業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社グループは、前第2四半期連結会計期間より、連結財務諸表を作成しており、前連結会計年度に係る連結損益計算書には子会社の業績は6か月間のみが含まれております。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチンの普及により一時的に経済活動は正常化に向かいましたが、新たな変異株による同感染症の再拡大に加え、ウクライナ情勢の緊迫化による資源価格の高騰等、依然として先行き不透明な状況が続いております。

レディースインナーウエア市場におきましては、長引く消費活動の制限により生活様式が変化するとともに、衣料品の消費マインドの低下や節約志向も根強く続き、依然として厳しい経営環境が続いております。

ファインバブル製品市場におきましては、ウルトラファインバブル技術が様々な分野に応用され、住宅設備機器以外にも、環境、工業、医療、美容などへの開発が進み、今後も市場規模の拡大が期待されております。

また、当社は取締役会の監督機能の実効性を高めることで当社グループのコーポレート・ガバナンス体制を一層充実させるとともに、取締役会における戦略議論を活発化させることにより、当社グループの企業価値のさらなる向上を図ることを目的として、2021年6月23日開催の第46回定時株主総会決議に基づき、同日付で監査等委員会設置会社に移行しております。

なお、報告セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

(レディースインナー等販売事業)

品目別売上高

前連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

増減率
(%)

 衣料品類(百万円)

9,496

8,808

△7.2

 化粧品類(百万円)

1,970

2,083

5.7

 健康食品類(百万円)

1,060

967

△8.8

 その他(百万円)

392

1,301

231.9

合計(百万円)

12,919

13,161

1.9

商品面におきまして、衣料品類では、当社初の一般医療機器商品として、血流改善、筋肉の疲れやこりの緩和ができる「アースメディカル®」繊維を使ったインナーやレッグカバー等を数量限定で発売し好評を得ました。アウター商材はシリーズ見直し等に伴い、一部商品を値引き販売したことなどにより、売上高は88億8百万円(前年同期比7.2%減)となりました。

化粧品類では、ヘアケア商材より、シャンプー・コンディショナー・トリートメントにアカマツの球果や茶葉などから得られた複合成分を新たに加えてリニューアル発売を行い、好調に推移しました。スキンケア商材では、株式会社サンリオのキャラクター「ハローキティ」のデザインをパッケージにしたコラボレーション企画の商品、並びにスキンケアシリーズの特別限定セットなどが好調に推移し、売上高は20億83百万円(同5.7%増)となりました。

健康食品類では、高めの血圧(収縮期血圧)を下げる機能が認められた機能性表示食品「青みかん入り まるごと発酵茶」を新たに発売しましたが、その他定番商品の販売状況が振るわず、売上高は9億67百万円(同8.8%減)となりました。

その他では、子会社のシャワーヘッドを9月に数量限定発売し早期完売したことから、追加で3月にも予約販売を行い、売上高に大きく貢献しました。

営業施策面におきましては、ビジネスメンバー向けに2年ぶりとなるインセンティブ付コンテスト(9月~11月)を実施しましたが、長引く同感染症の影響などによりビジネスメンバーの稼働状況は低調に推移しました。

以上の結果、売上高は131億61百万円(同1.9%増)、セグメント利益は6億6百万円(前年同期はセグメント損失10億57百万円)となりました。

(ウルトラファインバブル技術製品等製造販売事業)

美容と節水効果が期待できるシャワーヘッド「Bollina(ボリーナ)」シリーズにおいては、ウルトラファインバブル製品の昨今のメディア露出の増加による認知度向上の効果を受け、主要取引先からの受注増加に繋がり、売上高は好調に推移しました。また、精製水や水道水などから除菌・消臭効果が期待できる携帯型オゾン水生成器「ボリーナ オースリーミスト」を法人を対象とした営業活動など、新たな販路拡大に取り組みましたが、売上は低調に推移いたしました。

以上の結果、売上高は27億55百万円(セグメント間の内部取引高を含む)、セグメント利益は11億54百万円となりました(前年同期は6か月間の売上高8億51百万円、セグメント利益3億50百万円)。

 

これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は221億45百万円となり、前連結会計年度末と比べて17億85百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が21億41百万円増加したことによるものであります。

 負債合計は33億31百万円となり、前連結会計年度末と比べて9億21百万円増加いたしました。これは主に繰延税金負債が3億5百万円増加、未払法人税等が2億27百万円増加したことによるものであります。

 純資産合計は188億14百万円となり、前連結会計年度末に比べて8億63百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益10億16百万円及び剰余金の配当1億58百万円によるものであります。

 この結果、自己資本比率は85.0%(前連結会計年度末は88.2%)となりました。

b.経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、売上高は155億65百万円(同13.0%増)となりました。利益面につきましては、営業利益は17億4百万円(前年同期は営業損失7億75百万円)、経常利益は17億20百万円(前年同期は経常損失7億29百万円)となりました。レディースインナー等販売事業において、繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、法人税等調整額が2億65百万円発生したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は10億16百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失13億29百万円)となりました。

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ21億40百万円増加し、132億35百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、30億4百万円の収入となりました(前連結会計年度は10億44百万円の支出)。主な要因は、税金等調整前当期純利益17億32百万円、減価償却費及びその他の償却費5億84百万円、未払消費税等の増加2億11百万円、賞与引当金の増加1億65百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、6億39百万円の支出となりました(同33億17百万円の収入)。主な要因は、無形固定資産の取得による支出4億43百万円、有形固定資産の取得による支出1億22百万円、長期前払費用の取得による支出94百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、2億25百万円の支出となりました(同2億19百万円の支出)。主な要因は、配当金の支払額1億58百万円であります。

