当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症流行の影響が長期化し、個人消費の低迷や経済活動の停滞が続きました。今後は、更なるワクチン接種率の上昇に伴い、経済活動が徐々に回復することが期待される一方で、エネルギー価格や原材料価格の高騰が懸念されるなど、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。
当カー用品業界におきましては、夏季は新型コロナウイルス感染症の影響により、帰省や旅行でのドライブ需要の減少がみられましたが、冬季は降雪の影響により、スタッドレスタイヤなどの冬季用品販売が好調に推移しました。一方で、前年のあおり運転罰則強化で販売好調だったドライブレコーダーが反動減となりました。
このような環境下におきまして、当社グループでは、クルマは生活をする上で重要なインフラであることから、引き続き各種感染防止策を講じながら、整備作業及びカー用品の提供を継続してまいりました。
また、カー用品販売事業拡大への取り組みの一環として、前年にタイヤとホイールを中心に開設した「イエローハットオンラインショップ」に、ドライブレコーダー、ポータブルナビ、ETC車載器などのオーディオビジュアル商品を拡充掲載し、お客様の利便性向上を進めました。なお、世界的な半導体不足により一部の商品の供給に影響が発生しましたが、当社グループにおいては戦略的に商品を調達するなど、影響を最小限に留めるよう努めました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりで、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも過去最高を更新いたしました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、土地、棚卸資産、受取手形及び売掛金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ74億38百万円増加し、1,264億18百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は支払手形及び買掛金が増加した一方で、流動負債のその他(未払消費税等など)が減少したことなどから前連結会計年度末に比べ5億25百万円増加し、281億19百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ69億12百万円増加し、982億98百万円となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高1,480億38百万円(前年同期比100.7%)と増収となりました。また、利益につきましては、営業利益140億90百万円(前年同期比108.6%)、経常利益150億14百万円(前年同期比107.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益96億59百万円(前年同期比113.0%)と増益となりました。
事業のセグメント別の概況は次のとおりであります。
(カー用品・二輪用品等販売事業)
当連結会計年度におけるイエローハット店舗の出退店の状況です。
2021年5月にトレッド岡崎羽根町店(愛知県)、6月にトレッド岩国店(山口県)、7月に北上インター店(岩手県)、9月に高崎小鳥店(群馬県)、2022年2月にトレッド滋賀長浜店(滋賀県)、船橋習志野店(千葉県)、3月に太宰府通古賀店(福岡県)の計7店舗を開店、2021年5月に岩国店(山口県)、住之江店(大阪府)、7月にトレッド守山大森店(愛知県)、8月に高崎店(群馬県)、トレッド鳥取東伯店(鳥取県)、9月にトレッド兵庫丹波店(兵庫県)、10月にトレッド札幌清田店(北海道)、2022年1月に藤枝店(静岡県)、千葉美浜店(千葉県)、船橋花輪インター店(千葉県)、2月に習志野店(千葉県)、3月に大東新田店(大阪府)の計12店舗を閉店いたしました。
イエローハット店舗以外では、2021年4月に厚木2りんかん(神奈川県)、5月にバイク館厚木インター店(神奈川県)、6月に伏見2りんかん(京都府)、バイク館伏見店(京都府)、7月に茨木2りんかん(大阪府)、バイク館茨木鮎川店(大阪府)、11月に長崎時津2りんかん(長崎県)、バイク館長崎時津店(長崎県)、2022年2月に富士2りんかん(静岡県)、バイク館藤枝西店(静岡県)、3月にバイク館船橋習志野店(千葉県)の計11店舗を開店、5月に京都2りんかん(京都府)、6月に高槻2りんかん(大阪府)、2022年1月に船橋2りんかん(千葉県)、バイク館船橋店(千葉県)の計4店舗を閉店いたしました。また、2輪車検の獲得増を目的として、2021年7月に2りんかんイエローハット車検センター茨木工場(大阪府)を開設、カーライフメニューの充実に向けた取り組みとして、2022年3月にイエローハットコイン洗車場幸手上高野(埼玉県)を開設いたしました。
以上の結果、当連結会計年度末の店舗数は、イエローハット735店舗(出店7店、退店12店)、2りんかん59店舗(出店5店、退店3店)、バイク館60店舗(出店6店、退店1店)の合計854店舗、イエローハット車検センターが7店舗、イエローハットコイン洗車場が11店となりました。
なお、合計店舗数については、2021年4月の期首時点より2店舗の増加に留まっておりますが、これは業態変更や好条件な立地などへの店舗移転を進めたことによるものです。あわせて、資材高騰などもあり出店計画の見直しも行っております。
当連結会計年度のカー用品・二輪用品等販売事業の売上高は、1,418億3百万円(前年同期比100.9%、12億15百万円増)、セグメント利益につきましては、127億33百万円(前年同期比109.0%、10億55百万円増)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高は2億4百万円増加し、セグメント利益は21百万円増加しております。
(賃貸不動産事業)
当連結会計年度の賃貸不動産事業の売上高は、62億35百万円(前年同期比97.3%、1億71百万円減)、セグメント利益につきましては、13億56百万円(前年同期比104.4%、57百万円増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ31億26百万円減少し、109億2百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の収入は、97億32百万円(前連結会計年度は193億52百万円の資金の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が141億44百万円、減価償却費が22億49百万円あった一方で、法人税等の支払額が48億74百万円、売上債権の増加が15億82百万円あったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の支出は、96億68百万円(前連結会計年度は111億1百万円の資金の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が86億90百万円、投資有価証券の取得による支出が5億97百万円あったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の支出は、31億69百万円(前連結会計年度は23億96百万円の資金の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額が26億29百万円あったことによります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
