の一層の推進が期待されております。

 

   ④技術革新

スマートフォンの普及を始めとして急速に技術革新が進んでおります。電子商取引の拡大に伴い、決済手段への対応強化が急務となっております。当社グループでは、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、ネットオーダーやキャッシュレス決済を推進、2020年4月にはQRコード決済を導入し、非接触型決済サービスの拡充を図りました。DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進によるお客様の利便性の向上及び従業員の働き方改革の推進に努めております。

 

     ⑤競合環境

急速な市場環境の変化を受けて、業界の垣根を越えて競争が益々激化しております。中食市場の拡大に伴い、特にコンビニエンスストアなどではフライドチキンの販売を強化させており、店舗数拡大や各種サービスの拡大によって外食市場への進出が顕著となっております。

外食業界においては、新型コロナウイルス感染症拡大によりテイクアウト、デリバリー需要への対応を一層強化させており、当社グループでは、テイクアウト、ドライブスルーは競争優位にあるものと認識しておりますが、これらの需要の高まりにおける競争が激化しております。

 

   (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症拡大による影響、生活防衛意識の高まり、原材料及び物流費の高騰など、これまでに増して厳しい経営環境下にあります。

こうした経営環境を踏まえ、持続的な成長と発展を目指すべく、以下の課題に対処してまいります。

 

     ①新型コロナウイルス感染症への対応

 当連結会計年度においては、前連結会計年度に続き、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い緊急事態宣言の発出及びまん延防止等重点措置の適用により、経済活動及び社会活動への影響が長期化いたしました。これに伴い、当社グループにおいても一部店舗で臨時休業、営業時間の短縮を余儀なくされました。

  ワクチン接種の広がりや感染対策の強化により新規感染者数の増加に一定の歯止めがかかりつつあるものの、当該状況による影響は翌連結会計年度以降も続くものと見ており、引き続き新型コロナウイルス感染症への対応を最優先の課題と位置付け、お客様・従業員の安全・健康確保を第一義に、その上で、安全で安心な「食」そして「元気」をご提供していくという役割・使命を果たすため、可能な限り店舗運営を継続してまいります。

 

   ②チェーン売上高及び客数の向上

主力となるケンタッキーフライドチキン(KFC)においては、日常利用の促進策を強化したことで年間を通じて日常化が定着し、上場以来最高のチェーン売上高となりました。

引き続き日常利用を促進していくことに加え、強みであるテイクアウト、ドライブスルーに加えてデリバリーサービスの導入地域拡大、商品開発力の更なる強化、積極的な新規出店、ブランド力の維持・向上のための既存店舗の改装促進、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進によるお客様の利便性の向上など、KFCだからこそできる差別化戦略を講じてまいります。

 

     ③人財確保

外食業界の共通の課題として、人財確保への対応が急務となっております。労働環境の改善と従業員満足度を向上させることで、誰もがいきいきと楽しく働くことが出来る職場環境の構築に努めてまいります。

 

   ④グループ経営戦略機能の強化

当社は、2014年4月1日付で持株会社体制へ移行し、経営機能と業務執行機能を明確に分離し、グループ全体の戦略的意思決定や経営資源の最適化を行っております。ホールディングス機能を更に強化していくことで、当社グループ全体の企業価値の最大化を図るべく取り組んでまいります。

 

   ⑤本部機能の効率化

当社グループでは、全社的に経費最適化を推進しております。引き続き既存業務の棚卸に基づく業務改善、人員の最適化、DXの推進による快適な職場環境の実現、本社経費の最適化により本部機能の効率化を図ってまいります。

 

 

 

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