③生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、卸売、小売を主としているため、生産及び受注の状況は記載しておりません。

a.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

前年同期比(%)

レディースインナー等販売事業(百万円)

13,161

101.9

ウルトラファインバブル技術製品等製造販売事業(百万円)

2,404

282.4

合計

15,565

113.0

 (注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 販売実績が総販売実績の100分の10以上となる相手先はないため、相手先別販売実績につきましては記載を省略しております。

b.仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

前年同期比(%)

レディースインナー等販売事業(百万円)

5,900

78.8

ウルトラファインバブル技術製品等製造販売事業(百万円)

634

447.4

合計

6,534

85.6

 (注) セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループは、2019年4月より3か年の中期経営計画(2019年4月~2022年3月期)に取り組んでまいりましたが、新型コロナウイルス感染症のまん延による影響や2020年8月に株式会社田中金属製作所及び株式会社WATER CONNECTの2社を子会社化したことを受け、前連結会計年度に中期経営計画の推進期間を1年間延ばすとともに、グループとしての戦略について一部計画を見直し、4か年の中期経営計画(2019年4月~2023年3月期)を推進してまいりました。

当連結会計年度におきましては、当社グループの2つの基本戦略である「シャルレビジネス事業の再生」及び「新規事業開発による新たな柱の創造」に基づき、各戦略項目に取り組んでまいりました。「シャルレビジネス事業の再生」におきましては、新型コロナウイルス感染症のまん延による外出自粛制限などが度重なるなか、オンラインを活用した営業支援体制を推進し、ビジネスメンバーとの接点を増やし、新規ビジネスメンバーの育成に努めてまいりました。新規代理店育成数は大幅に増加しましたが、新規特約店育成数は前年度が大幅に増加したこともあり、前年を下回る結果となりました。次に、情報発信のデジタル化に注力し、特約店への情報伝達機能の強化や当社公式SNSの開設・運用を通じて、ビジネスや商品関連情報の提供を積極的に行ってまいりました。しかしながら、ビジネスメンバーにおいては、活動自粛等の影響もあり、特約店稼働人数や平均買付単価は前年を下回る結果となりました。

収益性向上に向けた取り組みとしては、子会社のシャワーヘッドを当社の訪問販売ルートにて販売するとともに、ビジネスメンバーを対象に、衣料品類の一部商品の値引販売を行いました。結果として、シャワーヘッドは想定を上回る売上に繋がりました。加えて、値引販売による在庫ロスの低減により、利益率の改善につながりました。

「新規事業開発による新たな柱の創造」におきましては、子会社のシャワーヘッドの販売が、引き続き好調に推移し売上高が伸長しました。また、新たなチャネルへの展開については、国内外に新たな販売ルートの開拓に取り組んでまいりました。国内では、テレビショッピング等を活用したテスト販売を行いましたが、収益面において想定を大きく下回ったため、計画中止の判断をいたしました。海外では、ベトナムでの販路開拓に向けて、現地パートナー企業を通じてテスト販売を継続しております。

以上の結果、新型コロナウイルス感染症の長期化による影響はありましたが、当連結会計年度は増収増益となりました。

(レディースインナー等販売事業)

売上高は、衣料品類が伸び悩んだものの、子会社のシャワーヘッドの販売状況は好調に推移し、131億61百万円(前年同期比1.9%増)となりました。

当セグメントに計上される費用については、一部衣料品類の値引販売を実施したことや数量限定の販売計画の規模が小さかったことなどから在庫ロスの発生が減少しました。また、前年はビジネスメンバーのコロナ禍の活動支援対策の実施により販売促進費は増加しましたが、当年度においては催事やイベント等の開催を一部中止したことに伴い、主に営業関連の費用が減少したことなどにより、125億54百万円(同10.2%減)となりました。

以上のことから、セグメント利益は6億6百万円(前年同期はセグメント損失10億57百万円)となりました。

セグメント資産は、現金及び預金が11億77百万円増加したことにより200億15百万円となりました。

(ウルトラファインバブル技術製品等製造販売事業)

売上高は、シャワーヘッドの販売状況が好調に推移したことにより、27億55百万円(セグメント間の内部取引高含む)となりました。

当セグメントに計上される費用については、プロモーション活動の強化における広告宣伝費や販売促進費が増加したことなどにより、16億円となりました。

以上のことから、セグメント利益は11億54百万円となりました(前年同期は6か月間の売上高8億51百万円、セグメント費用5億1百万円、セグメント利益3億50百万円)。

セグメント資産は、21億30百万円です。

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書上は増加しておりますが、これは主にレディースインナー等販売事業にて、衣料品類におけるシリーズ見直し等による値引販売をビジネスメンバー向けに実施し、在庫ロスが減少したことに加え、販売促進費などの営業活動費が減少したことにより、一時的に当期の利益が改善したためです。

 当社グループの資本の財源につきましては、主な運転資金需要は商品の仕入代金や販売費及び一般管理費等の営業費用によるもの並びに今後の新規事業の開拓・展開に必要な資金等であります。これらの資金需要に対して自己資金(手元資金と営業活動によるキャッシュ・フロー)によって賄う予定であり、資金の流動性についても、事業活動を行ううえでの資金需要に対して十分に確保しております。

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

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