最近2連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.部門別売上高は次のとおりであります。
(注) 賃貸不動産収入は「その他」に含まれております。
3.品目別売上高は次のとおりであります。
4.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
(財政状態の分析)
a. 資産
当連結会計年度末における流動資産の残高は、526億58百万円(前連結会計年度末514億55百万円)となり、12億2百万円増加いたしました。これは主に棚卸資産が12億85百万円、受取手形及び売掛金が12億27百万円、未収入金が9億96百万円、その他(返品資産など)が8億81百万円増加した一方で、現金及び預金が31億35百万円減少したことによります。
また、固定資産の残高は737億60百万円(前連結会計年度末675億24百万円)となり、62億35百万円増加いたしました。これは主に土地が50億62百万円、投資有価証券が7億60百万円、建物及び構築物(純額)が3億70百万円増加したことによります。
この結果、総資産残高は1,264億18百万円(前連結会計年度末1,189億80百万円)となりました。
b. 負債
当連結会計年度末における流動負債の残高は、230億40百万円(前連結会計年度末218億83百万円)となり、11億57百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が15億23百万円が増加した一方で、未払法人税等が5億11百万円減少したことによります。
また、固定負債の残高は50億79百万円(前連結会計年度末57億10百万円)となり、6億31百万円減少いたしました。
この結果、負債残高は281億19百万円(前連結会計年度末275億94百万円)となりました。
c. 純資産
当連結会計年度末における純資産の残高は、982億98百万円(前連結会計年度末913億86百万円)となり、69億12百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益96億59百万円を計上したこと、その他有価証券評価差額金が1億13百万円増加した一方で、配当金を26億31百万円支払ったこと、収益認識会計基準等の適用により、利益剰余金の期首残高が3億21百万円減少したことによります。
(経営成績の分析)
当連結会計年度におきましては、ドライブレコーダーやナビゲーションの販売が低調だったものの、タイヤの販売が堅調だったこと、加えて前年以上にバイクの需要が高まり関連売上が伸長したことなどにより、売上高は1,480億38百万円(前年同期比100.7%、10億44百万円増)、売上総利益は611億38百万円(前年同期比102.1%、12億38百万円増)となりました。
販売費及び一般管理費は、接客力向上のための店舗人員数増に伴う人件費増加などにより、470億47百万円(前年同期比100.3%、1億25百万円増)となりました。
その結果、営業利益は140億90百万円(前年同期比108.6%、11億12百万円増)、経常利益は150億14百万円(前年同期比107.0%、9億83百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては96億59百万円(前年同期比113.0%、11億13百万円増)となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により、従来の方法に比べて、当連結会計年度の売上高は2億4百万円増加し、営業利益、経常利益はそれぞれ21百万円増加しております。
売上高の主な部門別内訳につきましては、卸売部門は487億77百万円(前年同期比99.2%、3億99百万円減)、小売部門は891億88百万円(前年同期比101.6%、14億38百万円増)となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、国内経済情勢及び天候要因等を事業等のリスクとしております。詳細につきましては「第2事業の状況 2事業等のリスク」をご参照ください。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。
中期経営計画(2022年3月期)の達成状況は以下のとおりです。
売上高は、ドライブレコーダーやナビゲーションの販売が低調だったものの、タイヤの販売が堅調だったこと、加えてバイクの需要が高まり関連売上が伸長したことで計画比100.7%となりました。また、効率的な広告宣伝活動や、一部出店計画の見直しに伴い各種経費の発生を想定より抑えられたこともあり、 営業利益は計画比126.9%、経常利益も計画比125.1%となりました。
以上の財政状態、経営成績の結果、自己資本比率は77.6%となり、ROE(自己資本当期純利益率)は目標8.0%を上回る10.2%となりました。ROA(総資産経常利益率)は、売上高経常利益率が10.1%となった結果、目標8.0%を上回る12.2%となりました。
なお、中期経営計画につきましては、2022年3月期の業績動向を勘案した上で2023年3月期の連結業績予想を策定し、同年を計画初年度として3ヵ年計画をローリングのうえ、2025年3月期を最終年度として以下のとおり計画しております。
売上高計画は、2023年3月期連結業績予想の前提条件を計画初年度とし、2年目以降は、新店稼働に伴う増収効果に加え、一般卸売上の拡大を見込んでおります。
経費の見通しは、2023年3月期連結業績予想の前提条件を計画初年度とし、2年目以降の計画は、主に新店稼働による地代家賃、人件費等の増加を見込んでおります。
注)億円未満切り捨て
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要の主なものは、商品等の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。投資資金需要の主なものは、店舗設備の修繕、新規出店等の設備投資等であります。株主還元については中長期的な視点で連結業績に応じた利益還元を重視し、連結配当性向30%を目指し、利益配分を行うことを基本方針としております。
運転資金、投資資金及び株主還元については、自己資金により充当することとしております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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